複雑なイギリス地下鉄、意外とシンプルなフランス地下鉄
日本のメトロは比較的安価に利用できる公共交通機関ですが、メトロの価格は国によって大きく異なりますの。たとえば、私が過去に長期滞在していたイギリス、ロンドン。利用する時間帯やゾーンの通り方によって料金が異なるので、ちんぷんかんぷんでしたわ!そしてとにかくお高〜いのです!まだ若くて十分なお金を持っていなかった私は、定期券を年払いで購入できず会社にお借りしたこともございましたわ。あぁ、あのときのボス様merci(メルシー)!
一方、意外にも(?)フランスのメトロの料金設定は単純明快ですの。のちほど詳しくお話ししますが、“みんなが利用するものだから簡単に理解できるように”なんて、フランス人の懐の深さが窺えますわ!ものすごく個人的な見解ですけれどネ。
パリ観光には、メトロ&「RER」がおすすめ
東西に12km、南北に9km広がるフランスの首都パリは、東京23区より少し小さいくらいの規模ですの。コンパクトシティなのでお散歩好きなパリジャン&パリジェンヌはよく歩いて移動していますわ。とはいえ、時間に限りのある観光客にとって主要スポットを歩いてまわるのは現実的ではないですわよね。そんなときに役立つ交通手段が、パリ中心部を走る「メトロ」と「RER(エール・ウ・エール:高速鉄道)」でございますの!東西南北に通っているので、観光スポットを巡るには大変重宝いたしますわよ。
パリの公共交通機関は、「パリ中心」から円状1〜6ゾーンに区別されていますの。ゾーンごとに運賃が定められていますので、そのゾーン内の料金を買えば良いわけですの。パリ観光であれば1-2ゾーンで十分、シャルルドゴール空港やヴェルサイユ宮殿、フォンテーヌブローなどに行きたい場合には1-5ゾーンが必要になりますわ。たくさん移動される場合はお得なカルネ(回数券)や、次にご紹介するICカード「Navigo(ナヴィゴ)」をお試しあれ!
ペーパーレス化が進むパリ地下鉄!観光なら「Navigo(ナヴィゴ)」を使うべし
現在パリではペーパーレス化が進んでおり、紙のチケットをなくすべくさまざまな工夫がされていますわ。紙のチケットを通す改札が少なくなったり、差し込み口に「C’est fini(紙チケットは終わり)」と書かれたシールが貼ってあったりと、アナログ派にプレッシャーをかけ続けていますの。完全ペーパーレスになる近い将来に備えて、ICカードの利用方法をご説明しておきますわね。
先ほどご紹介した「Navigo」は、日本でいうSuicaやICOCAのようなものですの。3種類ありますが、観光客は「navigo easy(ナヴィゴ・イージー)」か「navigo découverte(ナヴィゴ・デクヴェルト)」を選ぶのがおすすめですわ。
「navigo easy(ナヴィゴ・イージー)」はカードの発行金額が2€(日本円で約292円)で、1回乗車券や1日乗車券、1日乗り放題券などを選択できますの。カードを1枚購入すれば追加チャージをして、何度でも利用可能ですわ。他人に譲渡もできますが1人に1枚必要で、複数人で同時に利用することはできませんの。1日券は購入してから24時間有効ではなく、指定した日付の0時から24時までしか使用できないのでご注意くださいませ。
一方、「navigo découverte(ナヴィゴ・デクヴェルト)」はカードの発行金額が5€(日本円で約730円)で、1日乗り放題券や1週間乗り放題券、1か月乗り放題券などを選択できますの。「navigo easy(ナヴィゴ・イージー)」と同じく何度でも追加チャージできますが、顔写真や署名が必要になりますわ。1日券は指定日の0時から24時まで、1週間券はその週の日曜日まで、1か月券はその月の最終日までしか使えませんの。月後半に購入すると損をする可能性もあるのでお忘れなく!
日本から友人が遊びに来たときは、私も「Navigo」を使って一緒に観光コースを見てまわりますの。基本は日本のICカードに似ているので、みなさまならきっとすぐに慣れるはずですわ。パリにお越しの際は、「Navigo」を使ってパリの街をお巡りあそばせ!
今宵はこれでおしまい。
次回の後編は、そんなパリのメトロのちょっぴり危ないお話。流血騒ぎが起きる、恐怖の二重扉についてお伝えさせていただきますわ。
Excellente soirée! あなたにとって穏やかで明るい毎日でありますように。
写真提供:Mme.JM