「牡蠣も女性と同じ。そっと、優しく扱うことが大事なんだ」
オイスターナイフにはいくつか種類がありますが、私は上の写真のものを長年愛用しておりますのよ。オイスターナイフと共に、牡蠣専用のフォークがセットで販売されているものですわ。
専用のオイスターナイフといっても、最初はなかなかうまくいきませんの。そこでおすすめしたいのは、慣れるまではナイフの扱いに熟練した方と一緒に使ってみること。なぜかって?
フランスに来て間もない頃、友人の自宅に招待され、牡蠣を振る舞ってもらいましたわ。そのとき、慣れていないのに頑張って一人で牡蠣をあけようとしたところ、ぶすっとナイフが手に!幸い軽い切り傷だったのでその場で止血。夕食は普通に楽しみましたが、翌日大きく腫れたので医者にいくと、破傷風と診断されました……。
ちなみに日本で破傷風は、通常、一度予防接種をして終わりですが、フランスでは10年に一回予防接種を受けることが奨励されていますのよ。フランス居住者は、保険で医療費がカバーできますが、海外からの旅行者はちょっとしたケガでも医者に診てもらうだけで15,000円くらいは普通にかかりますわ。状況によっては、もっと高額になることもありますので、できれば海外旅行保険に入っておくとよいでしょう。
話はそれましたが、とにかく牡蠣をむく作業はなかなか難しいものですわよ。以前、ある食品見本市で牡蠣を販売していたコーナーがあり、牡蠣むきチャンピオンなるお方がものすごいスピードで、しかもすべて美しく牡蠣をむいていました。「コツは?」と聞くと、「道具ではなく、殻を持ったほうの手を動かすのがコツ」なのだそう。なるほど。
さらにチャンピオンは、こんなことも言っていましたわ。
「牡蠣も女性と同じ。そっと、優しく扱うことが大事なんだ。お美しいマダムには美しい牡蠣を。ご馳走しますよ!」
まぁ、お誘い……?ではなく、これは商売、商売。でもふと彼に優しくされている奥さま?彼女?は、家でもこの慣れた手さばきで美味しい牡蠣が食べられて幸せだなと、ダーリンには内緒で、ちょっぴりうらやましく思ったのでございます。
まだまだ語り足りないので、次回も私のあふれる牡蠣愛のお話をさせていただきますわよ。
J'adore les huîtres !(牡蠣よ、愛しているわ)
Excellente soirée! あなたにとって穏やかで明るい毎日でありますように。
写真提供:Mme.JM