1.そもそも車両保険とは?
車両保険は、偶然起きた事故、盗難や自然災害などによって契約自動車が損害を被った際に、その車の修理費や買い替え費用などを補償する保険です。補償の対象はあくまで自分の車(車両保険の契約で補償の対象となる車)であり、事故の相手方への補償は対人賠償責任保険や対物賠償責任保険から支払われます。
ここでは、車両保険の補償対象やメリットなどを解説します。
1.1.車両保険の補償対象と加入メリット
車両保険で補償の対象となる損害は、事故・自然災害・盗難など多岐にわたります。主なものは次のとおりです。
- 自動車・動物との衝突・接触
- 盗難
- あて逃げ
- 火災・爆発
- 台風・竜巻・洪水・高潮などの自然災害
- 落書・いたずら
- 飛来中・落下中の他物による損害
ただし、補償される範囲は契約のタイプ(一般型・エコノミー型)によって異なります。また、地震・噴火・津波による損害や故障損害は、通常の車両保険では補償の対象となりませんが、特約をセットすることで備えられます。
車両保険に加入する主なメリットは次のとおりです。
- 高額になりがちな車の修理代が補償される
- 全損の際に車の買い替え費用の負担を軽減できる
- 自損事故やあて逃げなど、相手に請求できない損害にも備えられる
- 台風・洪水・盗難・いたずらなどの不可抗力によるトラブルにも対応できる
1.2.車両保険には一般型とエコノミー型の2つがある
車両保険には、大きく分けて「一般型」と「エコノミー型」の2種類があり、補償範囲と保険料が異なります。
なお、一般型・エコノミー型という名称は通称です。正式名称は保険会社により異なります。
一般型は補償範囲が広く、単独事故(自損事故)なども補償の対象となります。保険料はエコノミー型よりも高くなりますが、いざというときの修理代などの出費をカバーできます。一般型は運転に不安がある方や、日常的に車を使う頻度が高い方に向いているでしょう。
エコノミー型は、自損事故などは補償対象外となりますが、他の車との衝突・接触事故、盗難、台風などの自然災害による損害などが補償されます。補償範囲が限定される分、一般型よりも保険料を抑えられるため、コストを抑えたい方に向いているでしょう。
損保ジャパンでは、補償範囲が広い「一般条件」と、補償範囲が限定される代わりに保険料がお手頃になる「車対車事故・限定危険」という2つの契約タイプがあります。それぞれのタイプの主な補償範囲の違いは次のとおりです。
| 事故例 | 契約タイプ | |
|---|---|---|
| 一般条件 | 車対車・限定危険 ※1 | |
| ご契約の自動車以外の自動車との衝突 | 〇 | 〇 |
| あて逃げ | 〇 | 〇 |
| 動物との衝突・接触 | 〇 | 〇 ※2 |
| 盗難 | 〇 ※3 | 〇 ※3 |
| 火災・爆発 | 〇 | 〇 |
| 台風・竜巻・洪水・高潮 | 〇 | 〇 |
| 落書・いたずら | 〇 | 〇 |
| 飛来中・落下中の他物との衝突 | 〇 | 〇 |
| 電柱・ガードレールに衝突 | 〇 | ✕ |
| 自転車との衝突・接触 | 〇 | ✕ |
| 墜落・転覆 | 〇 | ✕ |
| 地震・噴火・津波 | オプション ※4 | オプション ※4 |
| 故障 | オプション ※5 | オプション ※5 |
※1「⾞対⾞事故・限定危険特約」をセットした⾞両保険をいいます。
※2 人との衝突または接触によって生じた損害は補償されません。
※3「⾞両盗難対象外特約」がセットされている場合は補償されません。
※4「地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約」をセットすることにより、ご契約の⾃動⾞に損害が⽣じ所定の状態になった場合に、⼀時⾦をお⽀払いします。
※5 故障運搬時⾞両損害特約をセットすることにより、ご契約の⾃動⾞に損害が⽣じ所定の状態になった場合に、保険⾦をお⽀払いします。
一般型とエコノミー型のどちらにすべきか迷ったときは、補償範囲や保険料を確認し、車の使用状況や自分の運転リスクを踏まえたうえでご自身に合うものを選びましょう。
2.車両保険金額とは?支払限度額の仕組みを理解しよう
車両保険金額とは、車両保険で支払われる保険金の支払限度額のことです。この額は車両保険を契約する際、ご契約の自動車の市場販売価格相当額をもとに決められます。市場販売価格相当額とは、契約する車と車種や型式、年式、仕様などが同じで、損耗度も同程度の車を購入する場合の価格のことです。
一般的に時間の経過によって車の市場価格は下がっていき、同じ車でも車の使用状況や年式などにより車両保険金額が異なる場合があります。
2.1.車両保険金額の算出方法と協定保険価額の関係
車両保険金額は、契約締結時に契約者または被保険者と保険会社があらかじめ定めた協定保険価額に基づいて設定されます。
協定保険価額とは、車両保険の契約締結時に、契約者または被保険者と保険会社が契約自動車について協定した価額のことです。価額は、契約する車の用途・車種・型式・年式・仕様・初度登録年月などを踏まえ、市場販売価格相当額を参考に定められます。
なお、協定保険価額は事故発生時の経年や個々の車両の消耗の実態に関わらず、保険期間中は契約時に協定した価額を限度として保険金が支払われます。
全損時は、あらかじめ契約時に協定した協定保険価額を車両保険金額として保険金が支払われます。さらに保険会社によっては、車の買い替え等の諸費用に備える全損時諸費用保険金が加わります。たとえば損保ジャパンの『THE クルマの保険』では、これが車両保険に自動的にセットされています。また、分損の場合は、実際の修理費用に基づいて保険金が支払われます。
通常、経年劣化などで契約自動車の市場価格は減少していきますが、車両保険で協定保険価額方式を採用することにより、協定保険価額を限度に車両保険金額が支払われます。
また、全損と分損では支払われる保険金の計算方法が異なります。事故により全損した際には、協定保険価額が保険金として支払われます。しかし、分損の際には協定保険価額が支払われるのではなく、実際の損害額(修理費)から自己負担額(免責金額)を差し引いた分が保険金として支払われます。
3.車両保険金額の目安とポイント
車両保険金額は、契約自動車の市場販売価格相当額をもとに、保険会社が定める一定の範囲内で設定するのが一般的です。
ただし、新車・中古車のいずれかによって、保険金額を算出する際の基準が異なります。それぞれの特徴をおさえたうえで、車両保険金額の決め方のポイントを理解しておきましょう。
3.1.購入してから1年未満の新車の場合
購入してから1年未満の新車の場合、基本的には車両保険金額は購入時にかかった金額を車両保険金額として設定します。購入時にかかった金額には、車両本体価格のほか、付属品や消費税も含みます。
新車の車両保険金額=車両本体価格+付属品+消費税
付属品とは、カーナビゲーションシステム、ETC車載器、エアコン、カーステレオ、フロアマット、標準工具など、車両本体に定着または装備されている物をいいます。
ただし、ガソリンやインテリア用の車用品、洗車用品などは付属品には含まれないので注意しましょう。
3.2.中古車の場合
中古車の車両保険金額は、契約する車の車種、型式、年式、仕様などが同じで、同程度の損耗度である車の市場販売価格相当額をもとに、保険会社が設定する保険金額の範囲内で設定します。
中古車は経過した年数に応じて、市場価格が下がっていきます。そのため、保険会社が提示する設定可能な車両保険金額の範囲が思いのほか低い場合があるかもしれません。ただ、日頃から車を利用する頻度が多い人の場合、万が一のときのことを考えると、偶然の事故や自然災害による損害を補償してくれる車両保険は経済的なリスクへの備えとなります。市場価格と保険金額のバランスを考慮しつつ、保険料を負担してでも加入しておいた方がよいと考えるときは、車両保険の加入を検討するとよいでしょう。
4.【年代別】自動車保険料の相場
車両保険をセットするかどうかで、月額保険料は大きく変わります。損保ジャパンの個人用自動車保険『THE クルマの保険』の試算結果をもとに、年代別の月額保険料の一例を見てみましょう。
| 車両保険あり | 車両保険なし | |
|---|---|---|
| 20代 | 18,181円 | 8,701円 |
| 30代 | 6,689円 | 3,273円 |
| 40代 | 6,125円 | 2,965円 |
| 50代 | 4,775円 | 2,323円 |
| 60代 | 5,017円 | 2,407円 |
保険料試算条件
<20代>●保険種類:THE クルマの保険(個人用自動車保険) ●ご契約期間:2026年7月1日から1年間 ●等級:6S 事故有係数適用期間:0年 ●記名被保険者の運転免許証の色:ブルー ●使用目的:日常・レジャー使用 ●用途車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:6 対人:5 対物:5 傷害:11) ●運転者限定:本人のみ ●年齢条件:21歳以上補償 ●記名被保険者年齢:22歳 ●自動車の初度登録年月:2026年7月 ●車齢別割引:あり ●エコカー割引:あり ●Web証券割引:あり ●払込方法:クレジットカード払(分割払) ●対人賠償・対物賠償:無制限(自己負担額なし) ●人身傷害:7,000万円(自動車・交通乗用具事故補償)●入通院定額給付金:10万円 ●車両保険:一般条件(車両保険金額:265万円・自己負担額5-10万円 )
<30代>●保険種類:THE クルマの保険(個人用自動車保険) ●ご契約期間:2026年7月1日から1年間 ●等級:13 ●事故有係数適用期間:0年 ●記名被保険者の運転免許証の色:ゴールド ●使用目的:日常・レジャー使用 ●用途車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:6 対人:5 対物:5 傷害:11) ●運転者限定:本人のみ ●年齢条件:26歳以上補償 ●記名被保険者年齢:30歳 ●自動車の初度登録年月:2026年7月 ●車齢別割引:あり ●エコカー割引:あり ●ゴールド免許割引:あり ●Web証券割引:あり ●払込方法:クレジットカード払(分割払) ●対人賠償・対物賠償:無制限(自己負担額なし) ●人身傷害:7,000万円(自動車・交通乗用具事故補償)●入通院定額給付金:10万円 ●車両保険:一般条件(車両保険金額:265万円・自己負担額5-10万円 )
<40代>●保険種類:THE クルマの保険(個人用自動車保険) ●ご契約期間:2026年7月1日から1年間 ●等級:13 事故有係数適用期間:0年 ●記名被保険者の運転免許証の色:ゴールド ●使用目的:日常・レジャー使用 ●用途車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:6 対人:5 対物:5 傷害:11) ●運転者限定:本人のみ ●年齢条件:35歳以上補償 ●記名被保険者年齢:45歳 ●自動車の初度登録年月:2026年7月 ●車齢別割引:あり ●エコカー割引:あり ●ゴールド免許割引:あり ●Web証券割引:あり ●払込方法:クレジットカード払(分割払) ●対人賠償・対物賠償:無制限(自己負担額なし) ●人身傷害:7,000万円(自動車・交通乗用具事故補償)●入通院定額給付金:10万円 ●車両保険:一般条件(車両保険金額:265万円・自己負担額5-10万円 )
<50代>●保険種類:THE クルマの保険(個人用自動車保険) ●ご契約期間:2026年7月1日から1年間 ●等級:20 事故有係数適用期間:0年 ●記名被保険者の運転免許証の色:ゴールド ●使用目的:日常・レジャー使用 ●用途車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:6 対人:5 対物:5 傷害:11) ●運転者限定:本人のみ ●年齢条件:35歳以上補償 ●記名被保険者年齢:55歳 ●自動車の初度登録年月:2026年7月 ●車齢別割引:あり ●エコカー割引:あり ●ゴールド免許割引:あり ●Web証券割引:あり ●払込方法:クレジットカード払(分割払) ●対人賠償・対物賠償:無制限(自己負担額なし) ●人身傷害:7,000万円(自動車・交通乗用具事故補償)●入通院定額給付金:10万円 ●車両保険:一般条件(車両保険金額:265万円・自己負担額5-10万円 )
<60代>●保険種類:THE クルマの保険(個人用自動車保険) ●ご契約期間:2026年7月1日から1年間 ●等級:20 事故有係数適用期間:0年 ●記名被保険者の運転免許証の色:ゴールド ●使用目的:日常・レジャー使用 ●用途車種:自家用小型乗用車(料率クラス 車両:6 対人:5 対物:5 傷害:11) ●運転者限定:本人のみ ●年齢条件:35歳以上補償 ●記名被保険者年齢:64歳 ●自動車の初度登録年月:2026年7月 ●車齢別割引:あり ●エコカー割引:あり ●ゴールド免許割引:あり ●Web証券割引:あり ●払込方法:クレジットカード払(分割払) ●対人賠償・対物賠償:無制限(自己負担額なし) ●人身傷害:7,000万円(自動車・交通乗用具事故補償)●入通院定額給付金:10万円 ●車両保険:一般条件(車両保険金額:265万円・自己負担額5-10万円 )
20代は、運転経験が浅く統計的に事故率が高いことから、他の年代と比べて保険料が高くなる傾向があります。一方、等級(保険料の割引率を決めるランク)が上がるにつれて割引率が大きくなるため、30代以降は20代に比べて保険料は下がる傾向にあります。
車両保険をセットするかどうかは、保険料の増加分だけでなく、万が一の際の修理代・買い替え費用を比較したうえで総合的に判断しましょう。
5.保険料を抑えるためのポイント
万が一、事故に遭ったときのことを考えると、車両保険に加入しておいた方がよいかもしれません。しかし、保険料の負担を考えると、加入を躊躇する方もいるのではないでしょうか。
ここでは、車両保険の保険料を抑えるためのポイントをご紹介します。
5.1.自己負担額(免責金額)を高めに設定する
車両保険の保険料を抑えたいときは、契約時に自己負担額(免責金額)を高めに設定する検討をしましょう。自己負担額を設定すると、事故が発生して保険金を受け取る際に、設定した自己負担額を差し引いた金額が保険金として支払われます。
事故により修理費が発生したときに一部を自己負担することにはなりますが、支払う保険料は安くなります。また、自己負担額を高めに設定するほど保険料は抑えられます。
ただ、自己負担額を高めに設定しすぎると、修理が必要な事故が発生した際に、ご自身の負担額が大きくなる点に注意が必要です。また、事故の際に保険を使って修理すると翌年度の等級が下がり、通常は保険料が高くなります。将来の保険料支払いを考えると、事故の程度によっては保険を使わず全額自己負担で修理した方がよい場合もあります。
自己負担額(免責金額)は、保険料だけでなく、車の使用状況や臨時出費として準備できる金額などを考慮したうえで、家計に負担が生じない範囲で設定するとよいでしょう。
5.2.補償範囲をエコノミー型にする
車両保険を契約する際、補償範囲を一般型ではなくエコノミー型にすることで、保険料を抑えられます。なお、「一般型」「エコノミー型」といった名称や細かな補償内容は、保険会社によって異なります。
エコノミー型では、自損事故が補償の対象外になりますが、他の車との衝突や接触、火災、爆発などによる損害や、台風や洪水などの自然災害によって車が損害を被ったときに補償を受けられます。
運転免許を取得して間もない方や運転に不安がある方、日常的に運転する機会が多い方は、補償範囲が広い一般型の方が安心できるかもしれません。反対に、運転に慣れており、自損事故のリスクが低いとご自身で判断する場合は、エコノミー型を選んでもよいでしょう。
5.3.車両保険金額や補償内容を見直す
車両保険金額は契約自動車の市場販売価格相当額をもとに保険会社が定める範囲内で設定しますが、あえて低めの金額を設定することで、保険料をわずかですが抑えられる場合もあります。少しでも保険料を節約したい方は検討してもよいかもしれません。
例えば、車両保険金額の設定できる範囲が180万〜220万円の場合、220万円ではなく180万円を選ぶことで、保険料をわずかながら抑えられます。ただし、車両保険金額を低くした場合、全損の際に受け取れる保険金の上限もその分下がってしまうことは理解しておきましょう。
また、家族構成が変わったタイミングなど、定期的に自動車保険の契約条件を見直すことも、保険料を抑えるうえで効果的です。
例えば、他の保険と補償が重複していないか、補償対象となる運転者の範囲や年齢条件が現在の使用状況と合っているかなどを確認することで、保険料を抑えられる可能性があるでしょう。
6.車両保険にセットできる特約
車両保険金額は市場販売価格相当額をベースに設定されることから、契約自動車が事故で全損扱いになった場合、保険金額で修理費や車の買い替え費用をまかなえないケースがあります。また、通常の車両保険では補償されない故障による修理代や、修理期間中の代車費用が負担になる場合もあります。こうした場面に備え、損保ジャパンの個人用自動車保険『THE クルマの保険』では、車両保険にセットできるさまざまな特約を用意しています。今回は、その中から3つの特約をご紹介します。
- 車両新価特約
- 車両全損時復旧費用特約
- 代車費用特約(レンタカー特約)
特約は補償内容をよく確認して、必要であると判断したらセットするとよいでしょう。
6.1.車両新価特約
車両新価特約とは、契約自動車が全損扱いになった場合、または、修理費が新車価格相当額の50%以上※になった場合に、実際にかかる自動車の再取得費用(車両本体価格+付属品+消費税)または修理費等について、新車価格相当額を限度に補償される特約です。
※フレームやエンジンなど、内外装・外板部品以外の部分に著しい損傷が無い場合は支払いの対象となりません。
なお、車両新価特約は
- 車両保険を適用した契約であること
- 車両保険金額(契約期間が1年超の場合は、最終年度の車両保険金額)が新車価格相当額の50%以上の金額であること
という条件に該当するかぎりは、セット可能です。
通常、車両保険で受け取れる保険金は協定保険価額が上限となるため、たとえば全損で新車に買い替える場合、買い替え費用をまかないきれないことがあります。その点、車両保険に車両新価特約をセットしておけば、事故で高額の修理費が必要になったり、新車に買い替えたりするときに、新車価格相当額を限度にその費用をまかなえます。
契約自動車が盗難に遭い発見されないときは、原則として車両新価特約で補償されないので注意しましょう。ただし、盗難後に契約自動車が発見され、全損または修理費が新車価格相当額の50%以上のときは車両新価特約の対象となります。
6.2.車両全損時復旧費用特約
車両全損時復旧費用特約とは、契約自動車が全損扱いになった場合、実際にかかる自動車の再取得費用(車両本体価格+付属品+消費税)または修理費等について、復旧費用限度額を限度に補償される特約です。復旧費用限度額とは、車両保険金額の2倍、または車両保険金額に100万円を加えた額のいずれか低い方の金額のことです。
なお、車両全損時復旧費用特約は
- 車両保険を適用した契約であること
- 車両保険金額(ご契約期間が1年超の場合、初年度の車両保険金額)が新車価格相当額の50%未満の金額であること
という条件に該当するかぎりは、セット可能です。
時間の経過によって車の評価額は下がっていくので、長く乗り続けている車の場合、車両保険金額は年数に応じて低くなります。この場合、事故により全損になると、修理費が高額になり、車両保険金額では修理費をまかないきれない場合があります。また、新しい車に買い替える場合でも、車両保険金額では買い替え費用をまかなえず、経済的負担が増します。
そこで、事故で車が全損になった場合に備えて、車両保険に車両全損時復旧費用特約をセットしておけば修理費をまかなえます。また、全損で新しい車に買い替えるときも、その費用を補てんできます。
ただし、車の損害状況や車種によっては、修理費の全額をカバーできないことがあります。車を買い替えるときも、保険金が不足して自己負担分が生じる場合がある点は留意しておきましょう。車両全損時復旧費用特約と車両新価特約には、それぞれ特性や条件があります。よく確認して、どちらが自車に適しているかを検討しましょう。
6.3.代車費用特約(レンタカー特約)
代車費用特約とは、所定の事故、故障またはトラブルにより走行不能となりレッカーけん引された場合などに、修理に出している期間の代車(レンタカー)費用が補償される特約です。なお、事故の場合は、走行不能とならないときも支払いの対象となります。損保ジャパンの個人用自動車保険『THE クルマの保険』では、補償される日数は、契約時に次の2種類から選択できます。
- 代車費用特約(事故時30日型):事故の場合は30日、故障損害により走行不能となった場合は15日が限度
- 代車費用特約(15日型):事故、故障損害などいずれの場合も15日が限度
事故や故障で車を修理に出すと、その間の移動手段を自身で確保しなければならないことが多く、修理工場の代車が空いていない場合はレンタカーを借りることになります。修理が長引けばレンタカー費用がまとまった出費になり、特に毎日通勤や送り迎えで車を使う方にとっては負担が家計に響きます。
そこで、車両保険に代車費用特約をセットしておけば、修理期間中のレンタカー費用の負担を抑えられます。事故の場合は走行不能とならない場合にも補償されるため、幅広い状況で活用できます。毎日車を使う方にとって、修理期間中の移動手段にかかる費用への不安を和らげてくれる特約といえるでしょう。
ただし、故障の場合は、補償の範囲や日数がタイプによって異なる点については事前に確認が必要でしょう。
7.車両保険金額に関するよくある質問
車両保険を契約するときに車両保険金額を設定しますが、その設定方法に迷う人も少なくありません。また、車両保険について正しく理解していないと、全損の扱いや車両保険を使うかどうかを判断するのが難しい場合もあります。
そこで、車両保険に加入検討中の人が疑問に思うことを想定しピックアップしました。車両保険を正しく理解するためにも、疑問点を事前に解消しておきましょう。
7.1.全損とはどういう状態ですか?
車両保険における全損には2つの状態があります。1つは、契約自動車が修理ができないほど損害を被っている場合、または盗難に遭い発見されなかった場合で、これを「物理的全損」といいます。もう1つは、修理費が車両保険金額を上回る状態のことで、これを「経済的全損」といいます。なお、全損に該当しない被害は「分損」といいます。
車両保険の契約時に設定する車両保険金額は、市場販売価格相当額をもとに決まります。そのため、全損となった際に受け取れる保険金では、車の買い替え費用を十分に補償できない場合があるので注意しましょう。
全損時の自己負担を減らしたいときは、修理費や買い替え費用の差額をカバーする車両新価特約や、車両全損時復旧費用特約のセットを検討するとよいでしょう。
7.2.事故時に保険を使うか迷ったときの判断基準は?
事故に遭ったとき、車両保険を使うべきかどうか迷うことがあるかもしれません。そのときは、車の修理費と保険を使った場合に翌年度以降の保険料がどれくらい上がるかを確認したうえで判断するとよいでしょう。
事故に遭ったときに車両保険を使うと翌年度の等級が下がり、一定期間は事故有の割増引率が適用されるため保険料が上がります。事故有の割増引率が適用される期間を事故有係数適用期間といい、3等級ダウン事故の場合は3年間、1等級ダウン事故の場合は1年間適用されます(保険期間が1年の場合)。
翌年度以降の保険料がどれくらい上がるのかを確認して、実際にかかる修理費と比較してみましょう。保険料の上昇分よりも修理費の方が高くなる場合は、車両保険を使って修理費を補償してもらうとよいでしょう。反対に、修理費が保険料の上昇分よりも少額になる場合は、車両保険を使わずに修理費を自己負担した方がよいかもしれません。
保険会社に依頼すると、将来の保険料がどれくらいになるか概算見積りを出してもらえます。修理費の見積りと比較し、保険の使用を判断することをおすすめします。
8.まとめ
車両保険金額は、契約自動車の市場販売価格相当額をもとに、契約者または被保険者と保険会社が協定した価額です(協定保険価額)。車は年数の経過とともに市場価値が下がるため、新車・中古車それぞれの特徴をふまえたうえで、自分の車に合った金額を設定することが大切です。
全損時の修理代や買い替え費用が不安な場合は、車両新価特約や車両全損時復旧費用特約のセットを検討しましょう。故障による修理代や修理期間中の代車費用に備えたい場合は、代車費用特約も選択肢となります。
保険料の負担を抑えたい場合は、自己負担額を高めに設定する、補償範囲をエコノミー型にする、家族構成が変わったタイミングで運転者の範囲や年齢条件を見直す、といった方法もあります。補償内容と保険料のバランスを考慮しながら、家計に無理のない範囲で設定しましょう。
※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2026年7月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
SJI26-57032(2026.06.25)
引受保険会社:損害保険ジャパン株式会社
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
お問い合わせ:https://www.sompo-japan.co.jp/contact/

