地震発生時、地震保険では車の補償がされない?
火災保険に加入している人は、地震が起きた場合に備えて地震保険をセットで契約している人も多いでしょう。地震保険は、自宅の建物やマンションの専有部分、家財を対象としています。家財は生活で使う動産を対象とするので、所有する車も対象になると考えるかもしれません。しかし、車は火災保険とセットで加入する地震保険では補償の対象外となっています。
地震保険では、あくまでも自宅として使っている建物やマンションの戸室と、日常生活で使用している自宅内の家財が対象です。自分が所有するものとはいえ、店舗や事務所として使用する建物や、設備や商品・製品、1個または1組が30万円を超える宝石類や貴金属・美術品に加え、自動車も補償の対象外となっています。
万が一地震が起きたとき、車が倒壊した建物の下敷きになって壊れたり、地震による津波で車が流されたりすることがあるかもしれません。日常生活で車が欠かせないものになっている場合、地震で車が壊れて使用できなくなれば、生活を再建するため新しい車に買い替える必要があるでしょう。
そのような状況に備えて、車の損害に対する補償を得る方法があります。それは、車両保険に地震特約をセットして契約する方法です。くわしくは次の章でご紹介します。
自動車保険は地震発生時、車の補償がある?
自動車保険のうち、車の損害を補償してくれるのは車両保険です。しかし、地震が起きたときに車が損害を被っても、一般的な車両保険では補償されません。
地震による災害は広域にわたって甚大な被害が発生する可能性が高く、車両保険の基本補償では、地震による損害は補償の対象外となっているのです。一般的に車両保険で補償されるのは、交通事故や台風、竜巻、洪水、高潮、盗難などによる災害です。
では、地震が発生した場合、自分が所有する車の損害に対し、どのように備えればいいのでしょうか?
このとき、車の損害を補償するのが一般的には車両保険にセットする「地震特約」です。保険会社によって、地震特約を設け、地震や噴火、津波による車の損害を補償するところがあります。ただ、地震特約は単体では契約できません。主契約となる車両保険にセットして地震特約を契約することで、地震時でも補償を受けられるようになります。
地震が発生した場合、所有する車に被害が及ぶかもしれません。地震による車の損害に備えておきたいときには、車両保険と一緒に地震特約も契約しておくことをおすすめします。
自動車保険の地震特約の概要
地震特約は各保険会社により、特約の名称や内容が異なります。ここでは、損保ジャパンの個人用自動車保険「THE クルマの保険」で提供する「地震・噴火・津波車両全損時一時金特約」を例に説明します。
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約は、車両保険とセットで契約する必要があります。また、地震により車が損害を被ったときに補償を受けられるのは、特約で設定されている「全損」の状態になった場合です。
特約をセットしている場合、地震により契約する車が特約で定める「全損」の状態になったとき、50万円を一時金として受け取ることができます。車両保険金額が50万円未満のときは、受け取れる一時金は車両保険と同額です。
また、保険金を受け取れるのは、契約する車の記名被保険者です。
自動車保険の一般の車両保険における全損と地震特約の全損の違い
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約では、地震により車が「全損」の状態にならないと補償を受けることができません。ただ、一般的な車両保険とは「全損」の定義が異なるので注意が必要です。
ここでは一般の車両保険における全損と、地震特約が定める全損の違いを解説します。
一般の車両保険の全損とは
一般の車両保険における全損には「物理的全損」と「経済的全損」の2つの種類があります。物理的全損には2つのケースがあり、1つは車が修復できない状態になることです。もう1つは、車が盗難の被害に遭い発見されないケース(保険対象の滅失)を指します。
経済的全損とは、車は修理できる状態ではあるものの、その際にかかる修理費用が車両保険金額以上となる場合をいいます。
車両保険の保険金額は契約時における車の時価額をもとに設定しますが、経済的全損の状態になると保険金額では修理ができないため、全損扱いになります。
一般的な車両保険が定める全損の定義は、以下の通りです。
・車の修復が不可能になるほどの損害を受けている
・車が盗難に遭い発見されない
・車の修理費が車両保険金額を超えるほどの損害を受けている
地震特約の全損とは
損保ジャパンの「地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約」では、主な全損の状態は以下の通りです。
<主な全損の状態>
・フレーム、サスペンション、原動機など損保ジャパンが所定する箇所が著しい損傷を受けているとき
・車が流失または埋没して発見できないとき
・運転席の座面を超えて浸水したとき
・車が全焼したとき
・その他、修理が不可能で廃車になったとき
地震により車が上記の状態になった場合、車両保険に地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約をセットしてあれば補償を受けられます。
特約が定める全損の定義は一般の車両保険の全損とは状態が異なります。契約時に受けとる約款に目を通して、全損の定義を確認しておきましょう。
自動車保険の地震特約における注意点
損保ジャパンの自動車保険では、車が損害を被ったときに補償を受けるには、自動車保険の車両保険を契約する必要がありますが、地震による損害は車両保険で補償されません。
地震が起き、車が損害を被ったときに補償を受けられるようにするには、車両保険に地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約をセットして契約する必要があります。ただし、特約が定める全損状態にならなければ補償を受けられないので注意しましょう。
自動車保険の地震特約に関するよくあるQ&A
地震が起きて車が損害を受けた場合に備えて、地震特約を検討している人もいるでしょう。地震特約ではどのような場合に補償が受けられるのか確認しておくことは重要です。
ここでは自動車保険の地震特約について、よくある質問にお答えします。
地震で車が損害を受けたとき、自動車保険で補償を受けられますか?
一般的な自動車保険では地震による損害は対象外となっているため、補償を受けることができません。しかし、保険会社によっては地震特約を設けており、車両保険に地震特約をセットすることで、地震による損害でも補償を受けられます。
保険会社によっては、保険金が支払われるための損害の程度に関する条件が一般的な車両保険と異なる場合がありますので、どのような状態なら補償されるのか、パンフレットや約款で確認しておく必要があります。
地震特約を付けた場合、どれくらいの保険金を受け取れますか?
損保ジャパンの「地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約」では、車両保険に特約をセットしている場合で、地震により被った損害が定められた全損状態に該当するときは、一時金として50万円を受け取ることができます。
ただし、車両保険金額が50万円未満の場合に受け取れる一時金は車両保険と同額になる点に留意しておきましょう。
地震発生時、車がどのような状態になれば地震特約の補償を受けられますか?
損保ジャパンの「地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約」では次のような状態になった場合に保険金が支払われます。
・フレーム、サスペンション、原動機など損保ジャパンが所定する箇所が著しい損傷を受けているとき
・車が流失または埋没して発見できないとき
・運転席の座面を超えて浸水したとき
・車が全焼したとき
・その他、修理が不可能で廃車になったとき
まとめ
自動車保険の中で、車の損害に備えられるのは車両保険です。ただ、車両保険の加入だけでは、地震発生時に被った車の損害は補償の対象外となってしまいます。
地震による車の損害に備えたいときは、車両保険に地震特約をセットしておきましょう。
普段の生活で車をよく利用する場合、地震により車が修理できないほどの損害を受けると、生活に支障が出るかもしれません。生活再建のために車の購入が必要になる人にとっては、地震特約は選択肢の1つになるでしょう。地震による車の損害に備えておきたい人は、地震特約を検討してみてはいかがでしょうか。
※本コラムでご案内した商品に関する内容は概要を説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
SJ25-51016(2025.05.30)
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