1.自動車保険の見直しのタイミング
自動車保険は適切なタイミングでの見直しが大切です。補償内容や保険料の最適化をはかるためには以下の5つのタイミングがおすすめです。
1.1.加入している自動車保険の更新時期
自動車保険の更新時期は、補償内容の見直しや保険会社を切り替えるのに最適なタイミングです。更新時期が近くなると加入中の保険会社から更新の案内がくるので、現在の加入内容がどうなっているのかを確認する良い機会となります。
保険会社の切り替えを検討する場合、契約期間の途中での切り替えも可能ですが、途中で切り替えしてしまうと、1年間無事故で進行する保険等級の進みが遅れてしまうデメリットが発生します。自動車保険のノンフリート等級は、1年間の保険期間中(契約始期から満期まで)に事故で保険を使わなければ毎年1つずつ上がりますが(上限:20等級)、契約期間の途中で他社に切り替えた場合、切り替え時点の等級が維持されてしまい、保険料の割引メリットを受けるのが遅れてしまうためです。そのため、保険会社を切り替える際は、等級が上がるタイミングである満期更新のときに行うことをおすすめします。
なお、一般的な自動車保険は1年更新ですが、契約内容や保険会社によっては3年、5年、7年などの長期契約になっているケースもあります。いずれの場合も更新の案内がハガキやメールで届くので、見落とさないように注意しましょう。
1.2.運転者(記名被保険者)や使用の目的に変化があったとき
「結婚して配偶者(※)が運転するようになった」「子どもが免許を取った」あるいは「子どもが独立して車に乗らなくなった」など、運転者(記名被保険者)の範囲が変わるときは自動車保険を見直すべきタイミングです。
原則的に自動車保険は、運転者として設定した範囲以外の人が運転して起こした事故は補償の対象になりません。逆に、これまで運転していた人が、その車を運転しなくなった場合など、運転者の範囲を限定することによって保険料を抑えることも可能です。
また、「職場が変わったので車通勤をやめた」など、通勤・通学で毎日車を使うことがなくなった場合も保険料に影響します。
※損保ジャパンでは配偶者には内縁の相手方および同性のパートナーを含みます。以下、同様とします。
1.3.年齢条件が変わる誕生日を迎えたとき
自動車保険には「運転者年齢条件」という特約があり、多くの損害保険会社が21歳以上、26歳以上、35歳以上の区分で補償範囲を限定できます。運転をする可能性がある家族のうち最も若い方の年齢に合わせて正しく設定することで、保険料を安く抑えられる可能性があります。
事故率が高い傾向にある若年ドライバーの保険料は高いため、例えば18歳で免許を取得した子どもが21歳を迎えたら運転者年齢条件を「全年齢」から「21歳以上」に設定することで保険料を節約できます。ご自身はもちろん、運転する配偶者・同居の子どもなどが誕生日を迎えた際は、その年齢に沿った年齢条件が設定されているかを確認しましょう。
1.4.車を購入したとき
車の買い替えに伴い、契約車両の変更(車両入替)手続きが必要となるときも、自動車保険を見直しましょう。特に、新車に買い替えたときに見直したいのが、「車両保険」の加入や補償内容です。車両保険には「一般条件」と「車対車・限定危険」の大きく2種類があり、どちらを選ぶのかによって保険料が異なります。
車両保険の自己負担額(免責金額)も保険料や事故発生時の負担を左右するポイントです。また、車両保険には車両が全損となった場合に再取得費用または修理費等を補償する「車両新価特約」のような補償を手厚くするオプションもあります。車齢や運転技術などを考慮したうえで、最適な補償内容にしていきましょう。
2台目の車両を購入したなど、増車したときにも自動車保険の見直しをおすすめします。一定の条件を満たす必要はありますが、2台以上の自動車をまとめて契約すると、台数に応じた保険料の割引を提供している保険会社もあります。
加えて、「複数所有新規割引(セカンドカー割引)」の適用を受けられる可能性もあります。条件を満たし適用されれば、通常は6(S)等級からスタートするところ、割引率の高い7(S)等級からスタートできるため、保険料の割引率が大きくなるでしょう。
1.5. ブルー免許からゴールド免許になったとき
無事故・無違反を5年以上継続すると保有できるゴールド免許は、事故を起こすリスクが低い優良ドライバーであるため、多くの保険会社では「ゴールド免許割引」があります。ただし、割引率や適用開始のタイミング、他の割引制度との併用可否は保険会社によって異なります。ブルー免許からゴールド免許に変わったときは、加入している保険会社のゴールド免許割引について詳しく確認しましょう。
2.見直しの際に確認しておくべき補償内容
自動車保険の見直しにより、補償内容や保険料を適正化させるためには、セットできる各種保険の補償内容を把握しておくことが大切です。以下で、それぞれの把握しておくべき補償内容や確認するべきポイントを解説します。
2.1.車両保険
車両保険では、衝突・接触などの事故や、台風・洪水などの自然災害、盗難、落書きなどの偶然な事故により契約自動車が受けた損害に対して保険金が支払われます。
車両保険には、大きく分けて2つの契約タイプがあります。1つは補償範囲の広い「一般条件」、もう1つは補償を車対車の事故や自然災害などに限定して保険料を抑えた「車対車・限定危険」です。車両に損害を受けるリスクは、使用状況や環境などによっても変わります。保険料とのバランスも考え、自分に合うタイプを検討しましょう。
2.2.人身傷害保険
人身傷害保険では、契約自動車に搭乗中の自動車事故で、自身や同乗者が死傷した場合に生じる治療費や逸失利益などについて、保険金が支払われます。原則、契約時に設定した保険金額を限度に、実際の損害額(治療費・休業損害・精神的損害など)が過失割合(事故の責任の割合)に関わらず支払われます。
2.3.対物賠償責任保険
対物賠償責任保険は、自動車事故で他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。他人の財物とは、例えば、他人の車、家屋、ガードレール、店舗(休業損害含む)、踏切の遮断機などさまざまです。高額な損害賠償につながるおそれがあるため、保険金額は『無制限』に設定するのが一般的です。財物に対する損害は自賠責保険(強制保険)では補償されないため、自動車保険でしっかり備えることが必要です。
2.4.対人賠償責任保険
対人賠償責任保険は、自動車事故で他人を死傷させてしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。自賠責保険(強制保険)で支払われる限度額を超えた部分が補償の対象ですが、慰謝料や被害者の逸失利益、将来の介護費用などの高額な損害賠償が発生することも考え、保険金額は『無制限』に設定するのが一般的です。
2.5.自動車保険にセットできる主な特約
オプションとして自動車保険にセットできる特約もあります。特約をセットすることで補償の幅が広がります。
例えば、「弁護士費用特約」や「個人賠償責任特約」「ファミリーバイク特約」などは、自動車事故による人や財物への補償といった自動車保険の基本的な補償への上乗せとして有効です。
| 特約 | 補償内容 |
|---|---|
| 弁護士費用特約 | もらい事故など、過失割合が0で保険会社が示談交渉できないときの弁護士費用を補償 |
| 個人賠償責任特約 | 自転車運転中の事故や日常の賠償事故を補償 |
| ファミリーバイク特約 | 125cc以下の原動機付自転車事故を補償 ※年齢条件問わず「別居の既婚の子」を除く家族が対象 |
3.自動車保険を見直すポイント
ここからは、自動車保険を見直す際のポイントを具体的に見ていきましょう。大切なのは、自分に必要な補償内容を組み入れたうえで、保険料も抑える工夫をすることです。自動車保険を見直す際には、次の5つのポイントを軸に考えていくと良いでしょう。
3.1.運転者の範囲や年齢条件
運転者の範囲や年齢条件は、自動車保険の保険料を決める要素の一つです。補償対象となる運転者および年齢を限定することで保険料を抑えられる可能性があります。
車を使用するのが「本人のみ」あるいは「本人と配偶者のみ」という場合には、「運転者限定特約」をつけることで保険料が安くなります。ただし、「運転者限定特約」が適用されると、運転者の範囲に含まれない人が運転する場合は補償されなくなるため、誰を運転者の範囲に含めるかを明確にしましょう。運転者限定特約と運転者の範囲の関係は下表の通りです。
| 運転者限定特約 | 運転者の範囲 | |||
|---|---|---|---|---|
| ① 記名被保険者 |
② 記名被保険者の配偶者 |
③ ①または②の同居の親族 |
④ ①〜③以外の方 (別居している親族・友人や知人など) |
|
| なし | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 本人・配偶者限定 | ◯ | ◯ | × | × |
| 本人限定 | ◯ | × | × | × |
| 運転者年齢条件 | 運転者年齢条件が適用される | 運転者年齢条件が適用されない | ||
※①~③のいずれかの業務に従事する使用人の場合は、その方も含めて運転年齢条件が適用されます。
例えば、子どもを運転者の範囲に含める場合は「運転者限定特約」をつけられない(運転者の範囲が広い)ため、保険料は高くなります。その場合でも、子どもの年齢に応じて、運転者の年齢を限定できれば保険料は下がります。そのため、例えば、子どもの年齢が上がったときや独立したときなど、ライフステージの変化に応じて見直しをすれば、保険金額など、補償の質を変えずに保険料を抑えられます。
なお、運転者の年齢条件区分のうち、保険料が最も高くなるのは事故のリスクが高いとされる若年層も補償範囲に含める「全年齢補償」にした場合です。一般的に、年齢条件を高く設定するほど安くなり、多くの保険会社では「35歳以上」が最も安い区分となっています。
| 運転者の年齢条件区分 | 補償の範囲 |
|---|---|
| 全年齢補償 | 年齢問わず補償の対象となる |
| 21歳以上補償 | 21歳以上の方が運転中に事故を起こした際に補償の対象となる |
| 26歳以上補償 | 26歳以上の方が運転中に事故を起こした際に補償の対象となる |
| 35歳以上補償 | 35歳以上の方が運転中に事故を起こした際に補償の対象となる |
3.2.使用目的の確認
保険の対象となる車の使用目的も保険料を決める要素のひとつです。使用目的が違えば運転頻度や走行距離も変わり、それによって自動車事故が発生する確率が変動するためです。
使用目的の実際の名称は保険会社によって異なりますが、基本的には「日常・レジャー使用」「通勤・通学使用」「業務使用」の3つに分けられます。
| 使用目的 | 日常・レジャー使用 | 通勤・通学使用 | 業務使用 |
|---|---|---|---|
| 判断基準 | 「業務使用」にも「通勤・通学使用」にも該当しない場合 | 年間を通して平均月15日以上を通勤・通学を目的として利用する場合 | 年間を通して平均月15日以上を事業で利用する場合 |
このうち保険料が最も高くなるのが「業務使用」、最も安くなるのが「日常・レジャー使用」です。例えば、契約時には使用目的を「業務使用」で告知したけれども使用頻度が下がり「通勤・通学使用」に変わったという場合などは、見直しをすれば保険料を抑えられます。
ただし、使用頻度が上がり、例えば、「通勤・通学使用」から「業務使用」になるというような場合にも、加入している保険会社に速やかに通知する必要があります。通知をしていない場合には「通知義務違反」として保険金が支払われない可能性があるため注意が必要です。
3.3.年間の走行距離
先に説明した使用目的とは別に、保険会社によっては年間の走行距離によって保険料が変わってくる場合もあります。その理由は使用目的の場合と同様に、「走行距離が短いほど、事故にあうリスクが低い」とみなされるためです。つまり、年間の走行距離が長いほど保険料は高くなり、走行距離が短いほど安くなります。
なお、走行距離の基準は保険会社によって異なります。「過去の実績(去年の距離)」や「未来の予想(来年の距離)」などさまざまですので、きちんと確認しておきましょう。
3.4.補償内容と特約の重複
基本的な補償のほか、オプションで加入する特約についても確認しましょう。
例えば、自分と家族が合計で2台以上の自動車保険を契約する場合、自動車1台ごとに「人身傷害交通乗用具事故特約」をセットすると、歩行中など車外であった人身事故に対する補償が重複してしまいます。このような特約は、いずれかの自動車1台にセットしておけば補償されます。そのため、補償内容が重複していないか、よく確認しておくことが大切です。ほかにも加入時には必要だと感じた特約も、数年経つと必要性を感じなくなっているかもしれません。
反対に、原動機付自転車走行中の事故を補償する「ファミリーバイク特約」や、自動車事故以外の日常生活での賠償事故の補償や示談交渉をサポートする「個人賠償責任特約」など、ライフスタイルによっては追加が望ましい特約もあります。『今の自分に必要な補償はなにか』を考えながら、補償と特約を無駄なく選んでいきましょう。
3.5.保険会社の種類
自動車保険は、大きく分けると保険代理店を介して加入する「代理店型」と、インターネットから個人が直接契約する「ネット型(ダイレクト型)」があります。代理店型は専任の担当者がつく場合が多く、契約から事故対応まで保険のプロによる一貫したサポートを期待できるメリットがあります。一般的に事故対応拠点数が多い点も安心につながります。しかし、ネット型よりも保険料が高めです。一方のネット型は保険料を抑えられますが、自身で保険会社や補償内容を決めなければなりません。
それぞれの特性を理解したうえで自分に合った保険会社を選ぶのが良いでしょう。
4.自動車保険を見直す際の注意点
実際に自動車保険を見直す際には注意すべき点もあります。特に留意したい4点について以下で説明します。
4.1.必要な補償まで外さない
保険料の節約を重視するあまり、本来必要な補償まで外してしまわないよう注意が必要です。特に、対人賠償責任保険と対物賠償責任保険は保険金額を「無制限」で設定することが重要です。
そのほか、例えば、保険料を安くするために車両保険を外そうと考える人もいるかもしれません。しかし、仮にローンがまだ残っている車や購入したばかりの車が事故や災害で大きな被害を受けた際に車両保険から保険金を受け取れなくなると、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
また、自分や家族のケガを補償する「人身傷害保険」の設定金額を低くしすぎたり、「弁護士費用特約」を外したりした場合にも、実際に事故にあった場合の補償や相手方との対応で苦労するケースがあります。
補償の削減を検討する場合には、預貯金や生命保険などの経済的な備えの状況を確認するとともに、万一の事故の際にどう対応できるかをイメージしながら判断しましょう。
4.2.告知事項を正しく申告する
少しでも保険料を安くしようと、見直しの際に実態と異なる告知をしてはいけません。
実態と異なる告知をすることは「告知義務違反」となり、万が一事故が起きた際に保険金が支払われない、契約が解除される可能性があることに留意しましょう。
4.3.空白期間を作らない
見直しに伴い保険会社を切り替える場合は、契約の「空白期間(無保険期間)」が生じないように注意する必要があります。
「空白期間(無保険期間)」とは、保険がかかっていない期間のことです。加入していた保険を解約したあと、次の保険の申込み手続きが遅れたり、次の保険始期日の設定を誤ったりした場合に生じます。たとえ1日であっても空白期間中に起きた事故は、前の保険会社からも新たな保険会社からも補償されないことに留意しましょう。
空白期間を発生させないためには、新しい保険の始期日(補償開始日)を、前の保険の満期日と同日付に設定します。例えば、現在の保険の満期日が「4月1日 16時」の場合、新しい保険の始期日を「4月1日 16時」に設定すれば、補償の切れ目をなくせます。なお、一般的に自動車保険の契約始期は原則16時ですが、保険会社によっては0時の場合もあるため確認が必要です。
4.4.等級の引き継ぎ期限に気をつける
自動車保険の見直しに伴い保険会社を切り替える場合は、等級を引き継ぐことができますが、引き継ぎ期限に注意しましょう。
自動車保険では、事故歴に応じた「等級制度(ノンフリート等級)」が設けられており、一般的には1〜20等級に区分され、等級によって保険料に差が生じます。前述したように、空白期間ができないように、現在加入している保険の「満期日」に合わせて保険会社を切り替えることが大切ですが、万が一手続きが遅れてしまった場合の救済措置として、等級を引き継ぐための手続きの期間に猶予が設けられています。
ただし、満期日の翌日から所定の期限内(7日以内が一般的だが、保険会社によって異なる)に新しい保険の補償を開始させなければ、これまで等級を積み上げてきた場合はリセットされ、6(S)等級(新規)からのスタートとなってしまうため注意しましょう。
なお、更新手続きを忘れた、海外出張で手続きが間に合わないなどの事情で等級がリセットされるのを防ぐため、多くの保険会社では自動更新(継続)特約を自動セットしています。自動更新(継続)特約がセットされている場合には、乗り換えをする際には契約が自動更新されないように現在加入している保険会社に連絡をしておく必要があります。
5.まとめ
自分の車を使用する人が増えた(減った)、使用の仕方が変わった、免許証の色が変わったタイミングなどには自動車保険を見直しましょう。状況に適した補償内容を備えるとともに、保険料も最適化できます。もちろん契約の更新時期も絶好の見直しタイミングです。
さまざまなタイミングで自動車保険を見直し、適正な保険料かつ最適な補償で安心のカーライフを楽しみましょう。
※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2026年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
SJI26-57005(2026.04.03)
引受保険会社:損害保険ジャパン株式会社
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