Excelの「操作」を効率化するテクニックをマスターしよう

Excelでは、一つの作業を行う場合でも複数の操作パターンがあります。自分にとって使いやすく、効率的にできるやり方があるのならマスターしないのは損! 今回はExcelの「操作」に関する悩みを解決するTips(小技)をご紹介します。

Tips① 入力した文字の候補が出る機能をOFFにする
Tips② ショトカを使って簡単にリスト入力する
Tips③ Enterを押下したときのセルの移動方向を変える
Tips④ 簡易計算機能「オートカルク」を使う
Tips⑤ 複数のシートから目的のシートをすぐに探す
Tips⑥ 「データバー」を使って数値を視覚的に把握する

Tips① 入力した文字の候補が出る機能をOFFにする

セルに文字を入力するとき、以前同じ列に入力した文字が候補で表示されてしまい、かえって邪魔に感じる、という経験はありませんか? Excelの「オートコンプリート」という“記憶できる機能”によるもので、この機能をONにしていると例えば下のような表でB3セルに「と」と入力しかけただけで、既にB2セルに入力された「東京都中央区●●△ー△ー△ ★★ビル1F」というテキストが候補として表示されます。

入力した文字の候補が出る機能をOFFにする

入力作業を効率化してくれる便利なオートコンプリートですが、場合によっては“おせっかい”になることもあります。候補が表示されたときにDeleteキーを押下すれば候補を削除できますが、「常に入力候補を表示されたくない」というときはオートコンプリートをOFFにしておきましょう。

「編集オプション」の「オートコンプリートを使用する」のチェックをはずす

① タブの「ファイル」をクリック
② 縦に並んだメニューから「その他」→「オプション」をクリック
③ 「詳細設定」を選択
④ 「編集オプション」の「オートコンプリートを使用する」のチェックをはずす
⑤ 「OK」をクリック

オートコンプリート機能がOFFになり、同じ列の文字列が入力候補に表示されなくなる

オートコンプリート機能がOFFになり、同じ列の文字列が入力候補に表示されなくなります。

Tips② ショトカを使って簡単にリスト入力する

Tips①はExcelの“記憶できる機能”をオフにするものでしたが、次はその機能を活かしたテクニックをご紹介します。

同じ列に数種類の入力候補の中から選んで入力することを繰り返す場合、リストから選択すれば時短になり入力ミスも防げますよね。そんなときは、入力したいセルをクリックしてから「Alt+↓」のショートカットキーを使うと、同じ列に入力されているデータから自動でドロップダウンリストを表示してくれます。(セルを右クリック→「ドロップダウンリストから選択」をクリックしても同じようにリストが表示できます)

ショトカを使って簡単にリスト入力する

途中の行が空白になっている場合は、その空白より下のテキストだけがリストに表示されます。ただし行のどこかのセルに文字が入っていれば、リストを出したいセルの上に空白セルがあってもその列のテキストが全てリストに表示されます。

セルを右クリック→「ドロップダウンリストから選択」をクリックしても同じようにリストが表示

Tips③ Enterを押下したときのセルの移動方向を変える

初期設定ではEnterキーを押下すると、緑色の枠で囲まれたアクティブセルが下に移動します。しかし作業の内容によっては、Enterを押下したらアクティブセルが右に移動するほうが便利、という場面もあるかもしれません。そんなときはセルの移動先の設定を変更してみましょう。

Enterを押下したときのセルの移動方向を変える

① タブの「ファイル」をクリック
② 縦に並んだメニューから「その他」→「オプション」をクリック
③ 「詳細設定」を選択
④ 「編集オプション」の「Enterキーを押したら、セルを移動する方向」という項目の「▼(プルダウンマーク)」をクリックして「右」を選択
⑤ 「OK」をクリック

また、「Enterキーを押したら、セルを移動する方向」のチェックボックスのチェックをはずした場合は、Exterキーを押下してもセルが移動しなくなります。

Tips④ 簡易計算機能「オートカルク」を使う

Excelで数値が入ったセルを範囲選択すると、画面下にあるステータスバーの右側に「合計」が表示されます。これが「オートカルク」です。
表示された箇所をクリックすると、数字(図の場合は「698,800」)をコピーすることができます。

選択してるセルの合計が表示枠右下に表示される

合計のほかにも、選択した数値の「平均」「データの個数」「数値の個数」「最大値」「最小値」など、複数の項目を表示させることができます。(Excel2007以降)
ステータスバーを右クリックすると、「ステータスバーのユーザー設定」というメニューが開きます。表示させたい項目にチェックを入れると、選択したセルに数値が入っている個数や平均などがすぐに表示されます。

ステータスバーを右クリックすると、「ステータスバーのユーザー設定」というメニューが開きます

図の例では、メニューで「データの個数」「数値の個数」「合計」にチェックを入れました。
関数などを使わずに範囲選択だけで簡単に結果が求められ、コピーもできるため便利です。

Tips⑤ 複数のシートから目的のシートをすぐに探す

Excelで作業をしているうちにどんどんシートが増えてしまい、目的のシートが探しづらくなってしまうこともよくある悩みの一つではないでしょうか。

複数のシートから目的のシートをすぐに探す

シート見出しの左にある「<」や「>」をクリックして探すこともできますが、「< >」の部分を右クリックすることで、シートの一覧を表示させることができます。

シート見出しの左にある「< >」の部分を右クリックすることで、シートの一覧を表示

表示された一覧から目的のシートを選んで「OK」を押すと、選択したシートにジャンプします。

Tips⑥ 「データバー」を使って数値を視覚的に把握する

表に並んだ数値の傾向などをつかむにはグラフ作成がおすすめということは、[Excel活用術 第7回][Excel活用術 第8回]のグラフ編でお伝えしてきました。ここでは「グラフを作るほどではないけど、数字をサッと見た目で把握したい」という場合に便利な「データバー」という機能をご紹介します。

「データバー」を使って数値を視覚的に把握する

① 数値が入力されたセルの範囲を選択
② リボンの「条件付き書式」をクリック
③ 表示されたメニューから「データバー」をクリック
④ 「塗りつぶし(グラデーション)」の中から、緑色をデータバーのアイコンを選んでクリック

売上金額の日ごとの増減が視覚的にわかるようになる

売上金額の日ごとの増減が、視覚的にわかるようになりました。
塗りつぶしを解除したい場合は、「条件付き書式」→「ルールのクリア」→「選択したセルからルールをクリア」で解除することができます。

まとめ

今回はExcelの「操作」を効率化するTipsについて、いくつかご紹介しました。一つひとつは小さなテクニックばかりですが、ちょっとした作業ストレスの軽減や時短にきっと役に立つことでしょう。作業をする中で、より効率の良い方法や機能がないか自分で調べてみるのもExcel上達の近道です。Excelにはまだまだ簡単&便利なTipsがたくさんありますので、ぜひ使いこなして仕事の効率化を目指してくださいね!