関数はどうやって記述する?

関数を入力する場合、次のような形式で表記します。

=関数名(引数,引数,...)

半角の「=」のあとに関数名を記述し、そのうしろに関数で処理する引数(ひきすう)を記述します。引数は半角の「(」と「)」で囲み、引数が複数ある場合は「カンマ(,)」で区切ります。引数が必要ない関数の場合でも、「( )」は必要です。
記号の記述を間違えるとエラーになるので、「=関数名(引数,引数,...)」をコピーして使うのがおすすめです。コピー&ペーストの便利なショートカットキーについては、[Excel活用術 第1回]を参照してくださいね。

引数に指定できるのは?

関数によって記述が必要な引数の数や種類、順番は異なりますが、引数には数値や文字列のほか、セルを指定することもできます。数値の合計ができる「SUM関数」を例にして説明していきましょう!

(例)
=SUM(20,10,5):引数に数値そのものを入力して合計する場合
=SUM(B2,B4,B6):引数にセルを指定して、そのセルの数値を合計する場合

引数に数値を入力 引数にセルを入力

また、複数のセルを範囲指定することもできます。合計したい最初のセルと最後のセルの間は半角の「コロン(:)」でつなぎます。

(例)
=SUM(B2:B6)

引数にセル範囲を入力

対象範囲は、[Excel活用術 第1回]で説明した「Shift+矢印キー(Macの場合は⇧+矢印キー)」で選択したり、合計したいセルをマウスでドラッグしたりして、指定できます。選択された範囲の角を広げたり縮めたりすることで、合計したいセル範囲を変更することもできます。

マウスで角を広げる 商品A~Eの合計→商品A~Gの合計 合計する選択域を拡張

連続しないセルを合計したい場合は、対象のセルを「Ctrlキー+セルをクリック」することで複数指定できます。

関数を入力する方法は?

Excelで関数を入力するやり方はいくつかありますが、大きく分けて次の3つの方法があります。

【方法1】セルや数式バーに直接入力する
【方法2】関数ライブラリを使って入力する
【方法3】関数の挿入ダイアログボックスを使って入力する

【方法1】セルや数式バーに直接入力する

関数を入力したいセルまたは数式バーに、前述の「=SUM(B2:B6)」のように、関数や必要な引数などを直接入力する方法です。入力後、Enterキーを押下すると実行された関数の結果がセルに表示されます。

【方法2】関数ライブラリを使って入力する

STEP1:入力したいセルをクリックします
STEP2:メニューから「数式」をクリックします
STEP3:さまざまなカテゴリーに分類された「関数ライブラリ」が表示されるので、使いたい関数の分類(SUM関数の場合は「数学/三角」)をクリックします
STEP4:ドロップダウン表示された関数一覧の中から、目的の関数を選びます

数式→数学/三角→SUMを選択

STEP5:表示された「関数の引数」ダイアログで、必要な値やセルを入力します。直接打ち込むほか、シート上のセルをクリックしても入力できます
STEP6:「OK」を押下すると、実行された関数の結果がセルに表示されます

数値を入力

また、STEP3の「関数ライブラリ」で「オートSUM」のアイコンをクリックしても、同様に合計結果を得ることができます。

引数が必要ない関数(図の例は「TODAY関数」)の場合は、その旨がダイアログに表示されます。「OK」を押下すると、数式バーには「=TODAY()」と表示されます。

OKボタンをクリック

【方法3】関数の挿入ダイアログボックスを使って入力する

STEP1:入力したいセルをクリックします
STEP2:数式バーの横(または「関数ライブラリ」の一番左)にある「関数の挿入」アイコンをクリックします
STEP3:「関数の挿入」ダイアログが表示されるので、関数名の一覧の中から、目的の関数を選びます。上部の検索窓や「関数の分類」を使って、表示する関数を絞り込むこともできます。
STEP4:「OK」を押下すると、実行された関数の結果がセルに表示されます

関数の挿入

ぜひ覚えたい!超基本のシンプル関数

では入力方法がわかったところで、以下のことができる便利な関数をマスターしていきましょう!

・最小値/最大値を求める
・平均値を求める
・四捨五入する

数値の最大値を求める「MAX関数」/最小値を求める「MIN関数」

=MAX(求める範囲)
(例)=MAX(A1:A100):A1からA100までのセルから最大値を求める
=MIN(求める範囲)
(例)=MIM(A1,B2,C3,…):引数で指定したセルから最小値を求める

どちらも関数の分類は「統計」です。

売上金額の最大値と最小値を関数で計算

MAX/MIN関数では、表の「確認中」のような文字列や論理値、空白のセルは無視されます。(指定のセル範囲がすべて文字列・論理値・空白であった場合には0が表示されます)

数値の平均を求める「AVERAGE関数」

=AVERAGE(求める範囲)
(例)=AVERAGE(A1:A100):引数で指定したセル合計の平均値を求める

関数の分類は「統計」です。SUM関数と同じように、平均を求めたい範囲やセルを選択すると数値の平均が求められます。

平均を関数で計算

表のようにB7セルにAVERAGE関数が入った状態でセルをクリックし、セル右下の■(フィルハンドル)を右へドラッグすると、同じ関数がそれぞれの範囲に反映された状態で入ります。このコピー技はExcelの便利な機能の一つなので、覚えておきましょう。

数値を四捨五入する「ROUND関数」

=ROUND(四捨五入したい数値,桁数)
(例)=ROUND(A1,B1):引数で指定したセルの四捨五入した値を求める

関数の分類は「数学/三角」です。
「桁数」で指定したひとつ下のケタが四捨五入されます。セルのほか、直接桁数を入力することもできます。

四捨五入を関数で計算

例えば「桁数」に3を指定すると、小数点以下第3位までが求められるように、その下の小数点第4位が四捨五入されます。

また、四捨五入ではなく数値を指定の桁数で切り上げる「ROUNDUP関数」や、切り捨てる「ROUNDDOWN関数」もあります。

まとめ

今回は、業務の効率化に取り入れたいExcelの関数について、基本的なポイントと代表的な関数について解説しました。実際に使ってみることで、すぐマスターできるものばかりなのでぜひ試してみてくださいね。
[Excel活用術 第4回]でも引き続き、「初心者もこれだけは覚えておくと便利!」という業務に役立つ関数について解説していきます!