Excelの見た目を整えるテクニックをマスターしよう

セル幅を揃えたり色を変えたりする作業を、一つずつしていませんか? たいした手間じゃないし……と思っていても、急いでいるときには煩わしく感じたり、雑な仕上がりになってしまったりするもの。そんなExcelの「見た目」を整えるときに便利なTips(小技)をご紹介します。

Tips① 列の幅・行の高さを自動調整する
Tips② セル幅を保持してコピペする
Tips③ 表の行・列を入れ替える
Tips④ 条件によってセルの色を変える
Tips⑤ チェックボックスを作成する

Tips① 列の幅・行の高さを自動調整する

セルの幅より文字数が多いと、文字列が途中までしか表示されなかったり、数字が「#####」という表示になったりすることがあります。

こうした列の幅や行の高さを一つずつドラッグして調整するのは少し面倒……。そんな「困った」をサッと解消できる方法を2つご紹介します。

1つ目は、調整したい列の「列番号」の右端をダブルクリックする方法です。
例えば下の図のB列・C列の幅を調整したい場合は、各列の右端の境界にマウスを合わせてダブルクリックすると、列の1番長い文字が入ったセルに合わせて幅が自動調整されます。

列の幅・行の高さを自動調整する

行の高さを調整したい場合は、調整したい行の下端の境界にマウスを合わせてダブルクリックすると、その行の一番高さがある文字の入ったセルに合わせて自動調整されます。

2つ目は、「自動調整」メニューを使って複数の列の幅(または行の高さ)を調整する方法です。幅を調整したい列を選択し、「ホーム」タブの「セル」グループの中から「書式」をクリックします。表示されたメニューから「列の幅の自動調整」を選んでクリックすると、1番長い文字が入ったセルに合わせて、各列の幅が自動調整されます。

ホームの状態で選びたいセルグループを選択して、書式タブから列の自動調整をクリックする

複数行の高さを調整したいときは、同様の手順で「行の高さの自動調整」を選択すると、一番高さがある文字の入ったセルに合わせて、各行の高さが自動調整されます。

Tips② セルの幅を保持してコピペする

表の列の幅を調整した場合でも、コピーしてそのまま貼り付けると初期設定の幅になってしまい、文字が隠れてしまいます。

セルの幅を保持してコピペする

そんなとき、手動で幅を調整するよりも簡単な方法があります。
① コピーしたい範囲を選択(Ctrl+C)
② 貼り付けたいセルを右クリック
③ 表示されたメニュー「形式を選択して貼り付け」の右にある「>」の上にカーソルを置く
④ 「貼り付け」の中から「元列の幅を保持」のアイコンをクリック
※または、③でリボンの「貼り付け」の「▼」をクリック→表示された「元列の幅を保持」のアイコンをクリック

「形式を選択して貼り付け」の中から「元列の幅を保持」のアイコンをクリック

同じ列の幅を保ったまま、表がペーストされました。

同じ表がコピーされる

このほかにも「貼り付け」には、行・列とも「元の書式を保持」したまま貼り付けたり、罫線やセルの色などの書式以外の「値」だけを貼り付けたりするなど、必要に応じてさまざまなデータの貼り付け方法を選ぶことができます。

Tips③ 表の行・列を入れ替える

表を作成してから、下の図のように「行と列を入れ替えたい」と思うことがありませんか? そんなときは先ほどの「セルの幅を保持した貼り付け」と同じ要領で、サクッと行・列を入れ替えることができます。

表の行・列を入れ替える

① コピーしたい範囲を選択(Ctrl+C)
② 貼り付けたいセルをクリックして、Ctrl+Alt+Vを押下
※または右クリックしてから「形式を選択して貼り付け」をクリック
③ 「形式を選択して貼り付け」のダイアログが開く
④ 「行/列の入れ替え」にチェックを入れて「OK」

「形式を選択して貼り付け」のダイアログから「行/列の入れ替え」にチェックを入れてOK

Tips④ 条件によってセルの色を変える

セルに色を付けるとき、ひとつずつ設定することもできますが、条件付けをすることで自動でセルの色分けができる「条件付き書式」という機能があります。「指定の値より大きい/小さい」「最大値/最小値」「重複しているデータ」などさまざまな条件でセルを自動で任意の色にすることができ、データのどこに注目するべきかが分かりやすくなるなど、視認性の高い表が作成できます。

例えば以下のようなタスク管理表があり、ステータスが「完了」になっている行を自動的にグレーに色がけしたい場合を考えてみましょう。

条件によってセルの色を変える

① 色を付けたいデータの範囲を選択(見出しは含まない)
② 「ホーム」タブのリボンから「条件付き書式」をクリック
③ 「新しいルール」をクリック

「条件付き書式」から「新しいルール」をクリック

「新しい書式ルール」のダイアログが開くので、条件式と書式を指定していきます。

④ 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリック
⑤ 「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の下にあるテキストボックスをクリック
⑥ 今回の条件判断の基準となる「ステータス」列の一番上であるD2のセルをクリック

「新しい書式ルール」のダイアログが開くので、条件式と書式を指定する

⑦ テキストボックスに「=$D$2」とセル番号が絶対指定で表示されるので、「=$D2=”完了”」と書きかえる
※今回の条件は行番号を固定しないので、絶対指定ではなく行番号の前の「$」をはずして「$D2」とします。また、D列が「完了」と入力されたときに背景色を変更したいので、その条件をあらわす文字列「=”完了”」を入力します
⑧ テキストボックス右の「書式」をクリック
⑨ 「セルの書式設定」のダイアログが開くので、「塗りつぶし」タブからグレーを選択
⑩「OK」をクリック

テキストボックス右の「書式」をクリックすると 「セルの書式設定」のダイアログが開くので「塗りつぶし」タブからグレーを選択

「新しい書式ルール」のダイアログも「OK」をクリックして閉じると、ステータスが「完了」の行が、グレーに色がけされます。

ステータスが「完了」の行が、グレーに色がけ

この書式設定をしておくことで、「未対応」や「対応中」のステータスを「完了」に変えると、その項目の行が自動的にグレーになります。

ステータスを「完了」に変えると、その項目の行が自動的にグレーに

Tips⑤ チェックボックスを作成する

備品のチェックリストやTodo管理にExcelを使うことも多いでしょう。そんな用途のときには、チェック欄があると便利ですよね。Excelでは、チェックボックスを作ることもできます。

Excelのタブに「開発」があるか確認

まず、Excelのタブに「開発」があるか確認しましょう。ない場合は、次の手順で追加します。
① タブの「ファイル」をクリック
② 縦に並んだメニューから「その他」→「オプション」をクリック
③ 「リボンのユーザー設定」を選択
④ 「メインタブ」の「開発」にチェック
⑤ 「OK」をクリック

「リボンのユーザー設定」を選択し 「メインタブ」の「開発」にチェックして「OK」をクリック

タブに追加された「開発」をクリックし、「挿入」→「フォームコントロール」のグループ→チェックボックスを選択します。

タブに追加された「開発」をクリックし「挿入」→「フォームコントロール」のグループ→チェックボックスを選択

マウスカーソルが十字になるので、チェックボックスを挿入したい場所をクリックすると、チェックボックスが設置されます。チェックボックスの横のテキストは、初期状態では「チェック1」などと表示されていますが、ボックス範囲を右クリックして表示されるメニューから「テキストの編集」を選ぶことで、編集や削除を行うことができます。
チェックボックスが入ったセルをコピペしたら、チェック欄付きリストの完成です。

チェックボックスが入ったセルをコピペしたら、チェック欄付きリストの完成

▼まとめ

今回は作業の時短にもつながるExcelのテクニックを、「見た目を整えるもの」にフォーカスして解説しました。データや表を簡単に見やすくできるので、ぜひ使ってみてくださいね。次回の[Excel活用術 第10回]では、Excelの操作がちょっと便利になるTipsを中心にご紹介していきます!