1.車の維持費とは

車の維持費には、大きく以下のような費用があります。

  • 税金
  • 保険料
  • メンテナンス費用
  • 走行にかかる費用
  • その他の費用

それぞれ見ていきましょう。

1.1.税金

車にかかる税金には、「自動車税/軽自動車税」と「自動車重量税」があります。

自動車税/軽自動車税 ● 車の所有者に課税される税金(地方税)
● 税額は車の用途(乗用車・トラック等)や総排気量、最大積載量、環境性能、年式などによって異なる
● 普通自動車なら年間2.5~11万円程度(※1)、軽自動車なら年間1万円程度
● 毎年5月(一部地域は6月)に1年分を納付する
自動車重量税 ● 車の重量などに応じて課税される税金(国税)
● 税額は車の用途(乗用車・トラック等)や車両重量、燃費性能、年式などによって異なる。普通自動車なら2年分で1.6〜3.3万円程度(※2)軽自動車なら2年分で6,600円
● 車検の際に車検の有効期間分をまとめて納付する

(※1)初度登録・初度検査から13年以内の自家用車(普通自動車は自動車税グリーン化特例の適用外)の場合
(※2)継続検査における初度登録・初度検査から13年以内の自家用車(エコカー非該当、普通自動車は車両重量0.5トン超2トン以下)の場合

「自動車税/軽自動車税」は、毎年4月1日時点で車を所有している方にかかる税金です。普通自動車の所有者は「自動車税」、軽自動車の所有者は「軽自動車税」を支払います。税額は車の用途や総排気量、最大積載量、環境性能、年式(初度登録年月・初度検査年月からの経過年数)などによって変動する仕組みです。自動車税は道府県税、軽自動車税は市町村税であり、車種(普通・小型自動車/軽自動車)によって納付先が異なる点にも注意しましょう。

普通自動車・小型自動車(自動車税):都道府県に納付する(道府県税)
軽自動車(軽自動車税):市町村(特別区(東京23区)は区)に納付する(市町村税)

「自動車重量税」は、車の重量※や年式、自家用・事業用の別に応じてかかる税金であり、車検時に車検の有効期間分をまとめて支払います。
※軽自動車の場合は車の重量に関わらず定額です。

1.2.保険料

自動車保険には、法律で加入が義務付けられた「自賠責保険」と、民間の保険会社が提供する「任意保険」があります。

自賠責保険
(自動車損害賠償責任保険)
● 法律に基づき、公道を走る全ての車が加入しなければならない保険(強制保険)
● 補償内容は「対人賠償責任」のみ
● 保険料は車種や保険期間などによって決まり、購入時および車検時に車検の有効期間分をまとめて支払う
任意保険 ● 一般的に自動車保険と呼ばれるもので、主に自賠責保険ではカバーできない部分を補うための保険
● 主な補償内容は、相手方のケガやモノの損害を補償する「対人賠償責任保険」・「対物賠償責任保険」、運転者自身や同乗者のケガや車の損害を補償する「人身傷害保険」・「車両保険」など
● 保険料は車種や補償範囲、ドライバー(記名被保険者)の年齢・等級・免許証の色などによって異なる

自賠責保険には、他人のモノや自分のケガ・車の損害に対する補償がありません。また、相手方のケガの損害に対する対人賠償責任の補償額にも上限があり、高額な賠償責任が生じた場合には補償が不足する恐れがあります。そのため、自賠責保険に加えて任意保険にも加入する人がほとんどです。自賠責保険の保険料は車種や保険期間などによって決まり、どの保険会社で加入しても同じです。一方、任意保険の保険料は、加入する保険会社や契約内容、条件によって大きく異なります。

任意保険の補償内容や自賠責保険との違いについては、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

1.3.メンテナンス費用

自動車を安全に維持するためには、 以下のようなメンテナンス費用もかかります。

  • 車検費用
  • 法定点検費用
  • 修理代
  • 消耗品の交換費用
  • 洗車・ケア用品代

このうち、避けて通れず負担も大きくなりがちなのが「車検費用」です。車検は道路運送車両法によって義務づけられた法定検査であり、一般的な自家乗用車の場合、新車は登録してから3年を経過するまでに、以降は2年ごとに検査を受ける必要があります。車検費用は車種や車の状態(修理・部品交換の有無など)、検査の依頼先などによって左右されます。
また、洗車や車内清掃、コーティング剤などのケア用品にかかる費用も、日常的に発生するメンテナンス費用の一つです。

1.4.走行にかかる費用

車の利用に伴ってかかるお金が、ガソリン代をはじめとした走行にかかる費用です。

  • ガソリン代:車を走らせるために必要なガソリンの購入費用
  • 通行料金:高速道路や有料道路を通行するための費用
  • 駐車料金(一時利用):コインパーキングなどに車を一時的に駐車するための費用

これらの費用は、車の使用頻度や走行距離によって左右されるため、1か月あたりどの程度かかるのか、把握しておくとよいでしょう。

1.5.その他の費用

状況に応じて、以下のような費用がかかるケースもあります。

  • 駐車場代(月極):自宅に無料で駐車できる場所がなく、駐車場を借りる場合にかかる費用
  • ローン返済額:車をローンで購入した場合の毎月の返済額
  • カー用品代:カーナビやドライブレコーダー、チャイルドシート、カーアクセサリー、芳香剤など、カー用品の購入費用

駐車場代は、全くかからないケースもあれば月数万円かかるケースもあり、車の維持費を大きく左右する費用です。

車をローンで購入した場合、購入時の初期費用は抑えられますが、購入後も返済のための支出が続きます。ローンを利用する場合は家計とのバランスを考え、無理なく返済できる範囲で計画することが大切です。

また、カー用品代は購入する内容や頻度によって差が出やすく、必要なものを見極めて選ぶことが大切です。

車の購入にかかる初期費用については以下の記事で紹介しているので、あわせて参考にしてください。

2.【車種別】車の維持費シミュレーション

車の維持費は、車種や利用状況などによって異なるため、一概にはいえません。ここでは車種別の維持費シミュレーションを目安として紹介します。

車種別・維持費の目安
項目 車種
普通自動車 小型自動車 軽自動車 ハイブリッド車
(小型自動車)
自動車税 43,500円 30,500円 10,800円 30,500円
自動車重量税 20,500円 12,300円 3,300円 0円
(免税)
自賠責保険料 8,825円 8,825円 8,770円 8,825円
車検費用 約12,000円
〜43,000円
約8,400円
〜33,000円
約12,500円
〜33,000円
約8,400円
〜33,000円
任意保険料 約109,000円
〜159,000円
約80,000円
〜107,700円
約73,000円
〜108,400円
約104,000円
〜146,000円
ガソリン代 約161,000円 約84,000円 約68,000円 約51,000円
駐車場代 120,000円 120,000円 120,000円 120,000円
総額(年額) 約475,000円
〜556,000円
約344,000円
〜396,000円
約296,000円
〜352,000円
約323,000円
〜389,000円
月平均額 約39,600円
〜46,300円
約28,700円
〜33,000円
約24,700円
〜29,300円
約26,900円
〜32,400円

※普通自動車は総排気量2.5L・車両重量約2.0tの3ナンバー・ガソリン車、小型自動車は総排気量1.5L・車両重量約1.0tの5ナンバー・ガソリン車、軽自動車は総排気量0.66L・車両重量約0.7tのガソリン車、ハイブリッド車は総排気量1.5L・車両重量約1.1tの5ナンバー・小型ハイブリッド車を想定
※自動車重量税、自賠責保険料、車検費用(点検・検査料・代行手数料、印紙代等、自賠責保険料・整備費別)は2年分を年額換算した金額
※任意保険料は、12等級・事故有係数適用期間0年、通勤・通学利用、26歳以上補償・本人限定、年間走行距離10,000km、車両保険(一般条件)加入での概算額
※ガソリン代は、年間走行距離10,000km、170.2円/Lと仮定して算出
※駐車場代は、月極駐車料金の全国平均価格をもとに月額10,000円と仮定
※ローン返済額やその他費用(修理代、洗車代・ケア用品代、通行料金、駐車料金、カー用品など)は含んでいません

2.1.普通自動車(3ナンバー・ガソリン車)の維持費

ラージサイズミニバンなど、排気量2.5L・車両重量2.0tクラスの普通自動車(3ナンバー・ガソリン車)の維持費は、年間50万円前後、月々にならすと4万円台前半が相場です。

ラージサイズミニバンなど大型の普通車は、車体が重いため税金が高く、ガソリン代もかさみがちです。車両価格も高めなことから、メンテナンス費用や任意保険料も高くなる傾向があります。

2.2.小型自動車(5ナンバー・ガソリン車)の維持費

コンパクトカーなど、排気量1.5L・車両重量1.0tクラスの小型自動車(5ナンバー・ガソリン車)の維持費は、年間約35〜40万円、月々にならすと3万円前後が相場です。

小型自動車は、ミニバンなど大型の普通車に比べて税金やメンテナンス費用、ガソリン代、任意保険料などの維持費が安い傾向があります。

2.3.軽自動車(ガソリン車)の維持費

総排気量0.66L・車両重量約0.7tの軽自動車(ガソリン車)の維持費は、年間約30〜35万円、月々にならすと2万円後半が相場です。

軽自動車は普通車に比べて税金が安く、燃費性能も良いため、維持費を抑えやすいのが特徴です。

軽自動車と普通車の維持費の違いについては、以下の記事もご覧ください。

2.4.ハイブリッド車の維持費

排気量1.5L・車両重量1.0tクラスの小型(5ナンバー)ハイブリッド車の維持費は、年間35万円前後、月々にならすと3万円前後が相場です。

ハイブリッド車はガソリン車に比べて車両価格は高くなるものの、燃費性能に優れるため、ガソリン代を抑えやすい点が特徴です。今回の例では、同クラスのガソリン車と比較してガソリン代が年間数万円程度安くなる計算です。特に走行距離が長い方や市街地での走行が多い方が恩恵を受けやすいのがハイブリッド車であり、エコカー減税により自動車重量税が減免されるメリットもあります。

ハイブリッド車の仕組みなど詳細については、以下の記事をご覧ください。

3.車の維持費を安く抑えるコツ

車の維持費を安く抑えるための5つのコツをご紹介します。

  • 燃費性能が良い車を選ぶ
  • 減税制度の対象となる車を選ぶ
  • 自動車保険を見直す
  • 定期的に車のメンテナンスを行う
  • カーリースを利用する

3.1.燃費性能が良い車を選ぶ

燃費性能が良い車を選ぶことでガソリン代の節約につながります。コンパクトカーや軽自動車は相対的に燃費がよく、排気量や車種で決まる税金も抑えられます。

3.2.減税制度の対象となる車を選ぶ

「エコカー減税」や「グリーン化特例」は、燃費性能や排ガス性能に優れた自動車に対し、税金の負担を軽減する特例措置です。いずれも時限的な措置ですが、適用期間を延長しながら継続されています(将来的に廃止・変更の可能性もあります)。

3.3.自動車保険を見直す

加入している自動車保険(任意保険)が現状と見合っているか、定期的に確認することが大切です。車の購入時から補償内容を見直していない場合、必要以上の補償をつけていて保険料が割高になっている可能性があるので、定期的に内容を見直すことがおすすめです。

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3.4.定期的に車のメンテナンスを行う

定期的なメンテナンスは故障リスクを軽減し、結果的に維持費の削減につながります。小さな不具合を放置すると重大な故障を引き起こし、高額な修理代がかかる恐れがあるため、定期的なタイヤの空気圧チェックやオイル交換などを心がけましょう。

3.5.カーリースを利用する

カーリースとは自身が選んだ車をリース会社が購入し、一定期間(契約期間)貸し出しを受ける形で、マイカーのように利用できるサービスです。利用者は契約したリース会社に月々一定のリース料金を支払います。毎月のリース料金は車両の本体価格から契約期間終了後の車両価値(残価)を差し引いて設定されるため、ローン購入に比べて月々の支払いが抑えられるケースが多いです。

また、車両本体価格以外にかかる諸費用部分も月々支払うリース料金に含まれるため、頭金不要で気軽に新車に乗ることができます。

4.はじめての車選びで押さえておきたいポイント

自動車の維持費に興味がある方の中には、これからはじめて車を購入するという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様に向けて、車選びで押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

4.1.ライフスタイルや利用目的に合った車を選ぶ

もっとも重要なポイントは、ライフスタイルや利用目的に合った車を選ぶことです。そのためには、まず「いつ、どこで、誰と乗るのか」を具体的にイメージしましょう。

主に通勤・通学に使う車であれば、燃費性能や毎日の運転でも疲れにくい取り回しの良さが重要です。週末のアウトドアに利用する車であれば、必要な道具を積み込むために、トランクやラゲージスペースに十分な容量・サイズが求められます。

車の定員も重要なポイントです。自分だけあるいは夫婦だけが乗る車なら、軽自動車やコンパクトカーでも十分といえるでしょう。しかし、家族や友人と頻繁に出かけるのであれば、窮屈に感じるかもしれません。維持費の安さだけで軽自動車やコンパクトカーを選んでしまい、後悔しないようにしましょう。 普段は1〜2人しか乗らず、まれに大人数で出かけるといったケースでは、維持費の安い軽自動車やコンパクトカーを選び、必要に応じてレンタカーなどを利用するのも一つの方法です。

4.2.維持費を含めて予算を組む

車を購入するにあたっては、車の購入費用だけでなく、購入後にかかる維持費やローン返済額も含めて、余裕のある資金計画を立てましょう。維持費が家計を圧迫する事態を避けるためにも、事前のシミュレーションが重要です。

4.3.安全性能の高い車を選ぶ

運転に慣れていない方は事故のリスクが高いため、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ・AEB)や誤発進抑制機能などが搭載された「先進安全自動車(ASV)」が特におすすめです。

安全装備が充実した車は車両価格が高くなる傾向にありますが、事故を防ぐことで修理代や任意保険の等級ダウンによる保険料アップなどを回避しやすくなります。また、自動ブレーキが搭載された車に適用される「ASV割引」など、保険会社によっては安全性能に応じて保険料が割り引かれるメリットもあります。

以下の記事では安全性能の高い車をランキング形式で紹介しています。車選びの参考としてご覧ください。

車選びのポイントや車を購入するまでの流れについては、以下の記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。

5.まとめ

車の維持費についてご紹介しましたが、思っていたよりもさまざまなお金がかかると感じられた方も多いのではないでしょうか。維持費は車を所有している間かかり続けるお金であり、積み重なれば大きな出費となるため、できるだけ安く抑えたいところです。これから車の購入や買い替えを検討されている方は、維持費も含めた車選びを心がけましょう。維持費には、車によって決まる税金などの費用や、任意保険(自動車保険)の保険料、車検の依頼先など、同じ車でも自分の選択次第で変わる(変えられる)費用があります。すでに車を持っている方は、この機会に任意保険などの見直しなどを検討してみてはいかがでしょうか。

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