1.車を購入するまでの全体の流れ
車の購入を検討し始めてから、実際に納車されるまでの一般的なステップは以下のとおりです。
- 予算と費用を把握する
- ライフスタイルに合わせて車と販売店を選ぶ
- 試乗・見積り・支払い方法を決める
- 必要書類を準備して契約・保険手続きをする
- 納車とメンテナンス
車は大きな買い物であるうえ、購入後は維持費もかかるため、大まかな流れをイメージしておくことで、費用や必要書類を準備しやすくなります。初めて車を購入する方でも全体像を把握できるよう、ステップごとの大切なポイントを解説します。
2.車の購入にかかる費用
車の購入時には、車両価格のほかに、税金や保険料などの初期費用がかかります。購入後にもガソリン代をはじめ、さまざまな維持費が継続的に必要になります。車を購入することで、どのような費用がかかるのかを把握し、自身の家計状況に合わせた無理のない資金計画を立てることが大切です。
2.1.車両本体以外にかかる初期費用と税金
自動車の購入時には、車両本体価格のほかにも以下の費用が必要になるのが一般的です。
- 登録代行費用(販売店に支払う)
- 納車費用(自宅に納車してもらう場合)
- 自動車税(普通車の場合、月割分)
- 自動車重量税(購入時や車検時に納付)
- 消費税
- 自賠責保険料
- 自動車リサイクル料金
これらの諸費用の目安は新車で車両価格の5%~10%、中古車で10%~20%程度とされることが多いですが、販売店や車種によって異なるため、諸費用も含めた見積りを出してもらいましょう。
なお、法定費用(自賠責保険料・リサイクル料金)や税金は、車種や購入条件によって変動します。例えば、一定の環境性能基準を満たす車は、2028年4月30日までに新車新規検査を受ける(新車登録をする)ことで、自動車重量税が免除または軽減される「エコカー減税」の対象となる場合があります※。優遇税制等の内容は年度によって変わる可能性があるため随時確認しましょう。
※国税庁「環境性能に優れた自動車等に対する自動車重量税の減免措置について」
2.2.燃費や車検など購入後の維持費
車を所有することで、継続的に発生する主な維持費は以下のとおりです。
- ガソリン代(日常的)
- 駐車場代(日常的)
- 自動車税(毎年)
- 任意保険料(基本的に毎年)
- 車検費用(自賠責保険料を含む。新車登録後は3年目、その後は2年ごと)
- メンテナンス費用(随時)
ガソリン代やメンテナンス費用などのランニングコストは車の使い方によっても変わりますが、家計への負担を許容できるか事前にシミュレーションしておくことが大切です。家計への負担を抑えるために、燃費の良いエコカーや軽自動車を選ぶのも一案です。
維持費の中でも、「自動車税」や「自動車保険(任意保険)」の保険料は、家計に占める割合が大きくなりやすい項目の一つです。
特に保険料は、選ぶ車種の型式や、運転する方の年齢(年齢条件)、使用目的などによっても大きく変わります。「車を決めた後にいざ保険料の見積りをとったら、予想以上に高くて予算オーバーになってしまった」という事態を防ぐためにも、車選びの段階で候補の車がだいたいどれくらいの保険料になるのか、一度シミュレーションして目安を把握しておくことをおすすめします。
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3.ライフスタイルに合った車選びと販売店の探し方
予算の目安を立てた後は車選びです。第一歩は、ニーズに合った車種を選ぶことです。家族構成(乗車人数)や使用目的に応じてボディタイプや装備を選び、「新車か中古車か」の方向性を決めていきましょう。それによってどこで購入するかを絞り込みやすくなります。
3.1.乗車人数や目的に応じたボディタイプの選択
何人で乗ることが多いか、どのような用途で使うことが多いかを明確にすることで、ボディタイプを選びやすくなります。
例えば、通勤などで1人で乗ることが多い場合は、燃費性能や取り回しの良さを重視してコンパクトカーなどを選択肢に入れるとよいでしょう。子どもの送り迎えやレジャーに使用する場合は、室内空間や荷室容量を重視して、ミニバンやSUVなどが候補に挙がります。シニア世代の方が街中の買い物に利用する場合には、運転のしやすさや維持費の負担を考慮して、小回りのきく軽自動車を候補の一つとして検討するとよいでしょう。
3.2.新車と中古車のメリット・デメリットの比較
新車と中古車のどちらが良いかは予算および希望する状態、ご自身のこだわりなどによって異なります。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、自分に合うほうを選びましょう。
| 比較項目 | 新車 | 中古車 |
|---|---|---|
| 車両価格・予算 | 中古車より高価 | 年式や状態によって異なるが、購入費用を抑えやすい |
| 納車スピード | 車種や生産状況によって時間がかかる場合がある | 在庫車であれば比較的早く納車できる場合がある |
| 車両の状態 | 良好 | 車によって異なる |
| 選択の自由度 (機能・安全装備など) |
・最新装備が充実している ・ボディカラーやシートなどを希望に合わせて選択できる |
・後付けできない装備もある・ボディカラーやその他仕様など、希望の組み合わせが見つかりにくい |
| 保証・アフターケア | メーカー保証あり | 販売店によっては「保証付き」や「整備あり」の車を選べる |
新車は最新の安全装備や保証が充実している、ボディカラーやシートの種類などを自分で選べるなどのメリットがある一方で、車両価格が高い、納車に時間がかかりやすいなどのデメリットがあります。
中古車は、新車に比べて価格を抑えられ、納車も早いなどのメリットがあります。一方で、車両の状態にバラつきがあり、保証やアフターケアの有無も販売店によって異なります。
3.3.車の購入先と販売店の選び方
車の購入先は大きく3種に分けられます。
-
正規ディーラー(新車・中古車)
特定の自動車メーカーが直接運営または特約店契約を結んでいる販売店です。手厚いメーカー保証や、純正パーツを用いた質の高いアフターサービスを長期間受けられる安心感がある一方で、価格の割引幅は小さい傾向にあります。 -
サブディーラー(新車・中古車)
メーカーの枠にとらわれず、複数メーカーの車を取扱う販売店です。地域密着型の自動車整備工場などが正規ディーラーから車を仕入れて販売しています。メーカーをまたいで一度に比較検討できるメリットがあり、独自のサービスや値引きが期待できます。 -
中古車販売店(中古車)
大手チェーンから地域密着の個人店までさまざまな販売店があります。メーカー、車種、年式など、多様な車を一度に比較しやすく、予算に合わせて選びやすいメリットがあります。一方、価格設定基準や品質などは販売店によって異なるため、購入前にきちんと確認することが大切です。
4.車の購入を決めてから契約までの流れ
候補の車種が決まれば、実際に販売店に足を運び、商談を進めましょう。販売店に足を運んでから購入までの流れを以下で紹介します。
4.1.試乗のチェックポイント
まずは試乗させてもらいましょう。カタログだけではわからない、運転のしやすさを確かめることは安全・快適な運転をするためにも重要です。
試乗では、アクセルやブレーキの具合、ハンドル操作の重さ、後方・側方の視界の良さ、メーターの見やすさ、パネル表示変更操作のしやすさ、エンジン音や道路の振動音などの静粛性などを確かめましょう。
また、車内の広さや前方・後方シートの座り心地、乗り降りのしやすさ、荷室の広さやシートアレンジの使い勝手などのチェックも忘れず行いましょう。とくに、ファミリー層やシニア層にとって、これらのポイントは車を長く使用するうえで大切です。
4.2.相見積りの確認と支払方法の選択
試乗の結果、その車が気に入った場合でも、複数の販売店や車種で相見積りを取得することが大切です。見積書をもらう際には、車両価格だけでなくオプションや諸費用、下取り価格を含めた「支払総額」で比較検討しましょう。
支払方法(一括・ローン・リース)の選択も、支払総額に影響を与えます。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、ご自身の家計に合った無理のない支払方法を選択することが大切です。
| 支払方法 | 現金一括払い | カーローン | カーリース |
|---|---|---|---|
| 初期費用の負担 | 最も大きい。 | 現金一括に比べて負担は軽い。 | 登録費用などの初期費用がリースに含まれるため、別途支払いが不要。 |
| 月々の支払負担 | 購入費用に対する支払いはなし。 | 金利や返済期間、手数料によって月返済額が変わる。 | 契約方式(残価精算の要否)により異なる。 |
| 支払総額 | 最も抑えやすい。 | 金利や手数料がかかる分高くなる。 | 契約方式や含まれるサービス、走行距離によって変わる。 |
| メリット・向いている人 | 金利の支払いが不要であるため総支払額を抑えやすい。 しばらく使う予定のない資金がある人に向く。 |
一度に多額の費用を用意しなくても良い。 ある程度の貯蓄を確保しておきたい人に向く。 |
新車に乗り換えやすい。 月々定額料金で車を利用したい人、維持費の支出を平準化したい人、走行距離が短めの人に向く。 |
5.購入・契約に必要な書類と手続き
見積りに納得した場合は契約の手続きに進みます。基本的に契約書類はディーラーが準備を行いますが、購入者が準備するべき必要書類もあります。役所や警察署で取得する必要がある書類の手配には日数がかかる場合があるので、納車をスムーズに迎えるためにも早めに準備に取りかかりましょう。
普通車か軽自動車かによって納車までに必要な書類は異なります。
| 書類・持ち物 | 普通車 | 軽自動車 | 取得・用意する場所 |
|---|---|---|---|
| 実印 | ◯ | × | 自身で用意(市区町村で登録済みのもの) |
| 認印 | × | ◯ | ― |
| 印鑑登録証明書 | ◯ | × | 市区町村役場で取得 |
| 住民票の写し (発行後3か月以内のもの) |
×(※) | ◯ | 市区町村役場で取得 |
| 自動車保管場所証明書 (車庫証明) |
◯ | 地域による | 保管場所を管轄する警察署で申請・取得 |
(※)所有者と使用者が異なる場合は必要
5.1.普通車と軽自動車で異なる必要書類
普通車では、契約書に実印を押印し、印鑑登録証明書を提出する必要があります。一方、軽自動車では原則的に認印での押印と住民票で手続きが可能です。ただし、インク内蔵型のゴム印では手続きできない場合があるため確認しておきましょう。
5.2.車庫証明と印鑑証明の取得手順
普通車の場合は「自動車保管場所証明書(車庫証明)」と「印鑑登録証明書」の取得が必須です。
「自動車保管場所証明書(車庫証明)」は、車の保管場所(駐車場)がある管轄の警察署の窓口で申請します。地域によって異なりますが、一般的に3~7日程度で証明書が発行され、受領も申請した警察署の窓口で行います。
「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」を利用すれば、警察署に来署せずにオンラインで申請手続きのすべてを完了できます。
「印鑑証明書」は印鑑登録をしている市区町村役場の窓口で申請・取得可能です。その際、印鑑登録証が必要になるため忘れずに持参しましょう。
また、マイナンバーカードを活用したコンビニ交付に対応している自治体では、コンビニのキオスク端末(マルチコピー機)で取得することも可能です。コンビニ交付の場合、印鑑登録証は不要ですが「利用者証明用電子証明書」の搭載されたマイナンバーカードが必要です。
6.万が一に備える自動車保険の手続き
納車日がわかったら、自動車保険の加入手続きを進めましょう。自賠責保険への加入は義務づけられていますが、それだけでは不十分なため任意保険への加入も必要です。
新規で加入する場合の保険料は年齢や等級、免許証の色などさまざまな要素を加味したうえで決定されます。人によって保険料が異なることから、あらかじめ保険料の試算をしてもらい、保険料の相場を確認したうえで、補償と保険料のバランスを考えて加入することが大切です。一部の保険会社では、運転診断サービスやテレマティクス技術を活用し、安全運転の評価結果に応じて保険料割引が適用される商品もあります。加入を検討している保険会社のサービス内容を確認するとよいでしょう。
6.1.自賠責保険と任意保険の役割の違い
「自賠責保険」は被害者の救済を目的とした強制保険で、対人賠償責任補償に特化し、補償限度額も決まっています。対物賠償や運転者自身の死傷、車両損害には対応しておらず、事故発生時の高額な対人賠償や対物賠償に備えるには、任意保険が必要です。
任意保険ではこれらのリスクに備えることができ、対人・対物賠償責任の補償額を無制限に設定可能です。
| 補償内容 | 自賠責保険(強制) | 任意保険(任意) |
|---|---|---|
| 対人賠償責任 |
後遺障害時:最高4,000万~75万円 死亡時:最高3,000万円 傷害時:最高120万円 |
無制限など選択可能 |
| 対物賠償責任 | なし | 無制限など選択可能 |
| 運転者自身の死傷 | なし | 保険会社の規定範囲内で、自分で設定可能 |
| 自身の車 | なし | 保険会社の規定範囲内で自分で設定可能 |
6.2.納車日に合わせた切替え・新規加入のタイミング
任意保険への加入(または車両入替手続き)は、納車された車で販売店を出発した直後から補償されるように手続きをする必要があります。車検証の情報(車台番号など)が確定次第、手続きを進めましょう。納車日を補償開始日とした、任意保険の検討・加入(新規加入)手続きのタイムスケジュールの一例は以下になります。
- 車のご契約完了後、速やかに保険の切り替え・新規加入を検討
- 納車1~2か月前まで:補償内容および見積りの検討
- 納車1〜2週間前:プランの決定、契約手続き
- 納車当日:補償開始
なお、車の買い替えの場合、条件を満たせば「車両入替」の手続きによって以前の車で適用されていた等級を新たな車への補償で引き継げます。車両入替手続きをしない場合、新たな車では原則として補償されないため注意しましょう※。
※一定条件を満たしていれば、新たな車を取得した日の翌日から30日以内に手続きを済ませることで補償を受けられる場合があります。
7.納車までの流れと当日の確認ポイント
納車までの期間は中古車か新車かによって異なります。中古車は短期間での納車が可能となる場合が多く、在庫状況によっては数週間程度です。新車は、注文後に生産されるケースが多く、納車までの期間が長めで、数か月から半年以上かかるケースもあります。車の買い替えの場合は、現在乗っている車の車検満了日などから逆算し、余裕を持った購入スケジュールを立てるとよいでしょう。
納車当日は販売店の担当者と一緒にボディのキズやオプション装備の動作確認など、丁寧に車の状態を確認しましょう。販売店のスタッフから取扱い方法や特徴について詳しく説明を受け、車検証、自賠責保険証明書、保証書などの重要書類がすべて揃っているかを確認し、最後に納車書類に署名をすれば、車の購入は完了です。
8.納車後の定期的なメンテナンス
車を手に入れた際は、メーカー指定の定期点検や消耗品の交換タイミングを必ず確認しておきましょう。メンテナンスを怠れば修理代がかさむことはもちろん、最悪の場合は事故につながる可能性もあります。
8.1.日常点検と定期的な消耗品交換
日常点検とは、日頃車を使用する人が車のセルフチェックを行うことです。エンジンオイル・冷却水・バッテリー液・ウィンドウォッシャー液の量、ワイパーゴムの拭き取り力、タイヤの空気圧や溝の深さなど、走行の安全性に直結するさまざまなパーツの点検を行いましょう。
また、エンジンからの異音、警告灯の点灯など、車のちょっとした異変に気づいたら整備工場に確認してもらうなど、早めの対処をしましょう。
8.2.法定点検と車検のスケジュール管理
法定点検(定期点検)は、車が安全に走行できるかを確認する点検です。パワーステアリングのベルトの緩み・損傷、ブレーキペダル・クラッチペダルの遊び、排気の状態など、日常点検よりも大がかりなチェックが必要になるため、国の認証を受けた整備工場などに依頼するのが一般的です。自家用乗用車・軽自動車の場合、以下の頻度で行います。点検項目数も法律で定められています。以下は、自家用乗用車・軽自動車の場合です。
- 12か月点検(1年ごと):29項目
- 24か月点検(2年ごと):60項目
また、新車登録から3年目、その後は2年ごとに車検を受ける義務もあります。車検は「保安基準を満たしているかどうか」を検査するものであり、法定点検とは異なるものです。車検を受けていれば法定点検を省略できるということではないため注意しましょう。
車を安全・快適に運転できる状態に保つことは、事故リスクの軽減や修理費の抑制につながります。事故を防止することにより任意保険(自動車保険)においても等級進行による割引率アップや、ゴールド免許割引の適用などで保険料軽減も期待できるでしょう。
9.まとめ
車の購入で失敗を避けるには、まずは予算と使い方を明確にすることです。これにより、自分に合う車を選びやすくなります。予算を設定する際は、車両価格だけでなく諸費用と維持費を含めた総額で考えることが大切です。家計負担を気にされる場合は中古車購入やカーローンの利用、異なるタイプの販売店の比較など、さまざまな工夫もしながら希望に近い車を選ぶようにしてください。
※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2027年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
SJI26-57047(2026.10.23)
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