車の初期費用は購入方法によって異なる?
車の購入方法は主に「現金一括購入」と「ローン購入」に分けられ、それぞれ初期費用が異なります。
1.現金一括払いで購入する
現金で一括購入をする際は、車両本体の代金に加えて、その他の消費税や自賠責保険料、登録手数料なども同時に支払う必要があります。そのため、初期費用の負担が非常に大きいといえるでしょう。
しかし、ローン購入の際に発生する利息の支払いをしなくて済むことから、トータルでみると支払金額を抑えられます。
2.ローンで購入する
保険料や手数料などの費用は一括払いすることが基本ですが、車両本体の代金はローンを組んで、月々分割して返済することができます。一括払いで購入するよりも初期費用の負担を大きく減らせるのがメリットです。
ただし、支払利息が発生してしまうので、トータルでみると支払金額は一括払いで購入するよりも高くなるため注意が必要です。
車の初期費用はいくら?
車を購入する際の初期費用の内訳は、以下の3つに分けられます。
1.車両本体の代金
車両本体の代金は、メーカーや車種、発売時期によって大きく異なります。オプションとして、カーナビやモニターなどがあり、メーカーの純正品ほど価格が高くなるのが一般的です。
2.法定費用
車両本体の代金のほかにも、以下の費用が生じます。
- 自動車税
- 環境性能割
- 自賠責保険料
- 自動車リサイクル料 など
3.諸費用
法定費用に加えて、以下の手数料が生じるケースもあります。
- 登録費用
- 納車費用
- 車庫証明費用
- 検査登録手続き費用
法定費用と諸費用の大体の目安は、車両価格の10~20%程度かかると覚えておくとよいでしょう。
車購入にかかる初期費用以外の費用
車購入にかかる初期費用以外の費用として、ガソリン代など走行時に必要な費用や保険料、税金、車検費用、車検以外のメンテナンス費用が挙げられます。
また、マイカーローンを利用した場合は毎月ローンの返済が必要です。それぞれについて詳しく解説します。
走行時に必要な費用
車の購入後、利用する際にはガソリン代(EV車の場合は充電料金)や高速料金、駐車場代などの費用がかかります。
走行時の費用は、車の利用頻度や走行距離などによって異なります。実際にかかった費用を記録して平均値を把握するようにしましょう。高速料金は普段から長距離運転をするかどうかにより金額が大きく変わります。
駐車場代は、戸建てか集合住宅(マンションなど)かによってかかる費用が異なります。戸建て住宅で敷地内に駐車場がある場合は費用がほとんどかかりません。集合住宅の場合は一般的に月々の駐車場代がかかります。
また、都心か郊外かによっても駐車場代には差があります。車を購入する前に、自宅近くの駐車場代の相場を調べておくことがポイントです。
保険料
自動車の購入時には、自動車保険に加入して保険料を支払います。自動車保険は、自賠責保険と任意保険に分けられます。
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、公道を走る車が加入する保険です。法律で加入が義務付けられている強制保険で、補償範囲は対人賠償のみです。
自賠責保険では補償されない対物賠償、人身傷害、車両保険のほか、自賠責保険による対人賠償の限度額を超えた部分をカバーするために任意で加入する保険が任意保険で、一般的に「自動車保険」は任意保険を指します。
また、自賠責保険が地域や車の用途、車種などによって保険料率が区分されているのに対して、任意保険はドライバーの年齢や車種、補償範囲の設定の仕方などで保険料が異なります。
税金
車にかかる税金は、毎年納付する自動車税種別割(自動車税・軽自動車税)と、車検時に有効期間分を納付する自動車重量税があります。
自動車税種別割は、車種や排気量、用途などにより納める税額が異なります。毎年4月1日時点で車の所有者に納税義務が発生し、納付先は普通自動車・小型自動車が都道府県、軽自動車が市区町村です。
自動車重量税は車の重さによって税額が決まり、0.5トンごとに税額が増えます。ただし、軽自動車は車両の重さに関わらず定額です。
また、排ガス性能および燃費性能が一定の基準を満たす車には「エコカー減税」が適用され、免税や税額軽減を受けられます。
車検費用
車検(自動車検査登録制度)は、道路交通運送車両法によって義務付けられている法定検査です。一般的な普通乗用車は新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検費用は、法定費用と車検基本費用、整備・部品交換費用の3つに分かれます。
法定費用は「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」、車検基本費用は「検査料」「24か月点検料」「車検代行手数料」など。整備・部品交換費用は「車検を行う作業員の工賃」「整備に伴う部品交換費用」です。
車検は運輸支局、軽自動車検査協会、ディーラー、車検専門店、整備工場などで受けられます。料金は場所によって異なり、交換部品や整備箇所の多い場合車検費用が高くなります。
車検以外のメンテナンス費用
車検以外のメンテナンスとして「法定12か月点検」が道路運送車両法(第48条)で義務付けられています。また、6か月点検をすすめる販売店もあります。
その他、メンテナンス費用として、洗車、タイヤの空気圧の確認、ウォッシャー液の補充、オイルやオイルフィルター・タイヤ・バッテリーなどの交換があります。
メンテナンスの頻度は、数週間に1回程度必要なものから数年間に1回程度で済むものまでさまざまです。費用も数千円程度から数万円程度と、作業内容によって異なります。メンテナンス時期が重ならないように、可能なかぎり計画を立てておくといいでしょう。
マイカーローンの支払い
マイカーローンを利用して車を購入した場合は、月々の返済が必要です。ローンの種類は銀行ローンのほか、販売店(ディーラー)と提携している信販会社などが提供するディーラーローンがあります。
一般的に、ディーラーローンは銀行ローンに比べ金利が高めです。また、ディーラーローンを利用した場合、完済までの期間はディーラーが車の所有者になります。
金利体系は、変動金利と固定金利の2種類です。変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われますので、今後の金利動向によって返済額が変動するリスクがあります。固定金利は、金利が一定で返済額が途中で変わることはありませんが、一般的にローン開始時の金利は、変動金利より高めに設定されている場合があります。
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車の初期費用や維持費を抑えるポイント
車の初期費用や維持費を抑えるため、購入時や購入後に抑えるべき代表的な10のポイントをご紹介します。燃費性能や購入方法、メンテナンス、自動車保険など、様々な角度から解説します。
1.返済方法を工夫する
月々の返済を極力減らしたいのであれば、頭金を多く入れる必要があります。しかし、初期費用が大きくなればなるほど、多くの資金を捻出しなくてはなりません。一方、初期費用をとにかく抑えたい人は、頭金を入れずに全額ローン返済にする方法がよいでしょう。ローンの種類によっては、車両本体以外の初期費用も組み込めるケースもあるほか、ローン会社によって金利の設定が異なります。そのため、ローン会社を決める際には、複数社比較するなどしたうえで、無理のない支払い方法を選択することが大切です。
2.自動車保険は比較検討して決める
自動車保険を検討する際は、複数社を比較することをおすすめします。保険料は年齢や等級、免許証の色などを加味して決まるため、人によって金額が異なるためです。保険料の相場を把握するためにも、保険料シミュレーションツールを活用しましょう。シミュレーション結果をもとに、自身に見合った補償内容の自動車保険を選ぶとよいでしょう。また、保険料だけでなく事故対応や代理店によるアフターフォローの有無なども踏まえて検討することが大切です。
3.カーリースを活用する
カーリースを活用するのもひとつの手です。車を現金やローンで購入する場合、若いうちは事故を起こす確率が高いことから、自動ブレーキなどの安全性能が整っている車がおすすめである一方、金銭的な負担も大きくなります。
カーリースは、定めたリース期間中カーリース会社から貸与を受ける形式で、リース終了時の車の残価を差し引いた金額で毎月のリース料金が設定されるので、購入に比べて自己負担額を抑えつつ新車に乗ることができます。リース料には車にかかる費用のほとんどを含めることができるので、維持費用も抑えることができます。
4.車両価格を抑える
新車購入時に車両価格を抑えるには、軽自動車やコンパクトカーを購入する選択肢があります。また、新古車や中古車に選択肢を拡げることで車両価格を抑えられます。
新古車は、販売店(ディーラー)が試乗用や展示用に新車登録した車です。新古車は中古車と比べて走行距離が短く、新車に近い状態の車を手に入れることが期待できます。ただし、グレードやカラーなどを自由に選択できない点は考慮しましょう。
5.購入資金の一部を援助してもらう
車を購入する際、初期費用として大きな金額を占めるのが車両価格です。もし可能であれば、購入資金の一部を援助してもらうことで、ローンを組んだ場合も頭金を多く用意でき借入金額を抑えられます。また、返済期間を短くできれば利息額も抑えることが可能です。
例えば、親や親族から購入資金を借り入れた場合、ローンを組むよりも購入費用が安く済む場合もあります(借入金額により贈与税がかかる場合もあります。ご留意ください)。借り入れる際には後々のトラブルを防ぐために、借用書を必ず作成しましょう。
6.燃費性能の高い車を選ぶ
燃費性能の高い車を選ぶことで、日々のガソリン代を抑えることを期待できます。また、エコカー減税による免税や税額控除のメリットを享受できます。
エコカー減税は、2026年4月30日期限の減税制度です。ただし、2024年1月以降は対象車種の要件が段階的に厳しくなっている点に注意が必要です。
また、低燃費車は車体価格が比較的高くなる場合があります。購入時の費用と維持費をトータルして比較・検討することが必要です。
7.ガソリン代を抑える
低燃費車を選択する以外にガソリン代を抑える工夫として、主に以下の方法が挙げられます。
・運転時に急ブレーキや急発進を減らす
・アイドリングしないように心掛ける
・給油時はセルフスタンドを利用し、満タン給油をしない
そのほか、タイヤの空気圧の調整を定期的に行ったり、転がり抵抗を低減するエコタイヤを使用したりと、タイヤまわりから燃費を向上する方法も考えられます。
8.車検代が安価な業者を利用する
車検は、ディーラー、車検専門店、整備工場、ガソリンスタンド、カー用品店などさまざまな業者が行っています。車検の際には複数の業者から見積りを取って比較し、車検代が安い業者を選択する方法も費用を抑えるポイントの1つです。
また、運輸支局(普通自動車)や軽自動車検査協会に自分で持ち込んで車検(ユーザー車検)を受けることも可能です。その場合は、法定費用(自賠責保険料、自動車重量税、印紙代)だけの負担で済みます。ただし、車の不具合などで車検に通らない場合もあることを考慮しましょう。
9.定期的にセルフメンテナンスを行う
洗車、ウォッシャー液の補充、ワイパーの交換など、自らセルフメンテナンスを行うことで維持費用を抑えられます。
また、セルフ式のガソリンスタンドなどでは、タイヤの空気圧を測定する機器や空気の補充機器を無料で使用できる場合もあり、自身でメンテナンスが可能です。適正な空気圧を維持することでタイヤの寿命を延ばし、パンクやスリップの危険性も抑えられます。
10.駐車場代を抑える
駐車場を選ぶ際に重視するポイントは、利便性(自宅からの距離)と価格(駐車場代)の2点です。その点を踏まえつつ、駐車場を借りる場合は、無理なく支払える駐車場代を想定して選びましょう。たとえ月々数千円の違いであっても長い目で見ると負担額は大きく変わっていくものです。
また、月々の駐車場代以外にも保証料や仲介手数料が発生する場合もあるので、その点も事前確認しておくことが必要です。
初期費用や返済方法を考慮したうえで計画的に車を購入しよう
車を購入する際の初期費用は、本体価格にとどまらず法定費用や諸費用も含みます。初期費用は購入方法(現金一括払い、ローン)などによって異なります。また、購入後の維持費も事前に考えたうえで検討し、計画的に自動車を購入しましょう。
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