腹痛を伴う下痢にみまわれたときの対処方法とは?
最近、食後に急にお腹が痛くなることがあります。下腹部がゴロゴロと下痢のような症状になり困っています。電車の中や仕事中など、急に腹痛や下痢になったときはどのように対処すればよいのでしょうか?
下痢は我慢して止めないようにしましょう。
食事の後に毎回下痢になったり、下痢が何日も続くようでしたら、腸の炎症による病気が考えられますので受診が必要です。食事の内容や体調によって下痢になる程度であれば、まずは腸内細菌を整えるサプリメントや食事で様子を見てもよいでしょう。
下痢は無理に止めるのは禁物
下痢の原因は、細菌性またはウイルス性の腸炎・食品の傷み・食物繊維の摂り過ぎやストレスなどさまざまですが、基本的に有害なものを体の外に出そうとする自己防衛反応です。そのため、下痢を無理に止めてはいけません。
急にお腹がゴロゴロして下痢になったときは、下痢自体を止めようとせず、おかゆや野菜スープなど消化のよいものを摂って自然に治まるのを待ちましょう。
脱水症状にならないように水分補給を
下痢が何度も続くと脱水症状になることがありますので、スポーツドリンクなどでこまめに水分補給をするように心がけてください。乳製品や油分が多い食事は、下痢が完全になくなるまで避けましょう。腹痛がつらい場合はお腹や腰を温めると楽になります。
仕事などでどうしても下痢を止めなければいけないときは、市販の下痢止めを使うという方法もあります。ただし、服用はどうしてものときだけにしてくださいね。
腹痛を伴う場合は保温と安静を心がける
下痢に伴う腹痛も、痛み止めで一時的に改善させることは可能ですが、痛みを抑えてしまうと症状が悪化していることに気づくのが遅れたりすることもありますので、基本的には保温と安静で様子を見た方がよいでしょう。
下痢が3日以上続く場合や嘔吐・発熱などの症状も伴う場合、水のような激しい下痢の場合は受診が必要ですので、医師に相談することをおすすめします。
執筆者: 産婦人科医 清水なほみ
編集部からのコメント
産婦人科医の清水先生の解説にもあるように、下痢になったときには、消化のよいものを摂ることと、脱水症状を引き起こさないように、こまめに水分補給をすることが大切です。
具体的にお腹に刺激が少ない胃に優しい食べ物や、効果的な水分補給の方法をご紹介します。
胃に優しい食べ物
リンゴのすりおろし
胃腸の動きを整えてくれるリンゴは、下痢にみまわれたときに適しています。すりおろしにすると喉をとおりやすく、食欲のないときにも食べやすいです。
おかゆ
水分をたっぷりと含んで、温かいおかゆは、体を温めながら炭水化物の補給を手助けしてくれます。スルッと食べやすいおかゆですが、よく噛んで食べないと、逆に胃の負担になってしまいますので注意しましょう。食欲があるときには半熟卵や梅干しを加えると整腸効果が高まります。
よく煮たうどん
エネルギーのもととなる炭水化物が含まれており、脂肪が少ないうどんは、少し食欲が戻った状態になってから食べるとよいでしょう。消化を早めるため、よく煮込むことが大切です。
よく噛んで食べましょう
下痢の症状がでているときには、胃に負担をかけないことが大切です。
そのため、食べるときには、よく噛んで唾液を分泌させることを意識しましょう。飲み込むように食事をしたり、早食いをすると唾液が不足し、消化する力が低下してしまいます。下痢のときはもちろん、普段からよく咀嚼して食べることを心がけましょう。
消化が悪い食べ物は避けましょう
脂肪の多い肉や魚、生野菜、お菓子は消化が悪い食べ物です。「あまり食欲がないから」と好きなものを食べると、かえって胃に負担をかけてしまうので注意が必要です。
水分補給は、スポーツドリンクや経口補水液がオススメ
水分補給と言っても、「水分であれば何でもよい」というわけではありません。
弱った胃腸を刺激しないように、炭酸やカフェインが入った刺激の強い飲み物などは飲まないようにしましょう。体内で失われた水分や塩分を速やかに補給することができるスポーツドリンクや経口補水液がオススメです。
海外旅行など普段と違う食事のときも要注意
普段からお腹が弱い方で、海外旅行先など、消化によい食べものやスポーツドリンクが簡単に手に入らない場所に行く場合、常備食用のレトルトおかゆを持参すると良いでしょう。海外旅行の場合は、普段とは違う食事が続くため、胃や腸に負担が掛かる場合もあります。海外旅行に慣れていない人や、下痢になりやすい人は事前に準備するようにしましょう。
腹痛を伴う下痢にみまわれたときには、症状を緩和する対処をするだけでなく、しっかり水分補給をして、脱水症状などの二次障害を起こさないように心がけましょう!
産婦人科医 清水なほみ
心と体の健康を自分の力で取り戻す方法を、一緒に考えていきたいと思います。
女性特有の病気を中心に日頃の不調を改善するためのアドバイスをいたします。 病院に行きづらいという患者さんの悩みを、現役医師の知識を活かしてサポートします。
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【資格】 | 日本産科婦人科学会専門医、 日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー |
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