修復歴ありの車とは?

修復歴ありの車とは、車の骨格にあたる重要な部分に対して、修理や部品の交換が行われた経歴がある車のことを指します。修理内容や範囲によって修復歴が残ります。修復歴がある車は、外観や走行性能が元通りになっていても、車両履歴に修復歴が記録されるため、将来的な価値が下がることがあります。

修復箇所の品質や修理方法が不明な場合、車の耐久性に影響を与える可能性もあるため、慎重な確認が必要です。

そのため、車を購入する際は修復歴があるかどうかを確認し、信頼できる修理業者の対応状況をチェックすることが重要です。

修復歴と修理歴・事故車の違い

修復歴の他に、修理歴という言葉もあります。これらはどのように違うのでしょうか?一方で、事故車とはどう違うのでしょうか。

ここでは、修復歴と修理歴、事故車との違いを解説します。

修復歴と修理歴の違いとは

修復歴とは、車の骨格部分(フレーム)に対する修理や交換が行われた経歴を指します。具体的には、フレーム(サイドメンバー)、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラーなどの主要構造部位が該当します。

一方、修理歴は、骨格部分以外の修理や交換が行われた経歴を指します。例えば、バンパー、フロントフェンダー、ドア、ボンネットなどの外装部品の修理や交換がこれに該当します。こうした修理は車の基本的な構造や安全性に直接関与しないため、修理歴があっても中古車の評価や査定価格への影響は比較的少ないとされています。

修復歴と事故車の違いとは

修復歴とは、車両の骨格部分(フレーム)に修理や交換が行われた経歴を指します。車の安全性や走行性能に直結するため、修復歴があると中古車市場での評価や査定価格に大きな影響を及ぼすことがあります。

一方、事故車とは、過去に事故や災害で損傷を受けた車両全般を指します。損傷の程度は問わず、軽微な接触事故から大きな衝突まで含まれます。

ただし、業界内では「修復歴車」を「事故車」と呼ぶこともあります。

修復歴ありの車を購入するメリット

修復歴ありの車を購入する最大のメリットは、価格が安いことです。事故や損傷歴がある車は、同じ年式やモデルでも市場価値が下がるため、修復歴のない車と比べて数十万円~数百万円ほど安く購入できる場合があります。

また、修復歴があっても修理が適切に行われており、見た目や走行性能に問題がない場合、十分に安心して乗れることもあります。特に修復箇所が軽微であり、専門業者がしっかりと修理を行っている場合は、購入後の使用にも問題が少ないことがあります。

さらに修復歴ありの車は中古市場で流通しているため、選択肢が多く、希望する車を見つけやすい点もメリットです。ただし、修理内容や車両履歴をしっかり確認することが重要です。

修復歴ありの車を購入するデメリット

修復歴ありの車を購入するデメリットについて、再発リスクや耐久性の不安、修理品質の不明点などを解説します。

将来的な修理費用や車両の信頼性に関するリスクを理解し、購入時に注意すべきポイントを紹介します。

1. 故障再発のリスクがある

修復歴のある車は、過去に事故や大きな損傷を受けているため、修理後でも再発する可能性があります。特に衝撃を受けた部位や構造に問題が残っている場合、将来的に同じ箇所が再度故障するリスクが高まります。

修復後の車両でも、事故の影響を完全に排除することは難しく、外観や走行性能が元通りでも、見えない部分に不具合が生じる可能性があるため、長期的に不安を感じることがあります。

2. 車両の耐久性が低下する可能性

修復歴のある車は、事故で受けたダメージが部品の強度や耐久性に影響を与えている可能性があります。特にフレームやシャシー部分の修理が不完全な場合、車両全体の耐久性が低下し、強度不足を引き起こす恐れがあります。

長期間使用することを考えた場合、修復歴がある車は信頼性に欠けるため、故障のリスクが増し、将来的な修理費用がかかる可能性もあります。

3. 中古車の価値が下がる

修復歴のある車は、その履歴が車両の価値に大きな影響を与えます。事故歴や修復歴がある車は、一般的に市場価値が低くなります。将来的に売却を考えた場合、修復歴があることで再度価値が下がり、思うように売却できない可能性があります。

修復歴がある車を購入する場合、その価値の減少や将来の売却価格に対する影響を考慮する必要があります。将来のリセールバリューが低いため、長期的に所有を検討する場合はメリットが少ないこともあります。

修復歴ありの車を見極める際のポイント

修復歴ありの車を見極めるための8つのポイントを解説します。車両履歴書や外装、走行性能の確認から専門家による診断まで、購入前に確認すべき重要なチェック項目を解説します。

1. 車両履歴書を確認する

修復歴のある車を見極める際、最も基本的なポイントは車両履歴書の確認です。車両履歴書には、事故歴や修理歴が記録されています。中古車販売業者が提供する履歴書に記載された内容を確認し、修復歴があるかどうかをチェックしましょう。

もし車両履歴書が提供されない場合や不明確な場合は、他の証拠を求めることが重要です。車両履歴書には、事故発生日時や修理内容が詳細に記録されているため、信頼性のある情報を得るための第一歩となります。

2. 外装の歪みや不自然な隙間をチェックする

外装に歪みや不自然な隙間がある場合、修復歴がある可能性があります。事故で車体が変形した場合、修理後に元通りにならないことが多く、車の外装に不自然なズレや隙間が生じるケースもあります。

ドアやフェンダー、ボンネットの開閉状態や隙間をよく確認しましょう。歪みや隙間が目立つ場合、修復箇所を含めて車両の状態が不完全な場合があります。こうした部分は事故後に修理が行われた可能性が高いため、注意深くチェックすることが重要です。

3. 塗装の状態を確認する

修復歴のある車では、塗装の色合いや仕上がりが不均一な場合があります。事故で外装にダメージを受けた場合、修理後に塗装が施されることが一般的ですが、塗装が元の色と微妙に異なる場合があります。

塗装部分に色ムラやツヤの差がないかを確認しましょう。また、塗装の下に隠れた修復痕を見逃さないよう、細部までチェックが必要です。プロの修理が行われていれば塗装もきれいですが、素人の修理の場合、仕上がりに差が出ることがあります。

4. 車内を確認する

車内も修復歴を見極めるための重要なチェックポイントです。事故によるダメージで内装が傷ついている場合、修理後に内装が不完全なことがあります。シートの縫い目やダッシュボード、センターコンソールに不自然な補修跡がないかを確認しましょう。

また、エアバッグの展開履歴やシートベルトの状態にも注意が必要です。事故後にエアバッグが展開された場合、交換されているかどうかを確認し、安全装備が正常であるかを確かめましょう。

5. 車両の走行性能をチェックする

修復歴のある車は、事故後に車両の走行性能に影響が出ることがあります。走行中に異音がしたりハンドルのブレ、車体の振動が強い場合、事故歴が原因となっている可能性があります。試乗して走行性能を確認し、普段通りの走行ができるか、異常がないかをチェックしましょう。

特に、タイヤや足回り、サスペンションに問題がないかを重点的に確認し、もし不安な点があれば専門家に点検を依頼するのが賢明です。

6. 事故歴や修理歴の証明書を確認する

車両履歴書以外にも、事故歴や修理歴を証明する書類がある場合、それらも確認することが大切です。修理業者から提供される修理明細も有力な証拠となります。こうした書類を確認することで、修復箇所や修理内容が明確になり、安心して購入を検討できます。

信頼できる業者で修理が行われた場合、証明書にその詳細が記載されていることが多いため、購入前に確認しましょう。

7. フレームやシャシーの状態を確認する

車両のフレームやシャシー部分は、事故後に大きな損傷を受けることがあります。これらの部分が修復されていない場合、車の構造に深刻な影響を与えることがあります。

フレームやシャシーの状態は外見からは判断しづらいため、専門的な知識を持つ整備士に点検を依頼することが重要です。フレームに曲がりや亀裂がないかを確認し、修復がしっかり行われているかをチェックしましょう。

8. 専門家の診断を受ける

最も確実に修復歴を見極める方法は、購入前に認定整備士など第三者による診断を受けることです。車両の状態を深く分析し、事故歴や修復箇所をプロの目で確認してもらうことができます。

特にフレームや内部の状態、見えない部分の修復状態については、専門知識を持った整備士や技術者によるチェックが不可欠です。費用はかかりますが専門家による診断を受けることで、購入後のリスクを最小限に抑えることができます。

修復歴ありの車に関するQ&A

修復歴ありの車に関するよくある質問とその回答を紹介します。購入前の注意点やリスク、修復歴の確認方法など、疑問を解消するための情報を提供します。

Q1. 修復歴ありの車は安全性に問題があるのか?

修復歴がある車でも、修理が適切に行われていれば安全性に大きな問題はないことが多いです。しかし、事故の程度や修理の質によっては、車の構造や部品に影響を与える場合もあります。

特にフレームやシャシー部分が損傷した場合、修復後でも安全性に不安を感じることがあります。購入前には、修理内容や修復部分をしっかり確認し、専門家による点検を受けることをお勧めします。

Q2. 修復歴ありの車は再販売時に不利になるのか?

修復歴ありの車は市場価値が低くなる傾向があります。事故歴が記録として残るため、再販売時に価格が下がる可能性が高いからです。特に修復箇所が目立つ場合や、事故の影響が大きかった場合は、買い手が減ることもあります。

しかし、修理が適切に行われており、走行性能に問題がなければ、大きなデメリットにはならないこともあります。購入時に慎重に判断し、再販時の価値も考慮しましょう。

Q3. 修復歴ありの車を購入する際、何に注意すべきか?

修復歴ありの車を購入する際は、まず車両履歴書や修理記録を確認し、修理内容や事故の程度を把握することが重要です。外装の歪みや塗装の不均一、内装の傷などもチェックし、修復箇所が元通りかどうかを確認しましょう。

また試乗を行い、走行性能に異常がないかを確認することが大切です。最後に、専門家に点検を依頼することで、より安心して購入できます。

まとめ

修復歴ありの車を購入する際は、まず車両履歴書や修理内容を確認し、修復部分や事故の程度を把握することが大切です。外装や走行性能をチェックし、異常がないかを確認しましょう。

再販売時の価値や安全性に関するリスクも考慮し、専門家による点検を受けることをお勧めします。これらを踏まえた慎重な判断が重要です。

※この記事は2025年3月時点の情報です。

執筆者プロフィール

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