3ナンバー車と5ナンバー車の規格の違いとは?
公道を走る自動車には、自動車用のナンバープレートを取り付ける必要があります。ナンバープレートには個々の車両を識別する役割があり、車両の種別に応じて分類番号がつきます。
乗用自動車は「3ナンバー」や「5ナンバー」に分類されます。
3ナンバーの条件
3ナンバー車とは、乗車定員10人以下の人の輸送に使われる普通自動車を指し、分類番号が3、30~39及び300~399で表示される自動車です。
以下の基準のどれかひとつでも満たすと3ナンバー車となります。
項目 | 基準値 |
---|---|
全長 | 4,700mm超 |
全幅 | 1,700mm超 |
全高 | 2,000mm超 |
排気量 | 2,000cc超 |
つまり、高さが2mに満たなくても幅が1.8mを超えれば3ナンバー車になりますし、車排気量が2,000ccを超えれば自動車のサイズが小さくても3ナンバー車に分類されます。
5ナンバーの条件
5ナンバー車とは、人の輸送に使われる小型自動車を指し、分類番号が5、7、50~59、70~79、500~599及び700~799の自動車です。分類番号が7で始まる自動車も5ナンバー車に分類されます。
以下の基準をすべて満たす自動車が5ナンバー車となる小型乗用自動車です。
項目 | 基準値 |
---|---|
全長 | 4,700mm以下 |
全幅 | 1,700mm以下 |
全高 | 2,000mm以下 |
排気量 | 2,000cc以下 |
例えば、自動車の長さが4.5m、幅が1.6m、高さが1.8m、排気量が1,800ccの自動車は5ナンバーに分類されます。
3ナンバー車と5ナンバー車におけるナンバープレートの違い
まずは、自動車を識別するためのナンバープレートの見方を知っておきましょう。また、3ナンバー車と5ナンバー車の分類番号の違いも解説します。
ナンバープレートの見方について
ナンバープレートは公道を走る自動車に取り付けられる、自動車を識別するための標識です。車両を特定するために、それぞれの自動車には異なる番号が付けられています。
ナンバープレートは、①塗色・②地域名・③分類番号・④ひらがな・⑤一連指定番号で構成されています。
- 塗色
自動車は、自家用の場合は白色地に緑色文字、事業用の場合は緑色地に白色文字の塗色です。軽自動車は自家用の場合は黄色地に黒文字、事業用の場合は黒色地に黄色文字です。 - 地域名
地域名は車を登録した陸運支局や軽自動車検査協会の所在地を表示しています。 - 分類番号
3ナンバー車と5ナンバー車の違いは分類番号にあります。3ナンバー車は「300番台」、5ナンバー車は主に「500番台」の番号が使用されます。 - ひらがな
ひらがなは用途を表します。自家用車の場合は「さ・す・せ・そ・た」などが使用されます。事業用は、「あ・い・う・え」などが使用され、レンタカーは「わ・れ」が使用されます。 - 一連指定番号
一連指定番号は、登録された車両に固有の番号です。一連指定番号には希望ナンバー制度があり、希望により指定した番号を取得することも可能です。人気の番号は抽選となっています。
ナンバープレートの分類番号について
ナンバープレートの分類番号は車両の用途やサイズによって決まります。3ナンバーは普通自動車に割り当てられ、5ナンバーは小型自動車に割り当てられます。
分類 | 自動車の種類 | 説明 |
---|---|---|
100番台 | 普通 貨物自動車 | 貨物の輸送に使われる普通乗用(大型トラックなど) |
200番台 | 普通 乗合自動車 | 乗車定員11人以上の人の輸送に使われる普通自動車(バス) |
300番台 | 普通 乗用自動車 | 乗車定員10人以下の人の輸送に使われる普通自動車 |
400番台 | 小型 貨物自動車 | 貨物の輸送に使われる小型自動車(軽トラックなど) |
500番台 | 小型 乗用及び乗合自動車 | 人の輸送に使われる小型自動車 |
800番台 | 特種用途自動車 | 特種な使い方をする小型自動車・普通自動車 |
900番台 | 大型特殊自動車 | 大型の特殊自動車(建設機械を除く) |
分類番号は車両のサイズや自動車の用途などを見分ける目安となります。3ナンバー車は5ナンバー車よりも車両が大きいセダンやミニバンなどに多く、5ナンバー車はコンパクトカーなどに多く見られます。
3ナンバー車と5ナンバー車における税金の違い
3ナンバー車と5ナンバー車で税金がどのくらい違うのかは、自動車を購入するときに気になる点です。自動車税種別割や自動車重量税については、購入前に確認しておきましょう。
税金は同額になることがある
自動車にかかる主な税金には、自動車税種別割と自動車重量税があります。実は、これらの税金は3ナンバーや5ナンバーというナンバーで異なるのではなく、車両の排気量や重量によって異なります。
よって、排気量と重量が同じである3ナンバー車と5ナンバー車は、税額が同額になることがあります。
自動車税種別割の金額
自動車税種別割とは、毎年4月1日時点で車両を所有している人が都道府県に納める税金です。自動車税種別割は、車の排気量によって支払う税金が変わってきます。
3ナンバー車と5ナンバー車という区分だけで税額が変わるということではありません。
総排気量 | 年税額 |
---|---|
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,001cc~1,500cc | 30,500円 |
1,501cc~2,000cc | 36,000円 |
2,001cc~2,500cc | 43,500円 |
2,501cc~3,000cc | 50,000円 |
3,001cc~3,500cc | 57,000円 |
3,501cc~4,000cc | 65,500円 |
4,001cc~4,500cc | 75,500円 |
4,501cc~6,000cc | 87,000円 |
6,001cc以上 | 110,000円 |
5ナンバー車と比較して3ナンバー車は排気量が大きい自動車が多くなるため、結果的に3ナンバー車のほうが5ナンバー車よりも税額が高くなることが一般的です。
例えば3ナンバー車で排気量が2,500ccの場合、年間の自動車税は43,500円です。その一方で5ナンバー車は3ナンバー車より排気量が小さい車種が多いため、自動車税種別割の税額が低くなる傾向にあります。排気量が1,500ccの5ナンバー車の場合、年間の自動車税種別割は30,500円と安くなります。
なお、排気量が1,800ccの自動車であれば、3ナンバー車でも5ナンバー車でも自動車税種別割は36,000円で、金額に違いはありません。このように自動車税種別割はナンバーではなく、排気量で決まりますが、3ナンバー車のほうが排気量が多くなりやすいため、税金負担が増えることになります。
自動車重量税の金額
自動車重量税とは、車両の重さに応じて支払う税金であり、車両重量0.5トンごとに納める税額が増える仕組みとなっています。ナンバーの区分で税額が決まるものではありません。
自動車重量税は新車を買って登録したときに、自動車販売会社を通じて最初の車検時までの分をまとめて支払います。その後に自動車重量税を支払うタイミングは、車検ごとに次の車検までの分をまとめて支払います。
車両重量 | 税額(2年分) | 税額(3年分) |
---|---|---|
0.5トン以下 | 8,200円 | 12,300円 |
0.5トン超~1.0トン以下 | 16,400円 | 24,600円 |
1.0トン超~1.5トン以下 | 24,600円 | 36,900円 |
1.5トン超~2.0トン以下 | 32,800円 | 49,200円 |
2.0トン超~2.5トン以下 | 41,000円 | 61,500円 |
2.5トン超~3.0トン以下 | 49,200円 | 73,800円 |
5ナンバー車と比較して3ナンバー車は車体が大きく、車両重量が重くなりやすい傾向があるため、3ナンバー車のほうが5ナンバー車よりも税額が高くなることが一般的です。
例えば車両重量が1.0トン超~1.5トン以下の3ナンバーの自動車の場合、自動車重量税は2年間で24,600円です。5ナンバー車は3ナンバー車よりもコンパクトに軽量になるように設計されていて、0.5トン超~1.0トン以下の自動車の場合、自動車重量税は2年間で16,400円です。
しかし3ナンバー車でも軽量化されたモデルで車両重量が軽かったり、5ナンバー車でも装備や仕様によって車両重量が増加しているなどで、3ナンバー車と車両重量が同等であると、自動車重量税は同じ税額になります。
自動車税環境性能割の金額
自動車税環境性能割とは、車の燃費基準などの環境性能に応じて課される税金です。3ナンバー車と5ナンバー車というナンバー区分による税額の違いはなく、車両の燃費性能や排ガス性能に基づいて税率が決まります。
つまり、電気自動車やハイブリッド車などの環境性能が高い自動車は自動車税環境性能割の税率が軽減される一方で、排ガス性能や燃費性能から環境に負荷があるとされる自動車は、税率が高くなります。
参照:国土交通省「環境性能割(自動車税・軽自動車税)」
3ナンバー車と5ナンバー車の保険料の違い
それでは、3ナンバー車と5ナンバー車では、自動車保険の保険料はどのくらい違うのでしょうか。強制保険である自賠責保険と、任意保険について確認しておきましょう。
自賠責保険
強制保険である自賠責保険には、3ナンバー車と5ナンバー車というナンバーによる区別はなく、同じ「自家用乗用自動車」という区分で保険料が設定されています。
2023年1月に届出されている離島以外の地域の自家用乗用自動車の自賠責保険の保険料は、24カ月契約で17,650円、36カ月契約で23,690円となっています。ナンバーの違いによって保険料の違いはなく、3ナンバー車と5ナンバー車では同じ保険料となります。
参照:損害保険料率算出機構「自動車損害賠償責任保険基準料率」
任意保険
任意保険の保険料は、その車両の型式ごとの事故実績をもとにした「型式別料率クラス」によって算出されます。任意保険も、3ナンバー車と5ナンバー車というナンバーの違いが、直接的に保険料に影響を与えることはありません。
しかしながら、3ナンバー車のほうが5ナンバー車よりも高価格となる車種が多いため、修理費用が高くなるという理由から、保険料が高くなることもあります。なお、任意保険の保険料は、加入する保険会社や契約内容によって異なります。
車の税金の負担を抑える制度とは?
3ナンバー車、5ナンバー車に関する税金を抑える制度として、エコカー減税とグリーン化特例という代表的な2つの制度がありますので、参考にしてください。
エコカー減税
エコカー減税とは、燃費性能や排出ガス性能に優れている環境負荷が少ない自動車を対象として、自動車重量税と自動車税種別割の税金が軽減される制度です。エコカー減税の対象となる自動車には、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などがあります。
燃費性能や排出ガス性能が一定の基準を満たしている自動車では、自動車重量税が最大100%免除される場合もあり、税金の負担が抑えられます。
参照:国土交通省「環境性能割(自動車税・軽自動車税)」
グリーン化特例
自動車税のグリーン化特例とは、2023年4月1日から2026年年3月31日までに新車新規登録を行った車両のうち、環境性能に優れた自動車に対して翌年度の自動車税種別割が軽減される特例制度です。
乗用車の場合、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)など、排出ガス基準と燃費基準を満たす自動車が対象となり、おおむね75%の税率が軽減されます。
グリーン化特例の適用を受けるためには、3ナンバー車、5ナンバー車ともに、所定の環境性能基準を満たしている必要があります。
出典:国土交通省「グリーン化特例」
まとめ
3ナンバー車は普通自動車、5ナンバー車は小型自動車であり、車の大きさやエンジン排気量などによって区分されています。自動車の税金や保険料などの費用は、ナンバーの分類そのもので異なるものではありませんが、5ナンバー車より3ナンバー車のほうが、一般的に大きさや排気量が大きくなりがちなことから、3ナンバー車のほうが税金や保険料が高くなる傾向があります。
また、ナンバー区分にかかわらず燃費性能や環境性能が優れた車両を対象に「エコカー減税」や「グリーン化特例」があります。自動車の購入を検討する際は、ナンバーだけでなく、税金や保険料など維持費も含めて判断しましょう。
※この記事は2025年3月時点の情報です。
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