車の名義変更はどんな時に必要か?
車の名義変更は、家族や友人・知人から車を譲られた場合や、個人間売買や中古車販売店で車を購入した際、結婚・離婚によって名前が変わった際などに必要です。
なお、車の名義変更は車検証の名義変更を指します。そのため、期限内に行わないと法律違反になります。また、車の名義変更後のほか、自動車保険の名義変更や新規加入などの手続きも忘れずに行いましょう。
自分で車の名義変更をする際に使う必要書類一覧
小型自動車や普通自動車は、道路運送車両法の規定にて定められた自動車の登録制度の対象となる登録自動車です。
登録自動車の名義変更に使う必要書類一覧
新たな所有者が自ら名義変更の手続きを進める場合は、以下の書類が必要です。
・ 移転登録申請書(自動車検査証変更記録申請書)
・ 所定の手数料印紙を貼付した手数料納付書
・ 譲渡証明書
・ 新旧所有者の印鑑(登録)証明書(発行から3ヶ月以内)
・ 新旧所有者の委任状(実印の押印が必要)
・ 使用者の委任状
・ 自動車保管場所証明書(発行から1ヶ月以内)
・ 使用の本拠の位置を証するに足りる書面
・ 使用者の住所を証するに足りる書面
・ 自動車検査証(有効期限内のもの) など
上記書類の他に、新たな所有者となる自らの実印を持参します。
また、新所有者と使用者が異なる場合は、使用者の住民票(マイナンバー不記載のもの)
もしくは印鑑証明書を提出します。ともに、発行から3ヶ月以内のものを提出しましょう。
軽自動車の名義変更に使う主な書類一覧
軽自動車は、道路運送車両法の規定による自動車の登録制度の対象外です。そのため、名義変更に必要な書類は登録自動車(小型自動車、普通自動車)と異なります。
軽自動車の名義変更で必要となる主な書類は以下の通りです。
・ 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)
・ 自動車検査証(車検証)
・ 軽自動車税(種別割)申告書
・ 軽自動車税(環境性能割)申告書
・ 新所有者の住所を証する書面(発行後3ヶ月以内)など
新所有者の住所を証する書面は、住民票(マイナンバー不記載のもの)または印鑑証明書です。また、2021年1月4日以降申請書への押印が廃止になりました。そのため、認印の持参は不要です。
必要書類を揃えた後はどうする?
必要書類を揃えた後は、名義変更の手続きを行います。登録自動車(小型自動車、普通自動車)の場合は、その車を所有する方の住所を管轄する運輸支局や自動車検査登録事務所、もしくはインターネットにて手続きします。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会で手続きします。
また、管轄する運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)が変更になる場合や、ナンバープレートを変更したい場合は、ナンバープレート(車両番号票)を持参する必要があります。
受付時間は、平日の午前8:45~11:45や午後13:00~16:00などの場合が多いようですが、支局により異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。
車の名義変更にかかる費用
車の名義変更にかかる費用として、車庫証明書の発行料や移転登録時の手数料があります。
管轄する運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)が変わる場合には、手数料やナンバープレート代を要します。
その他、自動車の燃費性能などに応じて、自動車の購入時に納付する「自動車税環境性能割」を納付します。
車庫証明書
車庫証明書(自動車保管場所証明書)は、自動車の保管場所を証明する書類です。車(新車または中古車)を購入して登録する際や、住所変更の際に必要になります。
自動車保管場所証明申請者、保管場所の所在図・配置図など、申請に必要な書類を作成して車庫を管轄する警察署に行き申請します。その際に、申請手数料が必要です。
後日、警察署で車庫証明書を受け取ります。その際に、保管場所標章交付手数料がかかります。手数料の金額は、都道府県により異なるため事前に確認しましょう。
手数料(移転登録時)
運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)、または自動車検査登録事務所で名義変更の手続きを行う際には、移転登録の手数料を支払います。
手数料を支払う際には、手数料額分の収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付して納めます。収入印紙は、支局内か最寄りの販売所で購入することができます。
管轄地域が変わる場合のナンバープレート代も必要
車を使用する管轄地域が変わる場合は、ナンバープレート代も必要です。
通常の交付手数料は2,000円前後ですが、希望ナンバーを選んだ場合はペイント式の場合は4,000~6,000円、文字部分を光らせる字光式の場合は5,500~11,200円、図柄ナンバーの場合は7,000~10,000円かかります。また、字光式のナンバープレートを使用する際には照明器具が必要です。
希望ナンバーは、一般社団法人全国自動車標板協議会のウェブサイトから、連絡先や希望するナンバープレート番号、種類などを入力して申し込みます。
車の名義変更に関する注意事項
ここでは、車の名義変更に関する注意事項として「自賠責保険」や「任意保険(一般的な自動車保険)」の名義変更を、車の名義変更後に行う必要がある理由や、車の名義変更をしなかった場合の罰則について解説します。
自賠責保険についての注意点
自賠責保険は、法律で加入が義務付けられている強制保険です。車に対して締結される保険のため、車の名義変更後には自賠責保険の名義変更が必要です。
自賠責保険証明書の記載事項が変わる場合、保険契約者は変更について記入を受けなければならないと、法で定められています。
自賠責保険の契約者を変更する際には、自賠責保険証明書を発行する保険会社に依頼しましょう。自動車の譲渡人と譲受人が「自動車損害賠償責任保険承認請求書」に必要事項を記入し、押印することで申請ができます。
また、車検証や運転免許証のコピー、印鑑証明書原本など、譲渡意思を確認できる書類も必要です。
任意保険についての注意点
自賠責保険は車に対して締結されますが、任意保険は人が締結の対象です。車を所有したことがない場合、任意保険は新規加入が必要です。所有していた車を入れ替える場合は、加入している任意保険の変更手続き(車両入替といいます)が必要になります。
自賠責保険の補償範囲は対人賠償に限られます。任意保険(一般的な自動車保険)は、自賠責保険の対人賠償額の上限を超える補償金額や、対物賠償、人身傷害などについて備えられることが特徴です。
補償内容はカスタマイズが可能で、運転者の限定や年齢条件など特約をセットすることで、必要な補償範囲に絞り、保険料を抑えることもできます。
なお、任意保険の加入および変更手続きは納車前までに行ないます。手続きにあたっては、車検証に記載されている所有者名・ナンバー・登録年月などの車両情報が必要です。そのため、まずは車検証の名義を変更してから、保険の手続きを進めることが一般的です。
車検証の名義変更をしないと罰金の対象となることも
道路運送車両法では「名義変更の事由が生じた日から15日以内に手続きを行うこと」と定められています。期限内に名義変更しない場合は、50万円以下の罰金に処されるため、注意が必要です。
また、名義変更を怠っていると自動車税や交通違反の反則金などの請求が前の所有者に送られてしまうトラブルも発生します。
家族や友人・知人から車を譲り受けたり、個人間売買で車を購入したり、結婚などで苗字が変わった場合は、速やかに車の名義変更を行いましょう。
車の名義変更に必要な書類や手続きに関するよくあるQ&A
ここでは、車の名義変更に必要な書類や手続きに関するQ&Aをご紹介します。
「車の名義変更が必要な場合」、「車の名義変更にかかる費用」、「車の名義変更後に自動車保険の名義変更をする必要性」の3つについて回答します。車の名義変更時に大切なポイントですので、ご覧ください。
自分で車の名義変更が必要なのはどんな場合?
自分で車の名義変更が必要なのは、車を親や友人・知人から譲り受けた場合、個人間売買で購入した場合、結婚などで苗字が変わった場合です。
必要な書類を準備し、小型自動車・普通自動車の場合は運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車の場合は軽自動車車検協会で手続きをします。
また、道路運送車両法で「名義変更の必要な事由が生じた日から15日以内に行うこと」と規定されています。期限を過ぎると50万円以下の罰則金が科される場合があるので、早めに対応しましょう。
名義変更にかかる費用は?
名義変更にかかる費用は、移転登録手数料と車庫証明の取得費用になります。移転登録手数料は500円です。収入印紙を購入し、手数料納付書に貼付して納めます。
車庫証明書は警察署に交付を申請します。申請時が2,000円程度、交付時の手数料が500円程度かかります。
また、車を使用する管轄地域が変わる場合は手数料やナンバープレート代がかかります。ナンバープレート代は通常2,000円程度ですが、希望ナンバーなどを選択した場合は料金が比較的高くなります。その他、自動車税環境性能割の納付が必要です。
車の名義変更後に自動車保険の名義変更も必要ですか?
これまでに車を所有したことがなく、自動車の購入や譲渡で新規取得する場合には、任意保険である自動車保険の新規加入が必要です。
また、所有していた車を入れ替える場合は、加入している任意保険の変更手続き(車両入替といいます)が必要になります。
なお、車の名義変更時には自賠責保険の契約者変更も行うことが義務付けられています。
まとめ
この記事では、車検証の名義変更に必要な書類や申請先、名義変更にかかる費用、自賠責保険の名義変更、任意保険に関する注意点、車検証の名義変更を怠った場合の罰則などについて解説しました。
車の名義変更をする時は、自賠責保険や自動車保険(任意保険)についても検討する必要があります。手続きを進める方法について相談したいことがある際には、保険会社や保険代理店に相談しましょう。
※このコラムでご案内した内容は概要を説明したものです。詳細につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。
なお、補償の内容・取扱い・特約名称等は、引受保険会社により異なります。詳細は各引受保険会社までお問い合わせください。
SJ25-51045(2025.7.1)