1.自動車保険の乗り換えに最適なタイミングは「満期日」

自動車保険の乗り換えは、現在の契約が終了する「満期日」に合わせて行うのがおすすめです。満期日を待たず、すぐに乗り換えたい場合には、現在の契約を「中途解約」して乗り換えることもできます。しかし、中途解約では等級の進行・適用のタイミングが変わることでデメリットになるケースがあります。乗り換えを希望する理由にもよりますが、満期日が近いなら、満期日まで待って乗り換えることも検討しましょう。

1.1.満期日の乗り換えがおすすめな理由

手続きのスムーズさと経済的なメリットから、自動車保険の乗り換えは満期日に合わせて行うのがおすすめです。

まず、満期日に乗り換えれば解約手続きは不要で、新たな保険会社との契約手続きのみで済むためスムーズです。
ただし、継続忘れを防ぐ目的で自動更新(継続)特約がセットされている契約もあるため、満期日までに現在加入している保険会社へ継続しない旨の連絡をしておきましょう。もし連絡を忘れて自動更新されてしまうと、契約が重複して保険料が無駄になってしまう恐れがあります。

満期日での乗り換えは、ノンフリート等級(以下、等級)の進行や年払いの解約返戻金など、金銭面でも有利です。

自動車保険を満期日に乗り換える場合、例えば保険期間が1年契約なら前契約において1年間無事故であれば、新しい契約の等級は1等級上がった状態でスタートし、より高い割引率が適用されます。
また、前契約の保険料を年払いにしている場合、中途解約すると返戻金が未経過期間分の保険料相当額を下回るケースがあります。満期日での乗り換えであれば、そもそも返戻金の問題が生じないため、こうした不利益はありません。

1.2.契約途中(中途解約)で乗り換えが必要なケース

状況によっては、現在の自動車保険を契約期間の途中で解約(中途解約)して、新たな契約へ乗り換えが必要となるケースもあります。

例えば、変更のお手続きではできない契約内容の変更を行う場合や、 現在の契約に不満があり、多少不利でもすぐに自動車保険を乗り換えたい場合などです。

その際は、無保険状態(補償の空白期間)が生じないようにするとともに、現在の等級を適切に引き継ぐため、前契約の解約日と新契約の始期日を調整する必要があります。
また、次に挙げるようなデメリットもよく理解したうえで進めましょう。

2.中途解約で乗り換える際の3つのデメリット

中途解約による自動車保険の乗り換えには、満期日での解約にはないデメリットがあります。具体的にどのような点がデメリットになるのか、見ていきましょう。

2.1.無事故でも等級が上がるタイミングが遅れる

1年契約の自動車保険を無事故のまま翌年の満期日まで継続すると、更新時に等級が1等級上がります。これは満期日に他社へ乗り換える場合も同様です。

しかし、満期日前に中途解約で自動車保険を乗り換えると、原則としてそれまでの経過日数のカウントはリセットされ、等級が上がるタイミングが遅れてしまいます。中途解約して新たに契約した自動車保険は、前契約と同じ等級からスタートし、そこから無事故で1年後の満期更新を迎えるまで等級は上がりません。

例えば、前契約で11か月間無事故を継続していたとしても、中途解約した時点でその11か月分はリセットされ、等級が上がるタイミングがほぼ1年先延ばしになってしまうのです。

2.2.事故時の等級反映のタイミングが早くなる

現在加入している自動車保険で事故を起こし保険を使っていた場合、中途解約での乗り換えは特に注意が必要です。

通常、事故による等級ダウンは満期更新のタイミングで反映されます。しかし、中途解約して他社の自動車保険に乗り換えると、乗り換えた時点からダウン後の低い等級になるのに加えて、無事故のときよりも割引率の小さい「事故有係数」が適用されます。割高な保険料を支払う期間が前倒しで始まれば、家計への負担も大きくなります。

2.3.解約返戻金が想定より少なくなる場合がある

自動車保険の保険料を年払いで支払っている場合、中途解約すると解約返戻金を受け取れますが、その金額は想定よりも少なくなるかもしれません。

一般的に、保険期間の途中で解約される場合の解約返戻金は、経過していない期間の保険料を単純な日割りで計算した金額よりも少なくなるケースもあります。これは、保険会社所定の計算方法が用いられるためです。

3.自動車保険を乗り換えるメリット

自動車保険を乗り換えることで、次のようなメリットが期待できます。

3.1.保険料が安くなる可能性がある

自動車保険を乗り換えることで、現在の契約より保険料を抑えられる可能性があります。保険料は保険会社によって異なるため、同じ補償内容であっても保険会社を変えることで保険料が安くなることもあるでしょう。

3.2.自分に合った補償内容や特約に変えられる

補償内容や特約のラインナップは、保険会社や商品により異なります。車の利用状況と照らし合わせて、さまざまな自動車保険を比較することで、より自分の希望に合った自動車保険が見つかる可能性があります。

現在加入している自動車保険で不足している補償や、不要な特約を洗い出し、さまざまな保険会社を比較、検討してみましょう。

4.代理店型とネット型(ダイレクト型)の特徴

自動車保険には「代理店型」と「ネット型(ダイレクト型)」の2つのタイプがあります。代理店型とネット型(ダイレクト型)は契約方法や補償内容を決定するまでの手間や保険料などが異なるので、よく検討したうえで自分に向いているものを選択しましょう。

4.1.代理店型

「代理店型」は、保険専業のプロ代理店やカーディーラーなどの兼業保険代理店を通して契約する自動車保険です。契約者が、代理店の担当者から対面で保険の詳細について説明を受け、見積りを提示してもらい、補償内容を検討したうえで契約に進みます。

不明点があれば担当者へ直接質問でき、自分に合った補償内容を設計してもらえるため、安心して契約できることがポイントです。

4.2.ネット型(ダイレクト型)

「ネット型(ダイレクト型)」は、契約者がインターネットや電話を通じて保険会社と直接契約する自動車保険です。保険代理店を通さないため、代理店型に比べると保険料を抑えられる傾向があります。

ただし、契約者自身で補償内容を調べて設計し、見積りを取り、契約手続きをしなければなりません。契約するときは重要事項説明書に記載された内容をよく確認しましょう。

5.自動車保険を乗り換える際の注意点

自動車保険を乗り換える際には、次のような点に注意しましょう。

5.1.保険の空白期間を作らない

自動車保険を乗り換える際、前契約と新契約との間に「空白期間」が生じると「無保険状態」となり、その間に事故を起こした場合は補償を受けられません。
このような無保険状態での事故リスクを回避するために、前契約の満期日(または解約日)と新契約の始期日(補償開始日)は必ず「同日」に設定し、空白期間を絶対に作らないようにしましょう。

また、新契約の始期日(補償開始日)が前契約の満期日(または解約日)の翌日から数えて8日以上空いてしまうと原則として等級の引き継ぎができず、新契約は6(S)等級からのスタートになり、保険料が高くなってしまうことがほとんどですので注意が必要です※1。
もし、乗り換え前の車を手放さなければならないなど、新たに自動車保険を契約するタイミングがどうしても8日以上空いてしまうときは、乗り換え前の保険会社から「中断証明書」※2を入手しておきましょう。

※1 前の自動車保険での等級が1~5等級のデメリット等級の場合、満期日または解約日から13か月以内であれば、原則として新しい保険会社でもその等級を引き継がなければなりません。
※2 中断証明書:車を手放したなどの所定の理由で自動車保険を解約または契約満期となる場合で、一時的に契約を中断することが認められる際に発行される書類。解約時の等級や事故有係数適用期間を新規取得自動車の保険に引き継ぐことができます。

中断証明書について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

5.2.保険の「重複」による支払い損に要注意

空白期間とは逆に、当初の保険を解約する前に新しい保険を契約してしまうことによる、保険の「重複」にも注意が必要です。

保険契約が重複している期間に事故を起こしても、実際の損害額を超えて保険金を受け取ることはできません。しかし、保険料は両方の保険会社へ支払うことになるため、保険料の支払い損になってしまうのです。

また、保険契約が重複する場合、新しく契約した保険ではこれまでの等級を引き継げない点にも注意が必要です。通常、保険契約が重複している場合は先に契約している保険が有効になるため、万が一保険契約が重複してしまった場合は、すぐに新しく契約した自動車保険を解約しましょう。

特に自動更新(継続)特約がセットされている契約は自動更新され、知らぬ間に保険の重複が生じてしまうケースもあるため、必要に応じ保険会社または代理店へ継続しない旨の連絡を忘れないようにしましょう。

6.自動車保険の乗り換え手続き・流れ

自動車保険を乗り換えるときは、新しく契約する保険会社を調べて検討し、契約手続きします。また、中途解約をする場合は解約手続きも必要です。

6.1. ①複数の保険会社から見積りを取り比較する

まずは自分にとって必要な補償を洗い出してみましょう。現在契約中の自動車保険で不足している補償や希望する補償を整理しておけば、新しい自動車保険を探しやすくなります。

インターネットなどで自動車保険を探し、パンフレットやWebサイトで補償内容や保険料を確認して、自分に合った保険商品をピックアップしましょう。

その後、各保険会社へ見積りを依頼し、比較・検討します。

6.2. ②必要書類を準備して新しい保険会社へ申し込む

乗り換える保険会社が決まった後は、契約に必要な書類を準備しましょう。契約時に必要となる主な書類は以下のとおりです。

  • 契約する車の自動車検査証(車検証)
  • 契約者の運転免許証
  • 契約中の自動車保険の保険証券
  • 中断証明書(※自動車保険の契約を中断している場合)など

また、必要であれば累計走行距離の値(オドメーター値)を確認します。
必要書類等が準備できたら、代理店や保険会社へ自動車保険を申し込みましょう。
※必要書類は保険会社や契約内容により異なる場合があります。詳細は保険会社や代理店に確認してください。

6.3. ③前契約の保険会社で解約手続きをする

加入している自動車保険を中途解約する場合は、保険会社もしくは代理店へ解約する旨を伝え、解約手続きをします。

また、自動車保険の保険料を年払いで支払っている場合、中途解約をすると解約返戻金が返還される可能性があります。ただし、保険料を月払いで支払っている場合、原則として解約返戻金は発生しません。

満期日のタイミングで自動車保険を乗り換える際には、加入中の保険会社との手続きは不要です。ただし、自動更新(継続)特約がセットされている場合は、忘れずに保険会社へ継続しない旨を連絡しましょう。

7.自動車保険の乗り換えでよくある質問

ここでは、自動車保険の乗り換え時に多くの方が抱く2つの疑問にお答えします。

7.1.共済からの乗り換えでも等級は引き継げる?

JA共済やこくみん共済coop(旧全労済)など、主要な共済(自動車共済)から自動車保険へ乗り換える場合は、等級の引き継ぎが可能なケースが一般的です。しかし、一部の共済からは引き継ぎができないケースもあります。等級の引き継ぎが可能な共済は保険会社によって異なるため、乗り換えを検討する際は、引き継ぎの可否を事前に保険会社に確認しておきましょう。

等級の引き継ぎができない共済からの乗り換えでは、等級は6(S)等級から始まります。

7.2.乗り換えの手続きは、満期日の何日前までに済ませるべき?

保険の空白期間を作らないために、新しい自動車保険への乗り換え手続きは、遅くとも前契約の満期日の1〜2週間前には済ませておくのが理想です。乗り換え先となる保険の比較検討と見積りは、余裕を持って、満期日の1〜2か月前から始めるとよいでしょう。

手続きが満期日直前になってしまうと、書類の不備があった場合に修正が間に合わず、空白期間が生じて、無保険状態となったり、等級を引き継げなくなったりするリスクがあります。満期日までに余裕を持って手続きを済ませることで、無保険状態になるリスクを避けることができます。

8.まとめ

自動車保険の乗り換えに最適なタイミングは、現在の契約の満期日です。満期日に合わせて乗り換えれば、等級の引き継ぎで不利になったり、解約返戻金が減額されて損をしたりすることなく、スムーズに契約を切替えられます。

ライフスタイルや車の使い方の変化などによって、やむを得ず自動車保険を中途解約で乗り換える場合は、等級(等級アップの遅れ・等級ダウンの前倒し)や解約返戻金への影響などのデメリットをよく理解したうえで判断することが大切です。

自動車保険を選ぶ際、保険料が安くなるネット型(ダイレクト型)も選択肢の一つですが、自分で補償を設計するのが不安なときは、保険代理店やカーディーラーなどに相談すると安心です。

自動車保険を乗り換える際は、満期日に合わせるなど、なるべくデメリットの少ない時期を選び、保険の空白期間・重複期間を作らないよう注意しながら、自分に合った補償を受けられる自動車保険を検討しましょう。

※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2027年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。

SJ25-51139(2026.10.06)
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