等級シャッフル(車両入替)とは
新たに車を購入して複数所有することになった際、車にかけている保険を入れ替えることを「等級シャッフル」といいます。等級とは、自動車保険契約者の事故リスクなどを1~20等級で区分したもので、等級が上がるほど保険料が安くなります。通常、初めて車を購入する際には6S等級が適用され、自動車保険を使用しなければ毎年1ずつ等級が上がっていく仕組みです。
新たに購入した車は6S等級もしくは7S等級ですが、既に所有している車にかけている保険の等級と入れ替えることで、トータルの保険料を安くするのが等級シャッフルです。詳しい仕組みを見ていきましょう。
保険料を左右する「型式別料率クラス制度」とは
たとえば、すでに所有していた車A(軽自動車)が20等級で、新たに車B(スポーツカー)を購入したと仮定しましょう。通常、新規契約になる車Bはセカンドカー割引が適用されて7S等級からのスタートとなりますが、車Aの契約を車Bに入れ替えると、車Aが新規契約の7S等級、車Bが20等級となります。では、車両入替を行うメリットはなんでしょう。
▼型式別料率クラス制度
自動車保険料に大きく関係する要素として、車種によって決定される「型式別料率クラス制度」があります。同制度では自家用普通乗用車・自家用小型乗用車はクラス1~17の17区分、自家用軽四輪乗用車はクラス1~3の3区分に保険料率が分類されています。これは車のリスク実態をもとに算出されるもので、クラス1がもっとも安く、料率クラスが上がるほど保険料も高くなります。つまり上のイラスト例でいえば、料率クラスの高い車Bに割引率の高い20等級をシャッフルしたほうが保険料を抑えられる可能性が高いのです。
ただし、自動車保険料は車の型式や等級だけでなく、車両保険の付帯の有無、車の使用目的や運転者の範囲などによっても変動します。車両入替を検討する際は保険契約について十分確認するのはもちろん、事前に信頼の置ける代理店に相談するのが一番です。
等級シャッフルが適用される条件とは
保険料を抑えられる可能性がある等級シャッフルですが、一定の要件が定められているため、必ずしも適用できるとは限りません。保険会社によって多少の違いはありますが、一般的に次の要件を満たす必要があります。
<等級シャッフルの適用条件>
- 入替後の車が新たに取得された車であること、または、入替前の車が廃車・譲渡・返還された場合において他に所有する車に入替をすること
- 入替後の車の所有者が入替前の車の所有者と同一、または入替前の車の契約の記名被保険者、その配偶者もしくはそれらの方の同居の親族であること
- 入替後の車の用途車種が自家用8車種(※)であること
※自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車、自家用軽四輪貨物車、自家用小型貨物車、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)、特種用途自動車(キャンピング車)を指す
とくに、入替車両の所有者が違っている場合は要注意。上のとおり、入替後の車の所有者は入替前の車の契約の記名被保険者と配偶者、それらの方の同居の親族でなければいけません。また、すでに所有している車同士の等級シャッフルは認められません。
等級シャッフルに必要なもの
- 新たに取得する車の車検証
- すでに所有している車の保険証券
等級シャッフルの手続きをする際は、上記2つが必要になります。等級シャッフルが適用できる所有者であるかは車検証で確認します。車検証(自動車検査証)は、車の購入時や車検時に発行される証書で、保安基準の適合証明や権利情報などを示したものです。納車前でまだ車検証を受け取っていない場合は、カーディーラー等に確認してコピーを発行してもらうと良いでしょう。
等級シャッフルやセカンドカー割引で自動車保険料を安く抑えよう
多くの保険会社において、車両シャッフル(車両入替)は取扱代理店もしくはWEBで手続きができます。WEB手続きは手軽ですが、保険設計内容によっては、シャッフルせずに2台目の車を新契約として始める方がトータルの保険料が安いということも考えられます。
シャッフルするかどうかの判断は難しいので、代理店に相談しながら決めるとよいでしょう。等級シャッフルはもちろん、オプション特約や割引制度、補償内容の重複などについても詳しく確認できます。
損保ジャパンの「自動車保険サクっと見積り」は、保険料を概算で算出するお見積りサービスです。お見積り結果の確認後、さらに詳しい補償内容について保険のプロである代理店へお問い合わせいただくことも可能です。
※等級シャッフルのお見積りはできません。