収納されるモノが消費されるまでの寿命って? 収納スペースが足りなくなって、そろそろモノを押し出さないとしまえないことはわかっていても、そのジャッジができないことってありますよね。高くても安くても、モノの寿命を感じていないと循環型の収納ができません。モノの寿命を見極めるためにストックとフローを考えながら、もっと収納上手になってみましょう。
モノには3つの意味があります
食べ物のように、賞味期限や腐り始めたら処分ができるものはいいけれど、収納スペースが足りなくなったくらいでは、なかなかモノを循環させるのが苦手な人は多いはず。私たちが日ごろ何気なく買っているものには3つの意味があるのです。
まず1つ目は、食べつくしたり、使われてゴミとなって消えていくいわゆる「消えモノ」。食品や洗剤やトイレットペーパーのように使用されてなくなるモノです。これは寿命が決めやすいですね。便利になった日本では、これらのストックは最大でも1ヶ月分までと私は提案しています。
それ以上は持ちすぎ。安かったからの買いだめは、翌月の家計費の前倒しになっていて、足りない時や、もしもの時の保険にはならないものです。消えモノのストックは1ヶ月を目安にすれば買いすぎや、使う無駄を省けます。これらの総数を把握するためにも、開封したモノ(フローするモノ)と、未開封のモノ(ストックするモノ)は明確に分けて収納するのがベスト。使いかけのお醤油の隣に未開封のお醤油をしまわずに、未開封のモノは全部一か所にまとめて収納してください。ここのストックを確認すれば、あなたの家の今月の消費するモノの総量が分かる仕組みです。
2つ目は耐久消費財
2つ目のモノの意味は、「耐久消費財と呼ばれるモノ」たち。一度買ったら壊れないかぎり処分されないモノをさします。実は日本の家庭にはこうした壊れていなくて、使っていないけど捨てられないから一応とっておきたいモノが、モノの総量の7割以上を占めているといわれています。困ったことに、これらのモノが日常の買い物と違って時にはローンを組んだり、貯金をしたりして買う高価なモノもある一方で、安くても流行が終わったり役目を終えても、壊れないために捨てられない食器や家電品という場合もあります。
大事なのは収納以前に、これらのモノを買う時に、いつまで使えば元が取れるかなぁっと心の中で計算してみることも大事です。使わないのに壊れていないことだけを理由に、収納しているのなら、もうそのモノの元は取れていますよね?これこそが日本人が一番苦手な循環させるべきモノたちです。もったいないからとっておくを、もったいないから循環させる。欲しい人に回す。十分に使ったと割り切っていく。収納スペースの経済的な損失の収納方法にならないようにするのが大事だと思います。
想い出や愛着のあるモノ
3つ目のモノは、「想い出や愛着のあるモノ」たち。収納で一番のお困りモノたちです。
これはもう自分では、モノの寿命をどうすることもできないモノたちです。私自身も120冊の家族のアルバムの保管に手を焼いています。子どもたちの想い出の詰まった絵画や作品、趣味で集めた雑貨、親しい人から贈られた想い出の品。「いつか使う」事は絶対にないけれど、持っていれば見るたびに幸せを感じるモノで、他の人にその重要性を知ってもらうことも、処分の判断も委ねられないモノばかりです。
それぞれの住まいのなかで、どのくらい収納スペースを割くかは、各人の判断になりますが、ロフトいっぱいの想い出よりも、時には心でそっと押したシャッターのメモリーのほうが私には大事なこともあります。もしも年をとってきたら、「いつまで保管」、「誰に手渡すモノ」と小さなメモをつけて見直しの収納をすることが大事です。
いかがでしたか?シリーズでお送りした収納のお話。 収納できないわけを知って、収納前の分類とモノの適正量、私たちが感じるモノとのかかわりの意味。そんな収納のホントを知っていただけましたか? 皆さまの暮らしがワンランクアップして快適な生活へのご参考になれば何よりです。