専門家による収納コラム

収納のきほん(2) -収納のための分類って何?-

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「どこにしまったんだっけ?」、「いつも探し物が多くて困るなぁ。」収納が苦手な人の最も多いご相談です。実は、この「どこにしまったんだっけ?」という収納行動には、自分が意識していない収納分類イメージが作用しているのです。この収納分類のコツをマスターして、探し物ゼロの収納上手になってみましょう。

分類は、探し出すためのグループ化です

まず、上手に収納するためにはモノを「分類する」ことに意識を働かせてみましょう。
もしもあなたが大型スーパーマーケットで「アイロン台」を探すとしたら、どこのフロアーや売り場を探しますか?「家電品のアイロン売り場」でしょうか、「洗濯関連の日用品売り場」でしょうか、それとも住宅メンテナンスの「大工用品売り場」を探すでしょうか?スーパーマーケットのように不特定多数の人がモノを探す場合は、買い手が欲しいモノをすぐに探し出せるように商品にアイテムの関連付けをし、モノを分類してラインナップしています。気のきいたスーパーなら、精肉売り場なのにすき焼き肉の隣に焼き豆腐やネギがラインナップされている事もありますよね。

分類イメージは、個々によって様々

この分類のセンスはみんなが共通している場合と、各自の思いが違う場合があります。食品売り場にスリッパが売られていることがないように、探しだすためにはモノは同じアイテムや関連付けたもので分類して整理しているものです。ただし、アイロン台のように人によって関連付ける分類先が、家電品売り場や生活用品雑貨売り場というように、共通してイメージできない場合もあります。収納するときには、ぜひとも同じアイテムを重ねる収納分類なのか、一緒に使うモノをまとめる収納分類なのか、先に購入したモノから消費する収納分類なのかをイメージしていくことが大事です。

例えば自分が分類してモノを収納するとき、「パスポート」→「旅」→「トラベルセット」→「スーツケース」を一緒に収納するという収納分類をたどったら、「パスポート」の収納先が分かるでしょう。次に使う時には、その分類をイメージすることができるので探しだせるのです。

またある人は、「パスポート」→「重要書類」→「通帳・証明書」→「貴重品取りまとめ箱」という収納分類にしておく人もいると思います。探し出すときの「検索のためのグループ」を考えて収納分類をしてみてください。

収納分類は適正量を決められます

また、収納分類は適正量を決めるためにもとても便利な考え方です。「クローゼットがパンパンでそろそろ服を処分しようかと思っていても、あれもこれもまだ着られそうで取捨選択ができない。3年着なかったら処分でしょうか?」と聞かれることがあります。着なかった時間で判断すると、要不要の決断はなかなかつきません。「いつか着るかも、こんなの持っていたんだ!」と処分の堂々巡りの経験をした人も多いはず。

こういう時は、アイテムごとに分類してみるのが大事です。分類は、適正量を決めるのにとても有効な方法です。思いがけず「Tシャツばかりでポロシャツが少ない」、「スカートは少ないが、ジーンズは多い」など、実際の持ち物の傾向が分かります。その上で、使用するシーンをイメージしてみましょう。例えば休日が少ない方ならば、稼働率が低いカジュアルウエアや、ジーンズから減らそうという判断がつけやすくなりますよね。

同じように、食品ストックも未開封の食品を全部まとめてみると「はたして1月でこれだけ食べるだろうか?」とストック量と家計の収支をイメージしやすくなると思います。

収納分類を意識して、モノを分けてみる。その分類ごとに収納を重ねていけば、探し出す時も関連がつくし、モノの適正量を決めやすくなります。スーパーマーケットや、コンビニのラインナップで「モノの分類」をお手本にしてみるのも収納分類のイメージトレーニングには良いと思います。

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コラムニスト 芳賀裕子 (Studio HAGA代表)

筆者の写真

ライフスタイルから考える収納をお伝えします

インドネシア・ジャカルタ、インド・ムンバイ、ニューデリーに通算10年在住。引っ越し経験14回。国内外10軒のさまざまな広さ(46平米~250平米)の住宅に暮らす。さまざまなライフスタイルに対応できる住まいのソフトの提言をするお片づけコーチングをめざしています。

【所属】 お片づけコーチング Studio HAGA
【メディア】 はぴフル(フジテレビ)、学べるニュースショー(テレビ朝日)、AneCan(小学館)など多数。
【著書】 「収納のきほん おさらい帖」(小学館)など多数。
【資格】 整理収納アドバイザー認定講師

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