体が休まる寝室づくり
寝室は家の中で唯一お客さまが入ってこない場所。臭いものには蓋をとばかりに、パタンと寝室の扉を閉めたはいいけれど、中はごちゃごちゃ……という家も少なくありません。収納が苦手な方や忙しい方は、なおその傾向が強いようですが、洋服や物が散乱した部屋では、体も休まらないはず。それでは、どうしたらいいのでしょうか。
いらないものは思いきって処分しても
「見せる収納」と言っても、家の中のすべての部屋に当てはまるわけではありません。特に寝室はふとんや衣類などがあるため、ホコリの発生源になりがち。掃除のしやすさを優先して、リビングルームやキッチンよりは、外に出すものの量を少なめにとどめたほうがよいでしょう。
そうなると、必然的にクローゼットや押入れ、タンスなどに物をしまうことになりますが、ところで、何年も着ていない服を大事にためこんでいませんか?
過去一年で着たかが分かれ目
服にはどうしても流行があります。また、体型の変化もありますので、過去一年間に袖を通さなかった服は、この先も着ないことがほとんどでしょう。服を保管するにはクリーニングや防虫剤などのコストがかかり、服の量が多ければ衣替えの際に余計に手間もかかります。
ですので、収納を楽にするためにも、少しずつ着ない服を減らしていってはいかがでしょうか。着ていない服はその役目を果たせなくてかわいそう。そう考えて、着てくれる人に譲るのも一案です。
そのようにして寝室がすっきりしたら、見せる収納に取りかかります。寝室で見せる収納に適している場所は、チェストやサイドテーブルの上。置き場所に困るアクセサリーを、使っていないトレイやお皿に並べて飾ります。アクセサリーは細々しているので、単体で置いておくとすぐどこかへ行ってしまいます。
帰宅して服を着替える際にアクセサリーも一緒に外してぽんと放り込んでも、トレイやプレートはおおらかに受けとめてくれる。時間のない朝も一目瞭然で探しやすいので、大ざっぱな方や忙しい方にもピッタリの収納方法です。
また、ネックレス類はフックにかけて壁に飾ると、見た目もよい上に絡まらず取りやすくて一石二鳥です。
掃除道具はどこにある?
ちょっと話は変わって、みなさんは掃除道具をどこに置いていますか?掃除道具は「汚いもの」という印象があるため、奥深くへ隠している方がほとんどですね。が、そうすると、嫌なことという印象が強まって、ますます掃除がおっくうになってしまいます。
そこで、かわいいバケツなどに掃除道具をひとまとめにして、手に取りやすい場所に置いてみてはどうでしょう。ゴム手袋やスポンジ、ブラシ類などは、カラフルでデザインのいいものも多いですから、少しでも掃除が楽しくなるような色やデザインを選びます。また、バケツに入れることで、使いたいときに使いたい場所へまとめて持っていけるので、気づいたときにすぐ掃除できてとても便利。億劫に感じる前に掃除が終わります。
また、このようにものの場所がはっきりすると、「○○にあるから持ってきて」と、家族に手伝ってもらえるため、お子さんにもいい習慣になるでしょう。
見せる収納に挑戦するには
では、見せる収納に戻って、実際に見せる収納に挑戦する際のコツをお話しします。それはズバリ、部屋ごと大々的に模様替えしたりせずに、“小さく一ヶ所ずつ”やること。部屋づくりは小さな積み重ねが大事ですから、とにもかくにも無理は禁物。一日10分。引き出し一つ、棚一段などと決めて負担にならないようにじわじわと進めていけば、一週間後、一ヶ月後には見違えるほどすっきりキレイな部屋になるはずです。収納は一生つき合うものですから、くれぐれも焦らずに。急激に進めるとリバウンドしてしまうのは、どこかダイエットとも似ていますね。
収納は楽しい
この三回の記事でお伝えしたかったのは、「収納は楽しい」ということです。収納は、自分らしい暮らしのためのクリエイティブな作業。収納スペースに一つでも物を多く詰め込むテクニックではなく、出し入れしやすいようにどこに何をどう配置するかという、頭の体操のようなものです。そして、見せる収納は、収納とインテリアをつなぐ架け橋。見せる収納を通じて収納の楽しさを知っていただいて、部屋中どこでもすっきりいう方が増えることを願っています。