水不足になった時の対処方法とは?
連日の猛暑日で今年の夏は水不足になるのではと非常に心配です。もしも水不足になった場合、家庭ではどのような対策をとればいいでしょうか?水不足の対処方法について教えてください。
水をためる容器を用意し、水を再利用しながら節水をしましょう。
小雨が続いてダムや貯水施設の貯水量が減少した場合、段階を経ながら水道の利用に制限がかかります。早い段階から節水に協力して水の消費量を減らしつつ、本格的な断水に備えて水をためる容器などを用意しておきましょう。
■渇水時に取られる対応について
●取水制限
水不足の際の対策として最初に行われるのが「取水制限」です。ダムや貯水施設から河川に放流する水の量と、浄水場で取得する水の量が減らされます。取水制限では一般の家庭へは影響が生じないことが多く、公共の噴水を止めたり、大規模な工場へ節水の要請をしたりという対応が取られます。
●給水制限…減圧給水
取水制限を行っても雨が降らず、さらに貯水量が減少していった場合、一般家庭にも影響が出る「給水制限」が実施されます。給水制限には2つの方法があり、まず取られるのが「減圧給水」です。減圧給水では、水は24時間利用できます。しかし、圧力を下げて水が送られるため、蛇口からの水の出が若干悪くなるなどの影響が生じます。
●給水制限…時間給水
減圧給水を行ってもさらに貯水量が減少すると、「時間給水」いわゆる断水が行われます。時間給水では定められた時間帯に水が出なくなり、しかも貯水量が減るにしたがって断水する時間が長くなります。時間給水が行われる場合は、家庭内に水をためておくなどの対応が必要になります。
■渇水時における家庭での対処方法
渇水時においても「取水制限」「減圧給水」の段階では、家庭における影響はそれほどありません。もちろん水不足ですから節水に協力することは必要ですが、水不足への対策としては主に「時間給水(断水)」に備えることになります。
●容器を準備しておく
・飲料水をためるペットボトルを用意。飲料水は冷蔵庫で保存することが望ましい。
・生活用水をためるため、10L~20Lサイズのポリタンクを複数用意。コック付のものは使い勝手がよい。なお、給水車から水をもらうことに備えて、台車やキャリーがあるとよい。
・風呂場にためた水を移動するためのバケツを用意、洗濯機へ水を入れたりトイレを流したりする際に用いる。
●節水して水の消費量を減らす
・風呂でのお湯利用を減らす。こぼれるほど浴槽にお湯を張らないようにし、シャワーをこまめに止めるなどの対応を行う。
・風呂の残り湯を、洗濯、トイレ流し、拭き掃除、洗車、庭への水まきなどに再利用する。
なお、再利用するためには入浴剤を使わないようにする。
・食器を洗う際にはため洗いをする。食器の油分は紙などで拭き取ると洗う水の節約になる。
・トイレの大小レバーを使い分ける。
※トイレのタンクに水の入ったペットボトルなどを入れて節水する方法は、場合により配水管を詰まらせたり、トイレを壊す原因となる可能性があるため、おすすめできません。
断水は渇水以外でも生じます。大地震の際にはもちろん、停電時や、河川に有害物質が流れ込んだ際にも給水が停止することがあります。水不足への備えは色々な状況で役立ちますので、容器の準備などを行っておくとよいでしょう。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
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【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
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