溺れた時の対処方法とは?
海水浴の季節が近づいてきました。今年の夏は家族全員で、海に行くことを計画しています。ライフセーバーの方もいるので安全だとは思いますが、もし万が一溺れた時はどのような対処方法があるのでしょうか?今回は子どもも一緒に連れていく予定なので、子どもの応急処置も教えていただければと思います。
むやみに飛び込んで救助を行わない、心肺蘇生法を覚えておきましょう。
1. 溺れている子どもを見つけたら、直ぐにライフセーバーや周囲に協力を求めましょう。
2. 直ぐに水に飛び込まず、ロープを結んだ浮き輪や棒、上着などにつかませる。(空のペットボトル、ポリタンクなども浮き輪になります)
3. 周囲に人がいない場合は、救急車に通報してから、溺れている子どもを常に確認しながら背後に回り込
むようにして近づきます。
4. 流れのある川などでは、流れの下流に先回りして水に入り体で受け止められるように近づきます。
5. 子どもにしがみつかれ泳げない状況になったら、一旦自分が潜って子どもの腕をほどき、背後から抱え
なおします。
6. 子どもの体を浮かせるようにしながら、アゴを持つ、片腕で抱える、髪の毛をつかみ引っ張るなどの体
制で岸へ向かいます。
7. 岸へ向かう際には、流れに逆らわず少し流されながら岸に近づくと体力の消耗を押さえられます。
8. 長時間水中で救助を待つ場合、呼吸が止まっている場合は可能なら人工呼吸を行います(頭を後方に反らせ、息がもれないよう鼻をつまみ、口から息を吹き入れます)
9. 陸の上に救助し、呼吸が停止している場合は心肺蘇生を救急隊かライフセーバーに交代するまであきらめずに続けてください。
10. 呼吸が戻った場合は、意識が無くても嘔吐による窒息を防ぐために回復体位※をとらせ常に様子を見ながら静かに寝かせます。
※体を横向けにし、顔を軽く反らせアゴを前に出し、上になった手を頬の下に、上側のヒザを90度に曲げ前に出し体を支える。
11. 震えているようなら全身をよく拭きバスタオルなどで覆い頭から首にかけタオルなどで保温します。
12. 冬場など冷水の場合は、逆に甦生のチャンスがありますので心肺蘇生法を諦めないで試みてください。
■応急手当の目的
今回は、誰でも簡単に身につけられる応急手当をご紹介いたしました。応急手当(ファーストエイド)とは、怪我や急病のときそれ以上「悪化させない」ように「苦痛を軽減」して、なるべく早く医師の手当てを受けさせることを目的としています。
ファーストエイド・インストラクター 鹿口恵子
突然のケガなどに、誰でもできる応急処置をご案内します。
突然のケガや急病の時に、「それ以上悪化させない」、また「苦痛を軽減」するために応急処置をご紹介していきます。日ごろから応急処置の方法を知っておくことで、突然の事故でも正しい対応が可能になります。
【資格】 | 財団法人日本交通安全普及協会チャイルドシート認定指導員。 東京都消防庁認定 応急手当普及員。 モータースポーツ・ライフセービング機構「ドライバー&子供の応急手当」インストラクター。 NPOキッズデザイン協議会会員。日本交通医学工学研究会会員。 |
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