頭金とは?住宅を購入する際に必要なお金とは?
将来の住宅購入のため、少しずつ貯金を始めたいと思っていますが、住宅を購入する際にかかる費用は頭金のほかにもあると聞きました。住宅を購入する際にかかる費用としてはどのようなものがあるのか教えてください。
住宅購入の諸費用は住宅価格の3%から8%程度かかります。
住宅購入にはチラシやパンフレットに載っている住宅の価格以外に様々な費用がかかります。購入する住宅やローンの種類によってさまざまですが、新築住宅で3~5%、中古住宅で5~8%程度の諸費用が必要です。具体的にどのような費用がかかるのか整理しておきましょう。
■申込金・手付金は頭金の一部です
住宅を購入するときまず払うのが申込金です。購入の意思表示と、優先順位を確保してもらえる予約金のようなお金です。金額に決まりはありませんが10万円程度が多いようです。申込金はその後、購入を取りやめても戻ってくるお金です。
申込金に対して手付金は法律上の責任が発生するお金です。売買契約の価格の1割程度が多いようです。手付金を支払った後に購入を取りやめると「手付流れ」といってそのお金は戻ってきません。200万円、300万円といった大きなお金なので、その住宅を本当に購入できるのか、資金計画を十分立ててから支払いましょう。
また、申込金と手付金は諸費用ではありません。住宅の価格の一部を前払いするお金で、頭金の一部です。住宅の引き渡しの時に申込金と手付金を差し引いた残金を支払うのが一般的です。
■住宅価格以外にかかる諸費用には何がある?
住宅の価格以外に準備しなくてはならない諸費用には、大きく住宅ローンの借り入れにかかわる費用とその他の諸費用があります。
住宅ローンにかかわる費用には印紙代、事務手数料、保証会社への保証料、抵当権の設定にかかわる登記料や司法書士への報酬などがあります。また、住宅金融支援機構の「フラット35」以外の民間の住宅ローンでは、契約者に万が一のことがあった時に保険金でローンの残額を返済する団体信用生命保険(以下団信)に加入することが必須です。団信の保険料は一般には金利に組み込まれていますが、フラット35では購入後完済まで、毎年ローン残高と残年数に応じた保険料を支払います。
こうしたローンの諸費用の金額は各金融機関によって異なりますが、3,000万円を35年で借りた場合、70万円~90万円程のところが多いようです。
ローンに関わる諸費用以外にも、売買契約書の印紙代や土地や建物の登記のための費用、司法書士への報酬、年度途中からの固定資産税の清算金などがかかります。新築マンション購入の場合は、ほかに修繕積立一時金がかかります。
また諸費用とは違いますが火災保険料や地震保険料、引っ越し代、新しい家具やカーテン代なども忘れずに準備しましょう。
■不動産屋さんを仲立ちとした購入には仲介手数料がかかります
新築マンションや分譲住宅などでは売主が直接販売をすることも多いため、仲介手数料がかからないのが一般的です。しかし、中古住宅や土地の購入など、不動産屋さんの紹介で購入する場合は仲介手数料がかかります。
仲介手数料の上限は、売買契約書の価格の3%+6万円+消費税です。たとえば、売買契約が3,000万円なら103万6,800円となります。とても大きな金額になりますので、必ず予算に入れておきましょう。
また、土地を購入して家を建てるときには家本体以外の門扉や塀、植栽などは別途費用になります。土地によっては地盤調査や補強、ガス管や水道管の整備など個別の諸費用がかかる場合もあります。
どんな住宅を購入する場合でも、諸費用を含めた見積もりをしっかりと出してもらい、納得してから契約書に印鑑を押すようにしましょう。
※上記の情報は2015年11月時点の情報のため、最新情報は各公式サイトなどでご確認ください。
ファイナンシャルプランナー 有田 美津子
暮らしや子育てにかかわるお金の疑問を分かりやすく解説します。
人生の一大イベントである住宅購入や子育てに関わるお金の知識はなかなか理解しにくいものですね。でもご安心ください。わかりにくい暮らしに関わるお金の疑問やお悩みを、2人の子供の子育てに奮闘しつつ、2回の住宅購入を経験してきた私自身の生活体験をもとに、わかりやすく解説いたします。
【URL】 | http://www.fparita.com/ |
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【経歴】 | 大学卒業後、地方銀行にて企業・個人向け融資を担当。結婚・出産を契機に7年間専業主婦として子育てに奮闘。その間にマンション購入、一戸建てへの買い替えを経験する。その後大手住宅販売会社、大手損保会社、メガバンクの住宅ローン窓口勤務を経たのち、FPの資格を取得して独立。子育て世代&シニア世代を応援する執筆やセミナーを積極的に行っている。 |
【著書】 | 「トクする住宅ローンはこう借りる」(自由国民社)、Webコラム「保険ジャーナル」、「ItMama」など執筆・監修多数 |
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