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病院の領収書の見方とは?

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先日、風邪をひいてしまい病院に掛かりました。会計の際、病院から領収書をもらったのですが、細かい用語が多くて何について書いてあるのかよくわかりません。領収書の基本的な見方を教えてください。

領収書を見ればどんな治療を受けたか医療費の明細がわかります。

■医科の領収書の見方は?

病院などの医療機関でもらう領収書は、医療機関、歯科、調剤薬局で発行される3種類です。それぞれの項目を見てみましょう。


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(1)初・再診料

初診料は、初めて医師の診察を受けたとき、再診料は、同一の疾病で2回目以降の診察を受けたときにかかる費用。


(2)入院料等

診療や看護、部屋代など入院にかかる費用。医療機関の設備や環境、病棟の看護師の人数や勤務体制、入院期間などによってさまざまです。1日単位で計算されるため、1泊の入院であっても2日分かかります。


(3)医学管理等

ウイルス疾患など特定疾病や生活習慣病等の患者さんに対し、計画的な療養管理等を行った場合の費用。


(4)在宅医療

在宅医療にかかる費用。患者宅に出向いて医師が診療・指導を行う場合や看護師などが訪問看護・指導を行う場合、在宅医療に必要な薬剤を投与した場合など。


(5)検査

血液や尿検査、心電図などの検査にかかる費用。基本的に検査の実施料と検査結果の診断料の合計ですが、検査の種類によって採血料などがかかります。


(6)画像診断

レントゲンやCT、MRIなど画像診断にかかる費用。画像の「撮影料」、撮った画像の「診断料」、「フィルム代」など。撮影部位や、画像の枚数、造影剤の使用の有無などによって、費用が異なります。


(7)投薬

薬そのものにかかる「薬剤料」、医師が薬の種類や量などを指示する「処方料」(院外薬局は「処方せん料」)、医師や薬剤師が投薬を行なう際の「調剤料」に薬剤師の技術料である「調剤基本料」が含まれます。なお、薬剤料については、先発医薬品よりも割安な後発医薬品(ジェネリック)を利用すれば、負担を軽減できます。


(8)注射

皮下注射や点滴など、注射にかかる費用。注射を打つ「技術料」と使用する「薬剤料」が含まれます。


(9)リハビリテーション

身体障害、言語障害など障害を持つ患者さんが、理学療養士や作業療養士など専門家によるリハビリテーションを受けた場合にかかる費用。病気の種類や受けた時間等によって、費用は異なります。


(10)精神科専門療法

精神科を標榜する医療機関で診療にかかる費用。心理医学療法など、精神科を標榜していない医療機関でも、専門医が診療を行った場合はこの項目に記載されます。


(11)処置

やけどや創傷の手当てのためのガーゼ交換、首や腰の牽引、電気治療などの整形外科的処置、救急処置や洗眼、歯石除去など、なんらかの処置にかかる費用。使用した薬剤料も含みます。


(12)手術

手術にかかる費用。手術をする部位と内容によって費用は異なり、使用した薬剤や輸血などの費用も含まれます。


(13)麻酔

麻酔にかかる費用。医療機関によって手術にかかわる麻酔料は手術料に含まれるところもあります。


(14)放射線治療

おもにがんの治療に対して放射線を用いた治療を行った場合にかかる費用。


(15)病理診断

病理診断(おもに患部から採取された組織の一部を顕微鏡で調べて、病変の種類や性質などを見分けるもの)にかかる費用。病理検査診断、判断料がこの項目に記載されます。


(16)診断群分類(DPC)

診断群分類(DPC)とは、診断群分類と呼ばれる区分によって決められた、入院1日単位の定額で医療費を計算する新しい方法。これに該当すると「入院基本料」「検査」「投薬」「注射」「画像診断」など、1日単位で決められた定額の費用がこの項目に記載されます。


(17)食事療養

入院中に食事が提供された場合、1食ごとに「食事療養費」がかかります。金額は、年齢や所得、肝臓食、糖尿食などの特別食が出された場合など食事内容によっても異なります。なお、領収書上でこの料金は「点」ではなく「円」で表示されます。


(18)生活療養

生活療養費療養病床に入院した65歳以上の患者さんには、食費と居住費が「生活療養費」としてかかります。


(19)評価療養

「評価療養」とは、先進医療および医薬品や医療機器の治験にかかる診療や医薬品の投与など、将来、保険適用にするかどうかの評価をされている診療のこと。「選定療養」は、本人の希望で個室に入院した場合の差額ベッド代など。


(20)その他

「その他」の部分に金額が明記されている場合で、内容が不明と思われるときは、直接、医療機関に問い合わせてみましょう。院外処方せん料が、「投薬」欄でなく、こちらに記載されている場合があります。


病院の領収書をきちんと見ている人は少ないかもしれませんが、自分の治療にどのくらい費用がかかっているのか理解することはとても大切です。領収書の内容に不明な点があれば受付など確認するようにしましょう。


ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子

著者の写真

病院・病気にかかわるお金の疑問を分かりやすく解説します。

病気は人生で避けて通ることのできないものです。病気になると身体のことは勿論、お金のことも心配になってしまいますよね。身近な問題でありながらなかなかよく分からない病気とお金の関係をメディカルファイナンスの専門家である私がわかりやすく解説いたします。皆さまの病気にまつわるお金の不安や悩み事が少しでも解消されて心安らかな人生をおくるためのお手伝いができれば幸いです。

【URL】 http://www.naoko-kuroda.com/
【経歴】 大学卒業後、SEとしてシステム開発に携わる。在職中に、自己啓発の目的でFP資格を取得し独立系FPとして転身を図る。現在は、各種セミナー・講演の講師、各種メディアでの執筆、個人相談まで多岐にわたり活躍中。
【著書】 「50代からのお金のはなし~介護、相続、実家対策まるわかり」(プレジデント社)、「がんとお金の本」(ビーケイシー)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)など多数

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