クルマの安全性はどう決まる?
「安全性の高いクルマを選びたい」これは多くの人がクルマ選びの際に考えるポイントではないかと思います。
近年は、安全性が高いとアピールしているクルマが非常に多いです。そこで、安全性の指標としてぜひ参考にしていただきたいのが、クルマの安全性を点数化した「自動車アセスメント」です。
この自動車アセスメントでの最高評価「ファイブスター賞」を獲得しているクルマは、安全性の高いクルマと言えます。
自動車アセスメント
各メーカーが販売するクルマの一部は、「自動車安全性能評価」によって車種ごとに点数が付けられています。
自動車安全性能評価とは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が一体となって運営している、自動車アセスメント事業(※)のひとつです。
自動車安全性能評価は1995年から実施・公表されており、2020年度からは以下の3項目でテストがおこなわれています。
(※)自動車アセスメント事業:自動車を客観的に分析・評価・査定する事業のこと
テスト項目 | 評価項目、内容 |
---|---|
予防安全性能 | 衝突被害軽減ブレーキ、⾞線逸脱抑制、ペダル踏み間違い時加速抑制装置性能など |
衝突安全性能 | 乗員保護性能、歩行者保護性能、シートベルト着用警報 |
事故自動緊急通報装置 | エアバッグ作動時に、自動的にコールセンターに通報するシステムの有無、内容 |
この自動車安全性能評価の点数が高いほど、安全性の高いクルマということになります。
なお、自動車アセスメント事業では、チャイルドシートにおける安全性や使用性の評価もおこなっています。
参考:独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)「自動車アセスメントのご案内」
ファイブスター賞
事故自動緊急通報装置が備えられており、予防安全性能と衝突安全性能の得点評価がともに最高評価のAランク、かつ合計得点が158.23点以上(2020~2021年は151.03点以上)だったクルマには、ファイブスター賞が与えられます。
安全性の高いクルマを選びたいという方は、以下でご紹介するファイブスター賞を獲得しているクルマのなかから選ぶのがいいでしょう。
ファイブスター賞を獲得した安全性の高いクルマランキング
では、ここからは2020~2021年度の自動車安全性能評価で、ファイブスター賞を獲得した15台のクルマをご紹介します。
【1位】スバル:レヴォーグ(186.91点)
1位は、スバルから販売されている「レヴォーグ」で、自動車安全性能評価は186.91点です。
2020年度は、190満点で採点されているため、98.3%の点数を獲得しているということになります。
レヴォーグには、スバルの誇る運転支援システムであるアイサイトが全グレードで標準搭載されており、「GT EX」と「GT-H EX」グレードにはさらに高度なアイサイトXが搭載されています。
【2位】スバル:レガシィ アウトバック(185.02点)
2位は、同じくスバルの「レガシィ アウトバック」で、185.02点を獲得しています。スバルの2車種のみが、180点台を獲得していることになります。
レガシィ アウトバックは、アメリカなどの地域で販売されていた人気モデルが、2021年から日本にも導入され販売開始となりました。
レガシィ アウトバックにもアイサイトXが搭載されており、高い安全性を誇ります。
【3位】トヨタ:ハリアー(177.68点)
3位は、トヨタから販売されているSUVの「ハリアー」で、177.68点となっています。
2020年にフルモデルチェンジして販売が開始された4代目ハリアーは、安全性も大幅に向上。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせることにより、昼夜問わず車両や歩行者の検知が可能となっています。
【4位】ホンダ:ヴェゼル(177.04点)
4位は、2022年度上半期の新車販売台数でも上位に入っているホンダ「ヴェゼル」で177.04点を獲得しています。
2021年に2代目が登場したヴェゼルは、全グレードでHonda SENSINGを標準搭載。また、ホンダの独自技術である「G-CON」という衝突を軽減する機能も搭載されています。
【5位】三菱:アウトランダーPHEV(176.77点)
5位は、三菱の「アウトランダーPHEV」で、176.77点となっています。
アウトランダーPHEVは、全方位からの衝突安全性が高いRISEというボディを採用し、7つのエアバッグが全車に標準されています。
予防安全性能としては、衝突被害を軽減するための機能など9種類をまとめた「e-Assist」を全車標準装備することで、高い評価を得ました。
【6位】日産:ノート/ノートオーラ(176.73点)
6位は、日産の独自技術であるe-POWER専用車両の「ノート/ノートオーラ」で、176.73点です。
360°セーフティアシストとして、周辺の車両や歩行者をすぐに検知、危険な場合にはブレーキが自動的に作動。後退時(バック)にも車両を検知するなど、常に高い安全性を誇ります。
【7位】日産:ルークス/ルークス ハイウェイスター(176.54点)
7位は、日産の「ルークス/ルークス ハイウェイスター」の176.54点で、軽自動車としては最高得点を獲得しています。
ルークスは、軽自動車ということで衝突安全性能では上位のクルマよりは若干劣りますが、予防安全性能では満点を獲得。自車からは視認できない車両の急減速を検知できるなど、高い安全性能となっています。
【8位】日産:デイズ/デイズ ハイウェイスター(175.72点)
8位も日産から、「デイズ/デイズ ハイウェイスター」が175.72点で選ばれています。
デイズ/デイズ ハイウェイスターは軽自動車ながらも、ランキング上位の車種などより衝突安全性能で高い点数を獲得しています。
【9位】トヨタ:ヤリスクロス(175.70点)
9位は、13位にランキングしているトヨタ「ヤリス」のSUVモデル「ヤリスクロス」で、175.70点です。
交差点を右折時に直進してくる対向車や歩行者を検知、衝突回避や被害軽減をサポートする「プリクラッシュセーフティ」などを搭載しています。
【10位】ホンダ:フィット(174.40点)
10位は、2022年上半期の新車販売台数でトップ10入りしているホンダのフィットで、174.40点を獲得しています。
従来のHonda SENSINGに加えて、急発進や急加速を抑制するディーラーオプションなども用意されています。
【11位】トヨタ:カローラ/カローラ ツーリング(173.81点)
11位は、2022年上半期の新車販売台数2位の「カローラ/カローラ ツーリング」で、173.81点です。
運転中だけではなく、降車時に後方から自転車を含む車両が接近した際に、ブザーやインジケーターを点滅させて乗員に告知する機能が搭載されています。
【12位】トヨタ:アクア(173.79点)
12位は、トヨタの人気コンパクトカー「アクア」で、173.79点を獲得しています。
苦手な方の多い駐車をサポートする「トヨタチームメイト アドバンストパーク」が搭載されており、駐車位置の横に停車してスイッチを押すと、あとはクルマにおまかせで駐車を完了することができます。
【13位】トヨタ:ヤリス(173.41点)
13位は、2022年上半期の新車販売台数で堂々の1位を獲得したトヨタ「ヤリス」の173.41点です。
ヤリスは、もともとトヨタの人気車種だったヴィッツの後継車種(欧州名で統一)で、その人気をさらに伸ばしています。トヨタで初めて交差点内での車両や歩行者との衝突の危険を検知するサポートシステムを搭載しています。
【14位】日産:キックス(172.31点)
14位は、日産の人気SUV「キックス」で、172.31点となっています。
コンパクトSUVでは初めて2台前の車両を検知して注意喚起をする「インテリジェント FCW」を搭載し、ブレーキの踏み遅れを回避します。
【15位】マツダ:CX-30(167.07点)
15位は、マツダから唯一ランクインした「CX-30」で、167.07点を獲得しています。
安全装備はもちろんのこと、ドライビングポジションや運転席周辺のレイアウトを最適化することにより、運転に集中できる環境を作り上げています。
安全性能の高いクルマで安心ドライブを
クルマの安全性は、快適な運転と同乗者を含めた全員の安心にも繋がります。
クルマを購入する際には、この記事でご紹介したファイブスター賞を獲得している安全性の高いクルマを検討してみてはいかがでしょうか。