ファミリーカーの選び方のポイント
まずは、ファミリーカーの選び方のポイントから見ていきます。
家族構成やお住まいの地域など、環境条件によって最適なクルマは変わってきますが、以下の4つのポイントは抑えておきましょう。
家族の人数と最大乗車定員
まずファミリーカーを選ぶうえで最初に考えるべきは、家族の人数とクルマの最大乗車定員です。
一般的な乗用車であれば、2~8人の間で、最大乗車定員が決まっています。この最大乗車定員が、家族の人数以上のクルマでなければ、家族全員が乗ることができません。
また、子供がチャイルドシートを着用しなければいけない場合は、定員に1人以上の余裕があるクルマを選ぶと、車内空間を広く快適に保てます。
荷室容量(トランクルームの広さ)
ファミリーカーを選ぶ2つ目のポイントが、トランクルームの広さです。
ベビーカーやアウトドア用品など、大きな荷物を載せる予定がある場合、クルマの後方にあるトランクルームの広さは重要なポイントになります。
トランクルームの広さは、「荷室容量」としてリットルで計算されます。実際に載せる予定の荷物をイメージして、どの程度の広さが必要なのか計算してみましょう。
目安として、一般的なベビーカーを折りたたんだときのサイズは、高さ80~100cm、横幅50cm程度です。利用している製品のサイズを測ってみて、どの程度の広さが必要なのか調べてみてください。
運転支援システム・安全性能
3つ目のポイントが、近年急速に進化している運転支援システムや安全性能です。
運転支援システムや安全性能とは、ドライバーの運転操作をクルマが支援・補助するシステム、または性能のことです。具体的には、「アダプティブクルーズコントロール(※1)」や「衝突被害軽減制動制御装置(※2)」などがあります。
(※1)先行車両がいる場合は安全な距離を維持して、自動的にスピードを調整する機能
(※2)カメラやレーダーにより衝突や追突の危険を感知すると、ドライバーに警告をおこなったり自動的にブレーキがかかったりする装置
長距離を運転する際には、前方車両との距離を一定に保ってくれる機能や、車線をキープしてくれる機能があると、運転が非常に楽になります。
また、障害物との衝突を自動ブレーキで回避・被害を軽減してくれる機能や、アクセルとブレーキの踏み間違いを抑制してくれる機能は、自身や家族の安全を守ってくれます。
運転支援システムや安全性能が搭載されているクルマは、車両価格が高くなる傾向にありますが、快適な運転・家族の安全を守るためには、検討したいポイントです。
車両価格・維持費
そして最後のポイントが、車両価格と維持費です。
ここまでご紹介してきた選び方のポイントを考慮したうえで、予算内で購入できるクルマを探しましょう。
なお、クルマ本体のみの価格である「車両価格」と、カーナビやドライブレコーダーなどのオプション、税金などをすべて含んだ「支払総額」は別物なので注意が必要です。
また、毎年かかる重量税やガソリン代に影響する燃費性能など、維持費がどの程度かかるのかも購入前に計算しておきたいポイントになります。
ファミリーカーの定番「ミニバン・SUV・軽ワゴン」を比較
では、本題であるファミリーカーの定番「ミニバン・SUV・軽ワゴン」の比較をしていきます。
それぞれのメリット・デメリットと、2022年度上半期(4~9月)の新車販売台数が多い2車種もあわせてご紹介します。
ミニバン
メリット |
・最大乗車定員が6~8人と多い ・乗車人数が多くてもゆったり空間が保てる ・シートアレンジが豊富 |
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デメリット |
・車体が大きい ・燃費があまり良くない ・高さ制限のある駐車場に入れないことがある |
ミニバンのメリットは、やはり最大乗車定員が少なくとも6人、多いと8人まで乗ることのできる車内の広さです。3列シートでも足元にゆとりがあるため、大人数での長距離移動も快適性を保てます。
また、トランクルームも広いので、たくさんの荷物を積むことも可能です。オールマイティーなファミリーカーといえるでしょう。
デメリットとしては、車体が大きいため小回りが利きにくいことや、高さ制限のある駐車場には入れないことがあるといった点が挙げられます。
ミニバンの人気車種
・フリード(ホンダ)
・ノア(トヨタ)
SUV
メリット |
・悪路の走破性やボディの剛性が高い ・3列シートのSUVもある ・人気が高く中古車でも高く売れる |
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デメリット |
・車両価格が高め ・乗車人数が多いと車内空間が狭くなる ・車高が高く乗り降りしづらい |
近年、非常に人気が高まっているSUVのメリットは、悪路の走破性やボディの剛性が高いことから、アウトドアに最適ということ。キャンプやスポーツなど、アクティブにお出かけする家族にぴったりです。
また、3列シートタイプのSUVもあるので、7~8人まで乗車することも車種によっては可能です。
デメリットとしては、車両価格が高いことやミニバンと比べて車内空間が狭いこと、車高が高いので子供や高齢者は乗り降りしづらいことなどが挙げられます。
SUVの人気車種
・ライズ(トヨタ)
・ヴェゼル(ホンダ)
軽ワゴン
メリット |
・車両価格、維持費が安い ・車体が小さく運転しやすい ・荷室容量が広い |
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デメリット |
・最大乗車定員が4人まで ・車内空間が狭い ・普通車よりも安全性能が劣る |
軽ワゴンは、ミニバンやSUVと比べて車両価格や維持費が安いため、お手頃な予算で購入できるのが大きなメリットです。車体が小さいため、小回りが利いて運転しやすいのも特徴といえるでしょう。
スライドドア付きのいわゆるスーパーハイトワゴンなら、子供の乗り降りも簡単で、ファミリーカーとして十分に活躍してくれます。
デメリットとしては、軽自動車のため最大乗車定員は4人までということ。大人2人と12歳未満の子供3人であれば5人でも乗車できますが、2列目の中央にはシートベルトが無く、安全を確保できないため、基本的には子供も含めて4人までと考えましょう。
軽ワゴンの人気車種
・N-BOX(ホンダ)
・スペーシア(スズキ)
ファミリーカーは購入前に実際に家族で乗って決めよう!
このコラムでは、ファミリーカーとして定番のボディタイプである「ミニバン・SUV・軽ワゴン」を家族目線で比較し、メリット・デメリットをご紹介しました。
同じボディタイプであっても、自動車メーカーや車種によって運転のしやすさや車内空間は大きく異なります。そのため、ファミリーカーの購入を検討する際に、複数の車種を実際に家族全員で乗れる機会があると良いですよね。
実際にクルマに乗るにはディーラーでの試乗が一般的ですが、最近はカーシェアで気になるクルマを試乗してみる人も増えています。
気になるクルマは、家族で乗ってみて実際にお出かけしてみることをおすすめします。