自動車の譲渡証明書とは?
自動車の譲渡証明書とは、中古車ディーラーで車を購入したときや個人間で車を売買もしくは譲渡したときに、前の所有者から新しい所有者に譲渡が行われたことを示す書類です。盗難に遭った車の名義が勝手に変更されないように、この書類がないと、車の名義変更ができない仕組みになっています。この記事では譲渡証明書の書き方、入手方法やその他の必要な書類について解説していきます。
譲渡証明書の内容と記入例
譲渡証明書の内容は難しいものではありません。車について必要な事項は「車名」、「型式」、「車台番号」、「原動機の型式」の4つです。例にもあるように、すべて車検証に表示されているので、間違えのないように記入しましょう。
また、譲渡年月日、譲渡人および譲受人の氏名また名称および住所を記入します。譲渡人のみ印鑑の押印が必要なので、忘れないようにしましょう。
譲渡証明書の雛形をダウンロードする方法
譲渡証明書は国土交通省や地方の陸運局、運輸支局のホームページからダウンロードすることができます。様式が定められていますので、正しいものを使うようにしましょう。
参考:国土交通省HP
自動車を譲渡する際に必要な譲渡証明書以外の書類
譲渡証明書以外にも自動車を譲渡する際に必要な書類があります。
譲渡人、譲受人および使用者で必要な書類がそれぞれ異なりますが、ここでは一般的に最低限必要な書類を4つほど挙げておきます。また代理人には委任状も必要となります。
申請書
申請書とは、正式には自動車検査証変更記録申請書といい、車検証の記載事項を変更する場合に用いられます。様式が定められており、国土交通省のホームページからダウンロードすることができます。
申請書はOCRという独特の様式なので、手書きで記入する際は、気をつけましょう。電子機器で読み取りを行うため、はみ出したり、乱雑な字であったりすると読み取りができない場合もあります。
国土交通省のホームページまた国土交通省が運営する「自動車検査登録総合ポータルサイト」では、簡単な操作で申請書のPDFを作成することができます。特に自動車検査登録総合ポータルサイトでは、記入例も豊富に用意されており、悩むことなく申請書が作成できます。変更の登録を行うためには申請書や車検証などの必要書類をもって、管轄の運輸支局に申請に行きます。
なお、管轄の運輸支局は使用の本拠の位置で決まります。駐車場を借りている場合は、自宅の住所の管轄運輸支局ではなく、駐車場の住所を管轄する運輸支局へ書類を提出する必要がありますので、よく確認しておきましょう。
印鑑証明書
印鑑証明書とは、印鑑の印影が登録した人のものであることを証明する書類です。印鑑証明書には、登録された印影や本人の名前、住所、性別、生年月日などが記載されています。登録された印鑑を実印と呼び、契約などを行う際に、本人が行った行為であることを証明するものの一つです。
15歳以上の人であれば、住所のある市区町村に1人1つの印鑑を登録できます。登録できる印鑑は、印影が一辺の長さ8mmの正方形に収まらず、一辺の長さ25mmの正方形に収まる大きさである必要があります。
また、ゴム印やスタンプ印など変形しやすい素材のものは使えません。印鑑登録をするためには、印鑑登録申請書と印鑑、本人確認書類を持っていけば即日に印鑑が登録されて、印鑑登録証をもらうことができます。なお代理人に依頼することも可能ですが、1週間程度時間がかかるので注意しましょう。
印鑑証明書は印鑑登録証と印鑑登録証明書交付申請書を市区町村の窓口に申請すれば交付してもらえます。またマイナンバーカードを持っていれば、コンビニでも印鑑証明書は取得可能です。
車検証
車検証とは、正式には自動車検査証といい、その自動車が保安基準に適合していることを証明する書類です。新車であれば3年、それ以降は2年の期限があり、車検の切れた自動車が公道を走ると道路運送車両法の違反になります。
車検の有効期間は車検証に書いてありますし、フロントガラスに張られている検査標章でも確認することができます。車検証には自動車のメーカーや大きさ、排気量などの自動車に関する情報と、所有者や使用者の情報が記載されいます。
また2023年1月からは、ICタグが組み込まれた新しい車検証が発行されていて、所有者や使用者に関する情報は、ICタグでしか読み取れなくなりました。車検証は新車購入時や車検更新時に新しく交付されますが、その後に所有者や使用者、使用の本拠などが変更になると、移転登録が行われて、新しい車検証が交付されることになります。車検証は自動車に搭載しておく義務がありますので、万が一紛失した場合には、再交付を受けなくてはなりません。
車庫証明書
車庫証明書は正式には自動車保管場所証明書といい、自宅敷地内や駐車場など自動車を保管する場所が確保されていることを証明する書類です。車庫証明は車を保管する場所の管轄警察署に申請する必要があります。もし駐車スペースが自宅になく、駐車場を借りる場合には、警察の管轄が違わないか、気を付ける必要があります。
書庫証明書を取得するための必要書類は、書庫証明申請書、書庫の所在図・配置図が必須です。また、自宅スペースを車庫として使用する場合には保管場所使用権原疎明書を提出します。
一方、駐車場などを借りる場合には、保管場所使用承諾証明書を駐車場のオーナーに記入してもらう必要があります。保管場所のスペースが自動車の大きさと合わない場合には許可がおりませんので、事前に確認しておきましょう。上記資料を手数料と共に警察署窓口に提出すれば、通常4日から1週間程度で審査が完了します。受領証を持参し、標章代を支払えば、車庫証明書を取得できます。
譲渡証明書に関するQ&A
譲渡証明書に関するよくある疑問についてご紹介しますので、参考にしてみてください。
譲渡証明書はパソコンなどで作成しても良いのか?
譲渡証明書は、手書きであってもパソコンなどを使っても問題ありません。ただし譲渡があったことを示す大切な書類ですので、手書きの場合は他人が見て読みやすいように、楷書で丁寧に書きましょう。
また、鉛筆やシャープペンシルなど、消せる筆記具は不可です。同様に消せるボールペンも不可です。字を書くのが苦手な人は、パソコンなどを使って作成しましょう。
もらった譲渡証明書に間違いを発見!どうしたらいい?
もし譲渡証明書に間違いを見つけたら、譲渡人に再度作り直してもらいましょう。訂正は譲渡人の実印を用いて行うこともできますが、正しい方法で訂正しないと、訂正が認められないことがあります。
したがって譲渡証明書をもらったら、まず間違いがないか、よく確認するようにしましょう。また自分で直すことは絶対にしないでください。
必ず自分で書類を用意しなければならない?
個人間で自動車を売買したり、譲り受けたりした場合には、必要書類は自分達で用意する必要があります。もし中古車ディーラーで購入したり、売却したりする場合には、中古車ディーラーが書類を用意してくれるので、手間はかなり減ります。
ただしすべてディーラーに任せると手数料が高くなる可能性もあるので、印鑑証明書など取りやすい書類は自分で準備するようにしましょう。
名義変更を代理人に依頼できる?
役所や警察、陸運支局などに自分で行くことができない場合には、代理人に依頼することもできます。役所に提出する書類であれば、行政書士も書類作成を手伝ってくれます。また窓口毎に代理人で申請する場合の書類が異なりますので、どのような書類が必要か、自分で調べたり、代理人に聞いたりしましょう。
代理人に手続きを依頼する場合には、それぞれの窓口で委任状が必要となります。
バイクや軽自動車でも譲渡証明書は必要?
バイクや軽自動車の場合でも譲渡証明書は必要です。軽自動車の中古車を購入する場合には、印鑑証明書ではなく、住民票が必要となります。またバイクに関しては排気量によって必要となる書類が異なりますので、何の書類が必要か良く調べましょう。
251㏄以上のバイクは自動車と同じですが、125㏄以下であれば、標識交付証明書、126㏄以上であれば、軽自動車届出済証が必要となります。
費用はどのくらいかかる?
自動車の移転登録やその他の手続、書類などの一般的な費用は以下の通りです。
費用名 | 金額 |
---|---|
登録手数料 | 全国一律500円 |
ナンバープレート交付手数料 | 概ね2,000円程度 ナンバープレートの変更が必要な場合 地域によって異なる |
自動車税環境性能割 | 車種、原動機などの種類によって異なる |
印鑑証明書 | 300円~400円 市町村により異なる 印鑑登録の手数料は300円~500円 |
書庫証明書 | 申請手数料2,000円~2,300円 標章代500円~600円 |
まとめ
中古自動車を中古車ディーラーから購入したり、個人間で売買もしくは譲渡をしたりした場合には、譲渡証明書が必要となります。もし譲渡証明書がなければ、所有者の変更ができません。また譲渡証明書以外にも必要な書類が多くありますので、自分で準備する場合には、しっかりと確認しておく必要があります。
中古車ディーラーを通じて購入すれば、自分で用意する書類は少なくて済みます。そして自動車を保有すれば、自賠責保険だけではなく任意保険も必要ですので、忘れずに準備しましょう。
※この記事は2025年3月時点の情報です。
執筆者プロフィール
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