そもそもナンバープレートの役割とは?
ナンバープレートは、車両を識別するための「登録番号」を表示するもので、公道を走るすべての車に取り付けが義務付けられています。主な役割は 「車両の識別」 と 「所有者情報の管理」 です。
ナンバープレートの番号をもとに、どの地域で登録された車か、どの分類の車か(自家用・営業用など)を判別できるようになっています。また、交通違反や事故の際に車両を特定したり、不正な車両の取締りを行ったりするためにも活用されます。ナンバープレートは、車の安全管理や公道の秩序を保つために欠かせない制度となっています。
ナンバープレートの種類
ナンバープレートにはいくつかの種類があり、それぞれの用途やデザインによって分類されています。一般的なものから特別な目的で使用されるものまで、ナンバープレートの特徴を詳しく解説します。
1.一般ナンバー

一般ナンバーとは、車を登録する際に自動的に割り当てられる標準的なナンバープレートです。自家用車、営業用車、軽自動車などの車両区分ごとに異なるデザインが用いられ、ナンバーの地名部分(地域名)によってどの運輸支局や事務所で登録された車かが分かるようになっています。
また、ナンバープレートの色や文字の種類も用途によって異なります。例えば、以下の通りです。
- 自家用車(普通車・軽自動車)
白地に緑の文字(普通車)、黄色地に黒の文字(軽自動車) - 事業用車(タクシー・バス・トラックなど)
緑地に白の文字(普通車)、黒地に黄色の文字(軽自動車)
このように、道路上で車両の用途が一目で識別できるようになっています。
2.希望ナンバー

希望ナンバーは、車の登録時に好きな番号を選ぶことができる制度です。一般的なナンバープレートはランダムに割り当てられますが、希望ナンバー制度を利用することで、自分の好きな数字(4桁の部分)を指定することができます。
なお、希望ナンバーを取得するためには、所定の手続きと手数料が必要です。手数料は通常に比べて高くなることが一般的です。
例えば、誕生日や記念日、縁起の良い数字(777など)を選ぶ人が多く、個性を反映させたナンバープレートにすることが可能です。ただし、一部の人気のある番号(1・777・8888など)は抽選制となっており、希望しても取得できない場合があります。
3.図版ナンバー

図版ナンバー(ご当地ナンバーや特別仕様ナンバーとも呼ばれる)は、地域振興や特別なイベントを記念して発行されるナンバープレートで、デザインにイラストや模様が入っているのが特徴です。
以下が代表的なものです。
- ご当地ナンバー
- ラグビーワールドカップ記念ナンバー(2019年)
- 東京オリンピック・パラリンピック記念ナンバー(2020年)
図版ナンバーは、通常のナンバープレートと同じく登録時に申請することで取得できますが、デザインにカラーが含まれるものは手数料が高くなることが一般的です。
4.特殊なナンバープレート

特殊なナンバープレートには、特定の用途や車両にのみ発行されるものがあります。以下がその例です。
- 外交官ナンバー
駐日外国公館や外交官が使用する車両には、通常のナンバープレートとは異なる「外交官ナンバー」が付けられます。青地に白文字のデザインで、「外」「代」「領」といった、特定の記号が含まれているのが特徴です。 - 自衛隊車両のナンバー
自衛隊の車両には、通常のナンバープレートではなく「防衛省・自衛隊独自の番号」が付けられます。一般のナンバープレートとは異なる管理がされており、公道を走る場合でも専用の識別番号が使われます。 - 仮ナンバー(臨時運行許可番号標)
車検切れの車両を一時的に公道で運行する場合などに交付されるナンバープレートで、通常のプレートとは異なる赤い斜線が入っています。短期間の使用を前提としているため、一定の期限が過ぎると無効になります。 - オリンピックや国際イベント用ナンバー
国際イベントの際に、一時的に特別なナンバープレートが発行されることがあります。例えば、オリンピックの際には、選手や大会関係者の車両に特別なナンバーが付与されることがあります。
ナンバープレートの見方
ナンバープレートには、車両の登録情報を示すさまざまな要素が含まれています。一見すると単なる数字や文字の羅列に見えますが、実はそれぞれに意味があり、車の種類や用途を判断することができます。
ここでは、ナンバープレートの見方について詳しく解説します。
①地名
ナンバープレートの左上に表示されている地名は、「使用の本拠の位置」を管轄している「運輸支局または自動車検査登録事務所」の管轄を示しています。その車がどの地域で登録されたかを表しており、例えば「品川」「横浜」「名古屋」「大阪」など、全国各地の名称が使われています。
また、上記以外で「ご当地ナンバー」と呼ばれる地域独自のナンバーもあり、特定の地域振興を目的として導入されています。たとえば、「富士山」「湘南」「奄美」「飛騨」などがその例です。
②分類番号
地名の右側にある3桁または4桁の数字が「分類番号」と呼ばれる部分で、車の種類や用途を分類するための番号になっています。車両の用途や排気量・積載量などによって決められており、特に最初の1桁目が車種を識別する重要な役割を持っています。
分類番号の一桁目の詳細
分類番号の一桁目を見ることで、大まかな車両の種別を知ることができます。例えば、以下のように分類されています。
普通 | 貨物自動車 | 1,10~19,100~199 |
---|---|---|
乗合自動車 | 2,20~29,200~29 | |
乗用自動車 | 3,30~39,300~399 | |
小型 | 貨物自動車 | 4,40~49,400~499 |
6,60~69 | ||
乗用自動車 | 5,50~59,500~599 | |
7,70~79 | ||
特種用途自動車 | 8,80~89,800~899 | |
大型特殊自動車 | 9,90~99,90~999 | |
大型特殊自動車のうち建設機械 | 0,00~09,000~099 |
この分類によって、ナンバープレートを見るだけで、その車がどのカテゴリに属するのかを判断することができます。
③ひらがな
ナンバープレートに記載されている「ひらがな」は、その車両の用途や種類を示しています。
分類番号の横に配置されているひらがなを見ることで、その車が自家用なのか営業用なのか、レンタカーなのかを判別することができます。詳しくは以下の通りです。
ナンバープレートに使われるひらがな・用途
ナンバープレートに記載される「ひらがな」は、車両の用途を示しています。主な分類は以下の通りです。
事業用 | あいうえかきくけこを |
---|---|
自家用 | さすせそたちつてとなにぬねの |
はひふほまみむめもやゆらりるろ | |
貸渡(レンタカー)用 | れわ |
駐留軍人・軍属私用等 | EHKMTYよ |
使用されない文字 | おしへゐゑん |
なお、「お・し・へ・ん」などの文字は、視認性の問題などで使用されていません。
④一連指定番号
一連指定番号は、ナンバープレートの中で最も大きく表示されている4桁の数字部分です。
この番号は、車両ごとに異なる識別番号として自動的に割り当てられますが、「希望ナンバー制度」を利用すれば、自分の好きな番号(例:7777・1234・8888など)を選ぶことも可能です。
特に人気のある番号は抽選制となることがあります。
⑤その他の要素
ナンバープレートには、番号や文字以外にも、色やデザインによって車両の用途や種類を識別できる要素があります。
ナンバープレートの色と車種
ナンバープレートの背景色と文字色の組み合わせによって、車の用途がひと目で分かるようになっています。
組み合わせ | 特徴 |
---|---|
白地に緑文字 | 自家用普通車(一般的な乗用車)や商用車(消防車や救急車) |
緑地に白文字 | 事業用の普通自動車 (タクシーや引越し業車のトラック、路線バスなど) |
黄色地に黒文字 | 自家用または商用の軽自動車 |
黒地に黄色文字 | 事業用の軽自動車 |
青地に白文字 | 駐在外国公館用車(外交官ナンバー) |
赤枠付き白地に黒文字 | 仮ナンバー(車検切れや未登録車の一時運行用) |
ナンバープレートの色を見るだけで、その車が自家用か事業用か、普通車か軽自動車かなどを識別することができます。
まとめ
ナンバープレートには、色や数字、ひらがななどさまざまな要素が含まれており、車の用途や種類を識別する役割を果たしています。また、数字やひらがなにもルールがあり、分類番号の一桁目は車種を、ひらがなは用途を示します。
ナンバープレートの見方を理解することで、車に関する知識が深まるようになります。これを機に、自分の車や周囲のナンバープレートをチェックしてみるのも面白いかもしれません。
執筆者プロフィール
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