交通事故証明書とは?

交通事故証明書は、交通事故が発生した事実を公的に証明する書類で、自動車安全運転センターが発行します。申請者は、加害者・被害者を問いません。

この証明書には、事故日時・場所、当事者の氏名・住所、生年月日、車両情報(車種・車両番号)、事故の類型(追突、出会い頭など)、自賠責保険の情報などが記載されます。交通事故証明書によって、「いつ」「どこで」「誰が」「どのような状況で」事故を起こしたのかがわかります。

また、交通事故証明書は、自賠責保険や任意保険の保険金請求時に必要となる書類でもあります。さらに、示談交渉や裁判手続きで事故の事実を証明する際にも使用されます。ただし、この証明書には過失割合や損害の程度などは記載されておらず、あくまで事故発生の事実を裏付けるものです。

発行には、警察への事故届出が前提条件となります。届出がない場合、証明書は発行されません。また、発行期限があり、人身事故は事故発生から5年、物損事故の場合は3年以内に申請する必要があります。なお、保険会社が取得してくれるケースがほとんどで、自身で取得することはほぼありません。

交通事故証明書の記入見本

自動車安全運転センターが公開している、交通事故証明書の記入見本は以下の通りです。

自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」
出典:自動車安全運転センター「交通事故に関する証明書」

交通事故証明書は原則として保険会社が取得代行するケースがほとんどですが、自身で取得することも可能です。取得方法については後述します。

 

交通事故は警察に連絡・報告することが義務付けられている

交通事故が発生した場合、運転者には道路交通法第72条に基づき、警察への連絡・報告が義務付けられています。人身事故だけでなく、物損事故の場合でも適用されます。事故の大小にかかわらず、速やかに110番通報を行い、事故の日時や場所、当事者情報、被害状況などを報告する必要があります。

連絡・報告を怠ると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が課される場合があります。また、警察への連絡・報告がないと、交通事故証明書が発行されず、保険金の請求などに支障をきたす恐れがあります。

なお、事故現場で相手から「警察には届けないでほしい」と頼まれるケースもありますが、このような場合でも法律に従い必ず届け出を行うべきです。警察への報告がなければ、後々トラブルになる可能性もあります。

交通事故証明書は後日の発行が可能?

交通事故証明書は、事故発生時に警察への連絡・報告が行われていれば発行可能ですが、何らかの理由でその場で報告ができなかった場合でも、後日警察に事故の届け出を行うことで発行できます。ただし、後日届け出をする際には注意点があります。

まず、時間が経過するほど事故現場の痕跡が薄れたり、証拠が失われたりする可能性があります。そのため、可能な限り早急に警察に連絡・報告することをおすすめします。

後日、交通事故証明書を発行する際には、相手方の氏名や住所、連絡先といった情報、事故発生場所などを正確に把握しておく必要があります。なお、交通事故証明書には発行期限があります。

人身事故の場合は事故発生から5年以内、物損事故の場合は3年以内に申請する必要があります。期限を過ぎると証明書の発行ができなくなるため、注意してください。

 

交通事故証明書の取得方法

交通事故証明書は、自動車安全運転センターが発行する書類で、ご自身で取得する場合、以下の3つの方法で申請することができます。いずれの方法でも、1通あたり800円の交付手数料が必要となります。

①交通事故安全センター

交通事故証明書は、全国の自動車安全運転センター窓口で申請できます。申請用紙に必要事項を記入し、手数料800円を添えて提出することで、即日発行が可能です(警察から事故情報が届いている場合)。ただし、他府県で発生した事故の場合は後日郵送となるため、即日受け取りはできません。

郵送での受け取りも可能ですが、その場合は申請から10日程度かかることがあります。また、委任状があれば代理人による申請も可能です。

②ゆうちょ銀行

交通事故証明書は、最寄りのゆうちょ銀行または郵便局でも申請できます。警察署や交番で取得した申込用紙に必要事項を記入し、手数料800円と払込手数料を添えて窓口またはATMで手続きします。

申請後、証明書は郵送されるため、手元に届くまで10日程度かかります。郵便振替を利用する場合、通信欄に郵送先住所を記載することで、自宅など指定の場所へ送付されます。

③インターネット申請

交通事故証明書は、自動車安全運転センターの公式サイトからインターネットで申請することも可能です。この方法は、申請者本人のみ利用でき、現住所が運転免許証に登録されている住所と一致している必要があります。必要事項を入力後、コンビニやネットバンキングで交付手数料800円と払込手数料132円を支払い、10日程度で郵送されます。なお、金融機関からの払込の際は、各金融機関が定める費用も申請者負担となります。

インターネット申請は24時間対応しており、忙しい方や窓口に行く時間がない方に便利です。ただし、代理人による申請や住所変更がある場合には利用できないため注意してください。

交通事故証明書に関するQ&A

交通事故証明書は、事故の発生を公的に証明する書類です。以下では、よくある質問とその回答を解説します。

交通事故証明書が発行されないケースは?

交通事故証明書が発行されない主なケースは以下の3つが考えられます。

● 警察への連絡・報告がない場合
● 私有地や駐車場など公道以外での事故
● 発行期限を過ぎた場合(人身事故は5年、物損事故は3年)

交通事故証明書を代理人が申請することは可能?

交通事故証明書は代理人による申請も可能です。ただし、その際には申請者本人からの委任状が必要となります。また、代理人自身の本人確認書類(運転免許証など)も提出が求められます。

申請は自動車安全運転センターの窓口で行い、手続き後、証明書は指定された住所に郵送されます。ただし、インターネット申請の場合は代理人による手続きはできず、本人のみ利用可能です。代理人を立てる場合は事前に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

交通事故証明書がなくても保険金請求はできる?

基本的には、保険金を請求する際は交通事故証明書が必要です。

事故後すぐに警察へ届け出て証明書を取得しておくことが最善ですが、取得できない場合は早めに保険会社へ相談するようにしましょう。

まとめ

本記事では、証明書の概要や取得方法、注意点について詳しく解説しました。交通事故証明書は、事故の事実を公的に証明する重要な書類であり、保険金請求や示談交渉に欠かせません。事故発生時には警察への届出を忘れずに行いましょう。

※この記事は2025年2月時点の情報です。

執筆者プロフィール

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