スピード違反(速度違反)とは?道路交通法上の定義について
スピード違反(速度違反)とは、道路交通法に定められた「法定速度」や「指定速度」を超えて走行する違反行為のことです。
道路交通法では、標識のない一般道の法定速度を60km/h、高速道路を100km/h(※一部区間を除く)と規定しています。また、標識や道路管理者によって制限速度が指定される場合(指定速度)があり、その場合は標識の速度制限が優先されます。
スピード違反は違反速度に応じて行政処分(違反点数・反則金)や刑事罰の対象となり、特に30km/h以上(高速道路では40km/h以上)超過すると、免許停止や罰金、場合によっては懲役刑となる可能性があります。
法定速度と指定速度の違いは?
「法定速度」とは、道路交通法で定められた基本的な最高速度のことです。例えば、一般道では60km/h、高速道路では100km/h(※一部区間を除く)と決められています。標識がない場合はこの速度が適用されます。
一方、「指定速度」は、標識や道路の状況に応じて特別に設定された速度を指します。例えば、市街地やスクールゾーンで「40km/h」などの制限がある場合、法定速度ではなく標識の速度が優先されます。
つまり、標識がある場合は「指定速度」に従い、標識がない場合は「法定速度」が適用されるというのが基本ルールです。
スピード違反(速度違反)は前科になる?
スピード違反が前科になるかどうかは、その違反の内容や処理方法によって異なります。軽微な速度超過の場合は反則金を支払い、違反点数が加算されるだけで、前科にはなりません。しかし、大幅な速度超過や悪質な運転による違反は「交通犯罪」として扱われ、刑事罰の対象となる可能性があります。
例えば、最高速度を一般道路で30km/h以上、高速道路では40km/h以上超過した場合、罰金刑や懲役刑が科されます。このような刑事罰を受けた場合は、前科が記録されます。
スピード違反(速度違反)の違反点数について
一般道路と高速道路では、時速30km未満の速度超過に対して共通の違反点数が定められています。例えば、時速20km未満の超過で違反点数1点、時速20km以上25km未満の超過で違反点数2点、時速25km以上30km未満の超過で違反点数3点が科されます。
一方で、一般道路で時速30km以上速度超過した場合と、高速道路で時速40km以上速度超過した場合は、重大な交通違反とみなされます。
具体的には、一般道路の場合、時速30km以上50km未満の超過で違反点数6点、時速50km以上の超過で違反点数12点が科されます。一方、高速道路の場合は、時速40km以上50km未満の超過で6点、50㎞以上の超過で12点が科されます。
速度超過は、たとえ軽微なものであっても、違反行為であることに変わりはありません。そして、重大な速度超過は、事故のリスクを著しく高め、場合によっては、自身や同乗者、そして周囲の人々の命を危険にさらすことにもつながります。違反点数の仕組みをしっかりと理解し、常に法定速度・指定速度を守った安全運転を心がけましょう。
スピード違反で一発免停・一発免許取消しになるケース・条件
スピード違反は、重大な違反内容に該当する場合、一回の違反で免許停止や免許取消しとなる可能性があります。この判断は、超過した速度や違反時の状況によって決まります。
一発免停となるのは、一般道路で30km/h、高速道路で40km/hを超える法定速度違反が該当します。この場合、違反点数が6点以上加算され、この違反で、最低30日間の免許停止となります。
一方、速度超過が50km/hを超えると、前歴がある場合は一回の違反で免許を取り消されることがあります。このような違反は、交通の安全を著しく損なう行為と見なされ、違反点数が12点(※酒気帯びを除く)となります。さらに、重大な事故を伴う場合や悪質な運転があった場合には、刑事処分が追加されることもあります。
特に、高速道路や通学路など、安全性が厳しく求められる道路での速度超過は、重い処分を受ける可能性が高まります。
スピード違反(速度違反)の反則金・罰金はいくら?
スピード違反(速度違反)の罰則は、どれだけ速度を超過したかによって変わります。違反が30km/h未満(高速道路では40km/h未満)の場合は反則金が科され、それ以上になると刑事罰として罰金や免許停止の対象となります。
まず、30km/h未満の超過は、反則金として9,000円~18,000円程度が課されます。例えば、15km/h以上20km/h未満なら12,000円、25km/h以上30km/h未満なら18,000円と、超過幅が大きくなるほど金額も上がります。
一方、30km/h以上(高速道路では40km/h以上)の超過は、刑事罰の対象となり、6万円~10万円の罰金が科されることがあります。この場合、反則金とは違い、前科がつく可能性があり、さらに免許停止などの行政処分も受けることになるため、より重い罰則となります。
高速道路のスピード違反(速度違反)の反則金・罰金
高速道路でスピード違反をすると、40km/h未満の超過なら「反則金」、40km/h以上の超過は「罰金」や「免許停止」の対象になります。40km/h未満の超過では、超過速度に応じて反則金が課され、例えば30km/h以上35km/h未満なら25,000円が必要になります。
40km/h以上の超過になると、反則金では済まず、6万円~10万円の罰金が科されるだけでなく、免許停止や場合によっては懲役刑の可能性もあります。
高速道路はスピードが出やすく、気づかないうちに違反してしまうことも。事故のリスクを減らすためにも、制限速度を守って安全運転を心がけましょう。
スピード違反(速度違反)の取り締まりの方法と効果
速度超過を防ぐ取り締まり方法のうち、オービスとネズミ捕りについて仕組みや効果を解説します。
1:オービス
オービスは、速度違反自動取締装置と呼ばれる取り締まり方法で、特定の場所に設置されたカメラとレーダーを利用してスピード違反を検出します。この装置は、車両が制限速度を超えて走行した際に、自動的に速度を計測し、違反車両の写真を撮影します。撮影にはナンバープレートや運転者の顔が含まれるため、証拠として非常に有効です。
オービスの設置場所は、事故が多発するエリアや、スピード違反が起こりやすい高速道路や幹線道路などが中心です。この取り締まり方法は、事前警告の標識が設置されていることが多く、違反抑止の効果を発揮しています。
オービスはドライバーに制限速度を意識させる効果があり、交通事故の減少にも貢献しています。
2:定置式速度取り締まり(ネズミ捕り)
定置式速度取り締まり、通称「ネズミ捕り」は、道路の特定地点に警察官が配置され、スピード違反車両を直接取り締まる方法です。この方法では、携帯型の速度計測器(レーザーやレーダー)を使用して速度を計測し、違反車両をその場で停車させます。その後、警察官が違反内容を確認し、交通反則告知書(青切符)を発行します。
ネズミ捕りの特徴は、短期間で集中的に実施されることです。一般道路の直線区間や、速度超過が起きやすい下り坂などでよく行われます。この方法は、現場での取り締まりが可能なため、スピード違反の即時対応ができるという利点があります。
また、ネズミ捕りは交通ルールを意識させる効果が高いと言われています。ドライバーにとっては「どこで取り締まりが行われているかわからない」という警戒心が、安全運転につながる要因となります。
スピード違反(速度違反)で捕まった際の手続きの流れ
もしもスピード違反で捕まってしまった時の現場での警察対応、反則金支払い、裁判が必要なケースまで、手続きの流れを解説します。
1. 警察によって捜査を受ける
スピード違反で捕まった際、まず警察官から停車指示を受けます。その場で携帯型速度計測器による計測結果が提示され、違反内容の説明が行われます。その後、違反者は交通反則告知書(通称:青切符)を受け取り、署名する必要があります。この告知書には違反日、場所、速度、反則金の金額が記載されています。
警察官から停止を指示されてから、交通反則告知書を受け取り、内容を確認して署名するまでの一連の流れは、落ち着いて冷静に警察官の指示に従うことが重要です。また、質問や疑問があればその場で確認するようにしましょう。
2. 反則金の支払い手続き
反則金の支払いは、指定された期限内に郵便局や銀行などの指定された金融機関の窓口、もしくは Pay-easy(ペイジー)対応金融機関のインターネットバンキングまたはATMで納付することができます。反則金を支払えば、刑事手続きに進むことなく事件は解決となります。しかし、支払い期限を過ぎた場合や、反則金を拒否した場合は、正式な裁判手続きに進む可能性があります。
支払いを怠ると免許停止やさらなる法的措置が発生する場合があるため、迅速に手続きを行うことが大切です。また、支払い方法や期限は交通反則告知書に記載されているため、きちんと確認しましょう。
3. 裁判所での手続き(重大な違反の場合)
速度超過が重大な場合、裁判所での手続きが必要になります。この際、警察から「赤切符呼出状」が届き、指定された日に裁判所に出頭します。裁判では違反の内容や状況が確認され、罰金額が決定されます。裁判で科された罰金は、反則金より高額になるケースが一般的です。
速度超過で刑事手続きに進み、裁判となった場合、裁判所への出頭など、多くの時間と労力、そして費用を費やすことになります。
スピード違反(速度違反)による通告書・本納付書を無視するとどうなる?
スピード違反で反則金を支払わなかった場合に後日送られる本納付書を無視することは、さらに深刻な事態を招きます。本納付書は、交通反則告知書の支払い期限を過ぎた際に改めて送付されるものです。
本納付書を無視した場合、まず検察から呼び出しがあり、その後裁判所で審理が行われます。有罪判決が下れば、反則金よりも高額な罰金が課されるだけでなく、前科が付く可能性もあります。さらに、免許の停止や取消などの行政処分が科される場合もあります。
まとめ
スピード違反は、制限速度を超えた速度に応じて違反点数や反則金・罰金が科される交通違反の一つです。一般的に、一般道路では時速30km未満の超過、高速道路では時速40km未満の超過は反則金の対象となります。
一方、一般道路で時速30km以上、高速道路で時速40km以上の超過は刑事罰の対象(赤切符)となるため、特に注意が必要です。また、違反点数が一定以上になると免許停止・取消の可能性があるため、日頃からスピードの出し過ぎには十分に気を付けることが大切です。
スピード違反を防ぐためには、制限速度を守る意識を持つことはもちろん、速度計の確認や、安全な運転習慣を身につけることが重要です。道路の状況や交通ルールを意識し、余裕を持った運転を心がけましょう。
※この記事は2025年1月時点の情報です。
執筆者プロフィール
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