自動車保険証券(任意保険証券)の基礎知識
自動車保険は、強制加入の自賠責保険と任意保険の2種類があります。一般的に「自動車保険」は、任意保険を指します。
自動車保険証券とは、任意保険の契約後に保険会社から送付される書類で、契約が成立したこと、および契約内容などが記載されています。
契約後に郵送されることが一般的ですが、最近はペーパーレスが進んでおり、紙の保険証券を発行しない場合もあります。
自賠責保険証明書との違い
自賠責保険証明書は、自動車損害賠償保障法第8条により、自動車を運転する際に携行しなければならないと定められています。
自賠責保険の補償内容は一律です。自賠責保険証明書の表面には、契約年月日や期限などが記載されていますが、補償内容は記載されていません。
また、自賠責保険証明書は携行が義務付けられていますので、必ず紙かデジタルデータで携行する必要があります。加入手続きを行う保険代理店やディーラーの窓口、またはWEBで、保険証明書を受け取ることができます。
ペーパーレス化のメリットとデメリット
自動車保険証券のペーパーレス化のメリットとしては、以下の点が挙げられます。
メリット:紛失リスクが減る
自動車保険証券の保管場所は、車の中や自宅で保管している人が多いようです。中にはどこに保管したか、うろ覚えな人もいるでしょう。ペーパーレスの場合は紛失することなく、自動車の事故などで保険証券が破損するリスクも抑えられます。
メリット:Web証券割引を受けられる
保険証券および約款の送付を不要として、保険会社のサイト上で契約内容を確認する場合には、Web証券割引として、保険料の割引を受けられる可能性があります。割引の有無や内容は保険会社によって異なるため、契約時に確認しましょう。
一方、ペーパーレスのデメリットとしては、以下のものが挙げられます。
デメリット:IDやパスワードを忘れてしまう
ペーパーレスの場合は、保険会社のウェブサイトにログインすることで、契約内容を確認できます。したがって、ログイン用のIDやパスワードを忘れてしまうと、契約内容を確認できなくなります。
IDやパスワードの再発行は時間を要する場合もあります。緊急時にすぐ確認できるようにメモをとっておくなど、対策が必要です。
デメリット:保険証券の現物が求められることがある
自動車通勤を認めている会社では、保険加入の証明として、保険証券のコピー等の提出を求める場合があります。損保ジャパンのWeb証券をご利用の場合、マイページからご契約内容を確認・印刷できます。
ただし、保険会社のウェブサイトから印刷したWeb証券や付保証明書では認められないこともありますので、自動車通勤の申請時にペーパーレスに対応しているか事前に確認しておきましょう。
自動車保険証券の主な記載内容と見方
自動車保険証券の記載内容は、保険会社により若干異なるものの、主だった内容は決まっています。
代表的な記載内容として、以下の項目が挙げられます。
- 証券番号
- 契約者情報
- 登録車両
- 記名被保険者
- 運転者の範囲
- 補償内容
- 特約
- 保険期間
それぞれの内容について、くわしく見ていきましょう。
証券番号・契約者情報の確認ポイント
証券番号は事故などが起こった際に、保険会社に問い合わせるために必要です。2台目の自動車を持っているなど、複数の自動車保険を契約している人は番号を混同しないように注意しましょう。
契約者情報は、契約者の住所・氏名・連絡先です。正しく登録されているか、必ず確認しておきましょう。
引っ越しなどで住所が変わった場合には、保険会社に変更を届け出る必要があります。住所が変更されていないと、事故のあった際に保険金が支払われないこともあるため、契約者情報に変更があった場合には遅滞なく保険会社に通知しましょう。
登録車両・記名被保険者・運転者範囲のチェック
自動車保険証券に記載される登録車両は、基本的に1契約につき1台です。契約対象となる自動車のメーカー・車種・ナンバーや車台番号などが含まれます。保険証券を手に入れたら、登録車両の詳細が正しいかチェックしておきましょう。
自動車を買い替える場合、登録車両の変更を行わなければ、万が一事故を起こした際に補償が受けられません。車を買い替えた際には保険会社に連絡し、登録車両の変更を忘れずに行いましょう。
記名被保険者は契約自動車を主に運転する人で、必ずしも契約者ご本人とは限りません。記名被保険者の年齢や事故歴などは、保険料算定の基礎になります。記名被保険者の変更は可能ですが、等級や保険料が変更となる場合がありますので、事前に保険会社に確認しましょう。
また、記名被保険者以外に契約自動車を運転する方がいる場合には、運転者の範囲を決めます。記名被保険者本人のみや本人と配偶者限定などの特約をセットできます。運転者を限定しない(誰でも運転できる)場合は保険料が高くなるので、保険料を抑えたい場合は、使用状況に応じて運転者限定特約をセットしましょう。
補償内容・特約・保険期間の重要性
自動車保険でもっとも大切といえる補償内容は、自動車保険証券に記載されています。必ず内容を確認しておきましょう。
相手方に対する補償としては対人賠償、対物賠償があります。交通事故では高額な賠償責任が発生するケースもあるため、対人賠償・対物賠償の保険金額は、万が一に備えて『無制限』にしておくことが望ましいです。
一般的に自動車保険は基本補償と特約で構成されており、自分自身や同乗者に対する人身傷害保険や自動車を補償する車両保険などは、自賠責保険に含まれていない補償で、主契約(保険契約の基本部分)の中で選択していきます。
主契約以外の補償は、任意でセットする特約でカバーすることになります。特約は地震・噴⽕・津波⾞両全損時⼀時⾦特約、事故の際に弁護士に相談できる弁護士費用特約などがあります。
特約は保険を契約する時に選択でき、特約を多くセットするほど保険料は上がります。必要性や費用面のバランスを考えて、特約をセットするか検討しましょう。
保険期間は、通常始期日から1年間となります。契約満了の1~2ヶ月前には、保険会社から更新のお知らせが来ます。更新時は保険を見直す良い機会です。補償内容などを十分に検討したうえで、更新するようにしましょう。
ちなみに、保険期間の途中で自動車を買い替えた場合は契約車両の入れ替えを行うのみで、保険期間は変わりません。
等級と保険料を正しく理解する
自動車保険は通常、前契約の事故歴(事故内容、保険の使用回数など)に応じて、契約ごとに等級を定めています。等級は1等級~20等級まであり、等級が高いほど保険料は安くなり、等級が下がると保険料が高くなる仕組みです。新規に契約した場合には、原則6(S)等級からスタートします。
1年契約を例にすれば、保険期間中、事故がなければ翌年の等級は1等級上がります。一方、事故があった場合には、事故内容により翌年の契約が1等級か3等級ダウン、もしくはノーカウントで等級維持となります。
1等級ダウン、3等級ダウンの事故があった場合、翌年からは「事故有係数適用期間」となり、無事故の等級より割高となります。1等級ダウン事故では1年間、3等級ダウン事故では3年間無事故であれば、無事故等級に戻ることができます。
等級制度はほぼすべての保険会社で共通ですが、等級ごとの割増引率などは保険会社によって違いがありますので、保険料を安くしたい場合には比較することが大切です。
自動車保険証券が必要になる主なタイミング
自動車保険証券は、自賠責保険証明書と異なり自動車運転時の携行が義務となっていません。そのため、自動車保険証券が必要となるタイミングにすぐ対応できるよう、普段からの準備が必要です。
自動車保険証券が必要になる主なタイミングは以下の3点です。
- 契約内容の見直しや更新時
- 事故連絡や保険金請求を行うとき
- 勤務先から提出を求められた場合
それぞれ具体的に解説します。
契約内容の見直しや更新時
自動車保険は基本的に1年契約です。毎年の更新時には、保険会社から現状のプランや補償を拡充したプランなどを提示されますが、事前に現在の契約内容を保険証券で確認しておきましょう。
また、保険料の改定なども考慮して比較・検討を進めてください。もし、更新を機にほかの保険会社に乗り換えを検討している場合は、比較するために保険証券を見て契約内容をよく確認しましょう。条件が同じなものの保険料が安い、もしくは補償範囲が広いのに保険料が同じなど、条件を確認しておくと良いでしょう。
事故連絡や保険金請求を行うとき
事故を起こしてしまった場合、安全を確保した上で警察に連絡しましょう。警察は到着後に、免許証や自賠責保険証明書の確認を行います。
次に保険会社に連絡しましょう。保険会社に連絡する際には、契約者の氏名や証券番号にて契約を照会するため、可能であれば保険証券を準備し、証券番号を確認しておきましょう。
また、事故後の補償は契約内容によって異なります。保険証券を見ながら保険会社の担当者と連絡を取れば、保険金の請求などもスムーズに行えるでしょう。
勤務先から提出を求められた場合
通勤する際にマイカーの使用を認められている場合は、無保険でマイカーを走らせていないか確認するために、自賠責保険証明書および自動車保険証券の提示を勤務先から求められることが一般的です。
自動車保険証券をペーパーレスにしている場合は、どのように対応すれば良いか勤務先に確認しましょう。
自動車保険証券を紛失した場合の手続きと再発行
自動車保険証券を紙で携行している場合、保管場所を忘れるなど紛失してしまう場合があります。
たとえ自動車保険証券を紛失しても、保険契約が切れるわけではありません。ただし、保険を請求する際には、証券番号などが必要です。紛失が判明した段階で、早めに再発行の手続きを取るようにしましょう。
ペーパーレスの場合、保険の請求や保険内容の照会などの際にログインIDとパスワードが必要です。ここでは、ログインIDやパスワードを忘れた場合の対処方法も解説します。
紙の自動車保険証券をなくしたときの対処法
紙で発行した自動車保険証券を紛失した場合には、まず保険会社に連絡します。連絡先は保険会社のウェブサイトなどで確認しましょう。
再発行の申請時には証券番号を確認されます。もし番号がわからない場合は、生年月日などの契約者情報により本人確認ができれば申請可能です。
連絡後は、保険会社から再発行申請の書類が送付されます。必要事項を記入するとともに、本人確認書類などを求められている場合は複写を同封して返送します。
その後、保険会社で確認を行い、不備がなければ1~2週間程度で新たな自動車保険証券が手元に届きます。
Web証券(電子証券)の再発行方法
Web証券は、保険会社のウェブサイトにログインすることで確認可能です。また、契約内容の印刷も行うことができます。
もし、ログインIDやパスワードを忘れてしまった場合には、保険会社に問い合わせて再発行します。登録したメールアドレスに再設定用のURLが送付され、再設定を進めていく手順が一般的です。
紙の証券の再発行と比較すれば、短期での再発行が可能ですが、契約内容を急ぎ確認したい時などに備え、ログインIDやパスワードをメモしておくなどの対応が必要です。
自動車保険証券の保管場所と保管時の注意点
自動車保険証券を保管する場合、すぐに対応できるようにわかりやすい場所に保管することをおすすめします。
ただし、自動車のダッシュボードや自宅の引き出しの中に保管している場合は、車上荒らしによる盗難や火災による焼失など、いくつかのリスクがあります。
このうち、盗難に遭うと個人情報が漏洩する場合もあります。現物を保管する以上は常に紛失などのリスクが伴いますので、コピーを別途保管するなどの対策を講じておきましょう。
また、もし保管場所を忘れても、すぐに保管場所を思い出せるように工夫しておくことも大切です。
よくある質問(FAQ)
自動車保険証券に関するよくある疑問点をまとめます。
Q. 保険証券は車検時に必要ですか?
A.自賠責保険証明書は車検時に必要です。任意で加入する自動車保険の証券は車検時には不要です。
Q.ペーパーレス契約と紙の契約、どちらが良いのでしょうか?
A.ペーパーレスの契約と紙の契約は、ともにメリット・デメリットがあります。ペーパーレスの場合は保険料が安くなったり、紛失リスクが減ったりします。
一方で紙の場合は確認しやすく、事故が起きた際にもスムーズに対応できます。それぞれのメリット、デメリットを比較検討し選択すると良いでしょう。
まとめ
自動車保険には、必ず入らなければならない自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と契約者が自ら加入する任意保険の2つがあります。自動車保険証券は、任意保険の契約内容を記載した書類です。
自賠責保険証明書は、運転中は携行することが義務付けられています。一方で自動車保険証券は携行が求められておらず、ペーパーレスを選択することができます。
紙の自動車保険証券を紛失した場合は、再発行まで一定の日数がかかります。保管場所を忘れないように、証券を置く場所は慎重に考えましょう。また、ペーパーレスで保険を契約した場合は、ログインに必要なIDやパスワードを忘れてしまうと確認ができません。そのため、ログインIDやパスワードはなるべくすぐにわかるようにしておきましょう。
自動車保険証券には、契約内容が記載されています。保険の更新時や乗り換え時に内容を確認し、自分の状況に適した保険に見直しましょう。自動車保険の内容を理解し、安全・安心なカーライフを楽しんでください。
※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2026年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
SJ25-51163(2025.10.02)
引受保険会社:損害保険ジャパン株式会社
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