キャンプの達人のお気に入りギアを拝見!|焚き火マイスター・猪野正哉さん
昔と比べて、「マッチと薪があれば、焚き火ができる」なんて場所は現代には少なく、焚き火台の使用がデフォルトになっています。
キャンプ場によっては、灰の持ち帰りや芝や地面を守るための耐熱シートを敷くことが定められている場所もあり、ますます道具ありきの焚き火になってきています。
1年間を通して大半の時間を焚き火に費やす私も、時代とともに使う道具が増え、これまでいろいろと試してきました。なかにはまったく役に立たないものや、一度使っただけで倉庫の片隅に追いやられた道具もあり、ようやく焚き火に欠かせないアイテムが固まってきました。
その名脇役アイテムがこの5つです。
火起こしは着火剤で一気に勝負をつける
火起こしに「着火剤を使うなんて邪道だ」と言う人もいますが、私の場合、火起こしの過程に重きを置いていないので、率先して使うようにしています。
固形タイプや小分けタイプなどがあるなか、ジェルタイプは使用量を自分で調整できるので、火起こしスキルが上がるほど少量で済むのが魅力。類似品の中には着火しても点いているかいないか目視しづらいものがありますが、これは炎がオレンジ色になる成分が入っているためその点でも安心です。
キャプテンスタッグ/ファイアマックス着火剤240g
¥1,210
容量:240g
鉈(なた)さえあれば、どうにかなる
市販されている多くの薪は太く、着火剤があれば、簡単に燃えるというものでもありません。細かく割ることで燃えやすくなり、これを怠ると燻り続けてしまうのです。
その作業において、必要不可欠なのが刃物。手斧やナイフでも充分対応はできますが、個人的には鉈(なた)がベスト。刃が重いことで遠心力がさらに加わり、太い薪でも簡単に割ることができます。またフェザースティック作りなどの細かい作業もできてしまうので、一本で何役もこなしてくれるのです。
TEAPPA/守門
¥13,750
サイズ:刃渡り135mm、刃厚9mm、柄245mm、全長380mm
重量:874g
お守り代わりに、持ち歩く
焚き火でイチバンのご法度は、火事です。万が一に備え、バケツに水を汲んでおいたり、事前に落ち葉を掃いておいたり。焚き火台の周りに水を撒くなどの準備は基本といえます。
しかし、なにが起こるかわからないのも事実。そんなわけで、お守り代わりとして小型消火器があると心強い。バケツだとコントロールが定まらず、さらにいざ火が燃え広がれば焦りも重なり、水を無駄にしてしまう可能性だってあります。これならピンポイントで消火を狙えます。あくまでも初期消火用なので、そのあとはしっかりと消火作業を忘れずに。
丸山製作所/エアゾール式簡易消火具 クイックガード
¥880
重量:480g
面で掴むより、点で掴む
焚き火の世話に欠かせないのが、火バサミです。100円ショップのものでも事足りてはしまうが、実際に使い続けると歪むなどして噛み合わせが悪くなり、薪を掴みにくくなってきます。また安価なものは掴む部分が平らになっているので、上手く掴まないと薪がずり落ちてしまう。
火バサミだと先端が突起になっているので、点で掴めて重い薪でもしっかりロックすることが可能。古道具屋で購入したが、ホームセンターでは500円前後で販売されています。
火バサミ(古道具屋にて購入のためブランド不明)
¥300
フォトジェニックな焚き火に変身
焚き火をエンターテインメントにランクアップさせる魔法の粉。袋ごと投入すれば、あっという間に炎の色がレインボーになり、周囲は盛り上がること間違いなし。からくりは理科の実験で行なった炎色反応で、素材は人体に無害な物質だけに絞り込んでいるので、燃やしても有害物質ゼロというのは安心できます。
炎色反応は30分継続し、夜のほうが見映えはしますが、昼間でもバッチリとレインボーに燃え上がる。薪の下に入れるより上に置いたほうが、よりキレイな炎を見ることができます。
アートファイヤーエコクラフト 5袋セット (虹色の炎 焚き火 レインボー)
¥1,620
重量:1袋30g
プロフィール
猪野正哉/焚き火マイスター
日本で唯一の肩書を武器に、焚き火絡みの執筆や講師、監修だけで生計を立てている稀有な仕事をしている。キャンプや登山も人並み以上の経験があり、ちょっとは語れる。著書に『焚き火の本』『焚き火と道具』(ともに山と渓谷社)がある。
※掲載内容は、2024年3月現在の情報をもとに作成しています。ご購入の前に最新の情報をご確認ください。
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