もしも台風や落雷で停電したらどうする?キャンプから学べる災害時の対処法
窓をたたく激しい雨風や、突然の落雷による停電。私たちの生活になくてはならない電気が失われ、暗闇を照らす灯りや温度調節に必要なエアコンをはじめ、あらゆる家電が使えなくなってしまいます。このような非常事態に役立つのが、キャンプの経験と道具です。
不便を楽しみに変えるキャンプの醍醐味を活かし、気象災害による停電のときも安全を確保しながら、心穏やかに過ごすための「備えの知恵」を紹介します。災害時には停電に加えてさまざまな被害が発生し、ときには避難が必要になることも知っておきましょう。
停電に備えて気象災害の警報や注意報をチェック

気象災害で起きる停電は備える時間がある
大規模な停電の多くは、強風による飛来物で電線が切れる、落雷で送電線が損傷する、地震で発電所が停止する、といった自然災害が主な原因です。台風や落雷、大雪などの気象災害は警報や注意報をチェックし、停電の恐れがあるときは暗くなる前に準備を整えておきましょう。

【夏も冬も】エアコンなしで快適に!キャンプに学ぶ「温度調節」のコツ

暑さ対策
停電中はエアコンが使えないため、熱中症のリスクが高まります。風通しの良い一部屋に家族全員で集まる「クールシェア」を実践しましょう。アウトドア(orクーラーボックス)用の保冷剤や凍らせたペットボトルを首や脇の下に当てることで、効率的に体を冷やすことができます。保冷剤をクーラーボックスや冷蔵庫に入れて飲料水を冷やしておけば、熱中症対策にもなります。
寒さ対策
衣服の重ね着で空気の層をつくり、カイロや湯たんぽ、自分の体温で温めましょう。ベッドの上などに家族で集まれば、床からの冷気を防ぎながら体温を保てます。部屋にテントを張れば、外気の影響を受けにくくなり、暖かい空気を閉じ込められるので一石二鳥。床に充電式カーペットやアルミシートなどを重ねると、冷気をさらに感じにくくなります。
電気を使わないキャンプの体験を防災に活かそう
キャンプの経験や道具は防災にも役立ちます。自然の中で電気を使わない不便さを工夫で乗り越えた経験があれば、過剰な不安を抱えることなく過ごせるはずです。車が乗り入れられるオートキャンプや、スペースが仕切られた区画サイトには電源(コンセント)が設置されていますが、電気を使わないキャンプも体験しておくと防災に役立ちます。
暗闇でも慌てない!灯りを備蓄しよう

停電してもほのかに発光する蓄光テープ
都市部や住宅街では夜になっても灯りが灯っていますが、停電になれば暗闇に包まれてしまいます。停電の怖さはいきなり真っ暗になってしまうこと。太陽光や蛍光灯などの光を蓄えて暗闇で発光する蓄光テープを家具や廊下、防災用品を入れた棚などに貼っておけば停電時の目印に。100円ショップなどでも購入でき、電源がいらないため手軽で確実な目印になります。
停電時には四方を明るく照らすランタンが活躍
キャンプのときに吊り下げて使う照明器具のランタンなら、家の中を明るく照らしてくれます。電池式やUSB充電式、10時間以上の連続使用が可能なソーラー充電式のランタンなどは、1つ用意しておきましょう。
手持ちの懐中電灯をランタンに変える
家庭で用意している懐中電灯は一方向を強く照らす手持ちタイプが多く、室内全体を明るくするには光を拡散させる工夫が必要です。たとえば、ビニール袋を被せたりペットボトルを下から照らしたりして使いましょう。
キャンプ道具は“そのまま防災道具”になる

停電時に活用できるキャンプ道具はほかにもたくさんあります。防災への備えを兼ねて少しずつでもそろえましょう。

キャンプは“楽しみながらできる防災訓練”

「おうちキャンプ」は最高の防災訓練
本記事で紹介した停電対策は、「おうちキャンプ」として楽しみながら練習できます。たとえば週末の夜、ブレーカーを落として「停電ごっこ」をしてみませんか?実際に体験することで、本当に必要な備えや家族の役割分担が見えてくるはずです。
野外に近い環境で体験してみたい方は、ベランダでキャンプをする「ベランピング」がおすすめです。カーペットやランタンを置くだけでもキャンプの雰囲気を味わえます。
多くの集合住宅では火気の使用は禁止されています。ランタンの灯りを楽しんだり、アウトドア用の椅子でくつろいだりするなど、安全な範囲で行いましょう。
※集合住宅のベランダは共用部分にあたるため、設置物に制限がある場合があります。
災害を想定した行動を考え、体験しよう

台風や豪雨、大雪などの自然災害の被害は停電だけとは限りません。事前に地域のハザードマップを確認し、状況によっては気象庁の警報や注意報の発表前でも率先して避難を始めること。そのときの判断が自分や家族はもちろん、近隣の方の被害を防ぐことにつながる可能性があります。
まずは次の週末に、家族でキャンプを体験してみませんか?キャンプの経験と道具の備えは、停電などの災害時に不安を減らしてくれます。室内でのテント設営。そんな楽しみながらの予行演習が、もしものときの「確かな安心」につながります。
【監修者プロフィール】
高荷 智也さん
合同会社ソナエルワークス 備え・防災アドバイザー

「自分と家族が死なないための防災」をテーマに、個人向けの家庭防災から企業のBCP(事業継続計画)まで、実践的な防災対策の普及・啓発を行う防災アドバイザー。
【主な著書】
・『今日から始める家庭の防災計画・2026年版』(2026年)
・『防災リュックはじめてBOOK』(2025年)
HP https://sonaeru.jp
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