賢いお金の管理方法はふたりで話し合うこと
毎月の生活費を見直して家計を改善したい場合は、夫婦での話し合いが重要です。夫がお小遣い制の場合でも、水道光熱費や保険料、食費などの支出を見直す場合は、ふたりで改善策を決める必要があるからです。「子どもの習いごとはどうしようかな?」「保険料が負担になってるみたいだから、見直したほうがいいんじゃない?」といったように、現在の収入や支出を確認しながら、これからのことを話し合うとよいでしょう。
1-1. 夫がお小遣い制の場合は個人口座でも生活費を管理できる
妻が家計を管理していて夫にお小遣いを渡しているような場合は、個人口座でも家計管理が行えます。ひとつの口座で家計を管理できるので、収支をシンプルに把握できるメリットがあります。
ただし、家計を共有しづらくなる点には注意が必要です。どちらか一方の口座で家計を管理していると生活費の内訳を共有できないので、ふたりで家計を管理している感覚が薄れてしまいます。
共働き夫婦におすすめ!3つの家計管理方法
共働き夫婦には、下記3つを意識した家計管理法をおすすめします。
- 目的に合わせて口座を分ける
- 将来のお金は貯蓄や投資で準備する
- お小遣いは減らしすぎないようにする
1. 目的に合わせて口座を分ける
家計を見える化したい場合は、目的に合わせて口座を分けるようにしましょう。生活費の支払いや貯蓄用口座など、専用の口座を作成することで支出や貯蓄額を把握しやすくなります。
投資用の口座については、貯蓄用口座を活用するとよいでしょう。銀行口座と証券口座を連携させることにより、さまざまな特典が受けられるからです。預金金利や入出金手数料の優遇、ポイントの付与など、多くの特典が用意されています。
2. 将来のお金は貯蓄や投資で準備する
教育資金や老後資金など、将来のお金を準備したい場合は目標額を設定して、毎月少しずつ準備を進めるとよいでしょう。文部科学省の調査(※1)によると、すべて公立の場合の教育費は約800万円、すべて私立の場合は約2,000万円必要なため、時間をかけて準備する必要があるからです。
また、金融庁の試算(※2)によると、多くの方が65歳時点で毎月5万円の生活費が不足すると考えられており、20年間貯蓄を取り崩す場合は約1,300万円、30年間では約2,000万円の準備が必要になるとされています。
教育資金、老後資金ともに、物価上昇率が考慮されていないので、貯蓄と投資を併用して将来のお金を準備する必要があるでしょう。子どもの銀行口座を開設して教育資金の貯蓄をはじめるほか、親の証券口座を利用して投資をはじめることをおすすめします。なおNISA制度を活用すれば、一定の投資額(最大で年間360万円)により生じた運用益が非課税となります。
※1 文部科学省:「令和3年度子供の学習費用調査」
※2 金融庁:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」
3. お小遣いは減らしすぎないようにする
家計を見直したい場合でも、お小遣いは減らさないようにしましょう。家計の見直しにおいて、夫のお小遣いは減らしやすい項目のひとつですが、減らしてしまうと夫婦間のトラブルに発展してしまうおそれがあるからです。まずは保険料や通信費などの固定費を減らせないか確認して、難しい場合は相談するとよいでしょう。
どうしてもお小遣いを減らさなければいけない場合は、「お弁当を作るから5,000円減らしてもいいかな?」といった代替案を提案することをおすすめします。なお新生銀行の調査によると、毎月のお小遣いの平均額は、男性会社員が40,557円、女性会社員が35,001円です。
毎月のお小遣いの平均額 | ||
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男性会社員 | 女性会社員 | |
全体 | 40,557円 | 35,001円 |
20代 | 46,453円 | 39,980円 |
30代 | 37,178円 | 34,155円 |
40代 | 40,801円 | 35,818円 |
50代 | 37,911円 | 30,177円 |
※出典:新生銀行「2023年会社員のお小遣い調査」
共通口座を作成して家計を管理するメリット
共通口座を作成することで、毎月の支出をもとにした予算が設定できるようになり、自由に使えるお金がわかりやすくなります。生活費や現在の貯蓄額を見える化して、家計管理の仕組みを整えましょう。
夫はお小遣い制の場合でも、貯蓄や生活費の決済を目的とした口座を作成することにより家計管理が行いやすくなります。お小遣いを差し引いた金額を生活費や貯蓄額として、それぞれの口座へ振り分ける方法も有効です。
1. 生活費などの予算を決められるようになる
生活費などの支払いを共通口座で行うようにすれば、生活費の予算を決めやすくなります。家賃や保険料、水道光熱費などの支出が把握しやすくなるため、月々いくらあれば生活できるかわかるようになるからです。
食費や日用品費などの変動費も管理したい場合は、家族カードや家計簿アプリも併用するとよいでしょう。家族カードの支払いを共通口座で行うようにすれば、さらに支出を把握しやすくなります。
2. 自由に使えるお金がわかりやすくなる
共通口座を作成することで、自由に使えるお金がわかりやすくなります。毎月の予算に応じた生活費や必要な貯蓄額を事前に入金しておくと、残ったお金は安心して使えます。外食やお出かけなど、家族が喜ぶことに使ってもよいでしょう。
共通口座を選ぶ際に意識したいポイント
共通口座を選ぶ際は、下記のポイントを意識しましょう。
- どちら名義の口座を作るか決めておくこと
- 定額自動入金サービスの有無を確認しておくこと
- デビットカードやプリペイドカードの有無を確認しておくこと
共通口座は、家計管理をする方の名義で作成するとよいでしょう。こまめに残高を確認しやすくなるだけでなく、口座手続きがスムーズに進められるからです。
また、共通口座を選ぶ際は、定額自動入金サービスの有無に注目しましょう。事前に送金日や送金額を設定しておけば、手数料無料で他の口座から共通口座へ送金してくれるようになります。共通口座の利用を続けるためには自動化が必須なので、定額自動入金サービスがある銀行で口座を作成するようにしましょう。
共通口座を活用して家計を賢く管理しよう
子育て世代の共働き夫婦には、共通口座の利用をおすすめします。目的別に口座を分ければ、毎月の収支を簡単に把握できるので、家計の見直しも進められるでしょう。
将来必要な教育資金や老後資金を準備する際は、貯蓄と投資の併用をおすすめします。NISA制度を活用すれば、リスクをおさえた長期的な資産運用がはじめられます。まずは夫婦で話し合う時間を設けて、何からはじめるか決めてみてはいかがでしょうか。
※記載されている情報は2024年9月時点のものです。