1. 自動車保険における「使用目的」とは?

自動車保険における「使用目的」とは契約時に申告しなくてはならない告知事項のひとつです。車を使用する目的によって運転頻度や走行距離が異なるほか、事故に遭うリスクも変動します。保険料は使用目的に応じて算出されるため、適切な申告が必要となります。

2. 自動車保険の使用目的は3つ

自動車保険における使用目的の考え方として、まず年間を通じて平均月15日以上を「業務」で使用するかどうかを判断します。該当しない場合、「通勤・通学」と「日常・レジャー」のどちらかを選択することになります。

ここでは各使用目的の概要について紹介します。なお、使用目的の名称や判断基準は保険会社によって異なる場合があるので、あわせて確認しましょう。

自動車保険の使用目的を判断するフロー

2-1. 業務

年間を通して、平均月15日以上を仕事に利用する場合は「業務」を選択しましょう。主に仕事で車を運転する場合、頻度はもちろん走行距離も長くなることから、事故に遭うリスクが高まります。そのため、「通勤・通学」や「日常・レジャー」よりも保険料が割高に設定されています。

2-2. 通勤・通学

年間を通して、平均月15日以上を「通勤・通学」を目的として車を利用する場合に選びましょう。なお、月平均15日以下の場合は後述する「日常・レジャー」を選ぶことになります。「通勤・通学」の場合、「日常・レジャー」よりも保険料が割高に、「業務」と比べると割安に設定されているケースがほとんどです。

2-3. 日常・レジャー

「業務」にも「通勤・通学」にも利用しない場合は、「日常・レジャー」を選びましょう。また、買い物やレジャーに出かける際のみ車を使うといった場合もこの区分に該当します。「日常・レジャー」は3つの区分の中で最も保険料が割安になる傾向にあります。

3. 使用目的の選び方のポイント

自動車を使用する目的がひとつではない場合、どの使用目的を選択すべきか悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは以下2つのケースを例に、使用目的の選び方について解説します。

3-1. 家族が別々の目的で自動車を使う場合

家族が自動車を別々の目的で使っている場合、家族全体として主な使用目的はどちらかを考える必要があります。「週に1~2回利用するだけ」という人と、「毎日特定の目的で使用する」といった人がいる場合、後者の使用目的を優先して考えるとよいでしょう。

3-2. 会社や学校に送迎する目的で自動車を使う場合

「通勤・通学」に区分されるのは、契約者が自身の職場などへの移動に使用する場合に限ります。そのため、家族を職場や学校、幼稚園などへ送迎する場合は、「通勤・通学」ではなく「日常・レジャー」を選択しましょう。

4. 使用目的ではない用途で事故にあったら補償はどうなる?

コラムをここまで読んで、「本来の使用目的と違う目的で使用しているときに事故にあった場合、補償はどうなるのだろう」と心配になった方もいるかもしれません。

結論からいえば、使用目的ではない用途で事故を起こしたからといって、補償が受けられないわけではありません。年間を通じて、使用目的ではない用途で車を運転するのが平均月15日未満であれば補償は受けられます。

一方、保険料が割安になるからといった理由等で、意図的に使用目的を偽って契約をしてしまうと「告知義務違反」にあたります。保険会社などの調査によって違反とみなされた場合、たとえ事故を起こしたとしても保険金が支払われない恐れがあるため注意が必要です。

5. ライフスタイルに合わせて速やかな変更手続きが必要

ライフスタイルが変わったことにともない、使用目的が変更になるケースもあるでしょう。その場合、加入先の保険会社で使用目的の変更手続きを行う必要があります。

保険会社によって手続きの流れは異なるため、各種パンフレットやホームページで確認するほか、手続きに不安がある場合は電話などで契約した代理店に問い合わせるのもよいでしょう。

6. まとめ

今回のコラムでは、自動車保険の使用目的の選び方や、選ぶ際の注意点についてお伝えしました。

自動車保険の契約時には、正しい使用目的を申告しなくてはなりません。万が一、申告した使用目的と異なる用途で使っていた場合、事故等が起きた際に補償を受けられなくなる恐れがあります。

とはいえ、家族で共有して使うケースなど、使用目的が判断しにくいケースも少なくありません。わからない場合は契約した代理店に問い合わせたうえで、正しい申告を行うことが大切です。また、ライフスタイルによって使用目的が変わった場合は、速やかに手続きを行うようにしましょう。

※このコラムでご案内した内容は概要を説明したものです。詳細につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問い合わせください。なお、補償の内容・取扱い・特約名称等は、引受保険会社により異なります。詳細は各引受保険会社までお問い合わせください。

SJ23-05189(2023.7.26)