キッチンはどんな場所?
ずらっと壁にかけられたサイズ違いのフライパンや、棚に置かれた陶器のキャニスター。
キッチンツールは、色もかたちも素敵でどれも外に出して飾りたくなります。ですが、そもそもキッチンは料理をするための場所。使いやすさと、清潔さを忘れてはいけません。
というのも、見せる収納にはかわいさの反面、油はねやホコリなどのデメリットもあるからです。飾る量は、さっとどかして拭き掃除できる程度の量が目安。清潔で掃除しやすく、かつお洒落なキッチンをめざしましょう。
キッチンで出していいもの
キッチンツールで出していていいものは、ズバリ、使用頻度の高いもの。こまめに使ってそのたびに洗えばホコリの心配もありません。このように、よく使うものを外に出しておくと、探す手間や取り出す手間が省けて、よりスムーズに次の作業に取りかかれるというメリットもあります。
その代表は、ステンレス素材のレードルやトング、木ベラや菜箸などの細々したキッチンツール類。プロの料理家でも、キッチンツールを素材別にまとめて立てて、コンロの近くに置いている方は沢山いらっしゃいます。火のそばでの作業は、ちょっとしたタイミングが大事。このように、使いたい時にすぐ手に取れる収納法は、料理上手への近道とも言えるかもしれませんね。
このほか、琺瑯の鍋も見せる収納に最適です。鍋類は中にしまうと場所を取るので、思いきって見せて収納してもいいでしょう。あまり使っていないものであれば、キッチンはもちろんのこと、オブジェのように見立ててリビング側に飾ることもできます。スペースに余裕があれば横一列に等間隔に並べ、スペースがなければ大きい鍋の蓋を裏返してその上に小さい鍋を重ねて収納します。
ただし、ここで注意したいことがあります。重いものを高い場所に置くと、地震の際に落ちてきたり、お子さんが手を伸ばしたり、手に取ったときに落としたりと非常に危険です。重いものは、必ず棚の下段に置きましょう。軽いものは上、重いものは下。これは物の収納場所を考える上で、全てに共通する大切なルールです。
食材はそれだけで絵になります
もうひとつ、見せる収納に特にオススメしたいのは「食材」です。食材はそれだけで絵になるもの。たとえば、じゃがいもやたまねぎなどの根菜類は常温保存に適しているため、風通しのいいカゴなどに入れて保存できます。常に見えるところに置いて視界に入るようにしていれば、うっかり食べ忘れた…ということもなくなるかもしれませんね。
また、食材といえば、長期保存できるスパイスや乾物類、お米なども見せる収納向き。かたちがバラバラでも、容器の素材を揃えるだけで統一感が出るので、数多く並べてもごちゃごちゃして見えません。そのためにも、食べ終わったジャムの空き瓶など、かわいい瓶は捨てずにストック。ショップやレストランのディスプレーも、見せる収納の参考になりますよ。
ちなみに、シンクの下の戸棚は湿気がたまりやすい場所です。お米などを入れている方をよく見かけますが、基本的に食材の保管にはあまり向かない場所なのでご注意くださいね。
時には減らすことも
キッチンは家の中でも特に物量が多いため、乱雑になりがちです。揃いで買ったもののほとんど割れてしまって半端になったお皿や、どこかで1本だけもらってきたスプーン、なぜか4本もあるしゃもじ…。きっと、「どうしてこんなものがあるのだろう?」と首をひねるような、謎なものも沢山紛れているはずです。それらは、本当に必要でしょうか?
時には持ち物を見直して、使いにくいものや長いこと使っていないものを外してみましょう。そこで不要になった物は、友人や家族と交換したり、寄付したり、使っていただける方に譲れば本来の役割を取り戻すはずです。
不要なものを減らすと、その分スペースが生まれます。収納にかかる手間も時間もぐんと減るので、収納が得意でない方でもこれまでより収納が楽になりますよ。
そのようにして、ふさわしい場所にふさわしいものが収まったら、壁にお皿を飾ったり、カゴやトレイにお茶セットをまとめて置いたりと、“絵になるポイント”を作りましょう。きっと、しまうことと飾ることを楽しく感じていただけるはず。みなさんにとって、キッチンに立つ時間が、潤いのあるものになりますように。