コース中で吹雪・悪天候になった時の対処方法とは?
今度、友人とスキー旅行に出かける予定ですが、どうやら天候があまりよくないようです。もしコースの途中で吹雪や悪天候になった場合は、どのように対処すればいいのか教えてください。
スキー場でのいろいろな天候についてご紹介します。
“山の天気は変わりやすい”とよく言いますが、本当にコロコロ変わることがあります。以前、一日の間に、晴れ、突風、吹雪、雷、霧が全て起こった日がありました。特に3000m級の山では急激な天気の変化があるようです。
天気の変化を読み取るために一番わかりやすいのは雲の動きです。吹雪になると、今まで見えていた景色が一変します。コースがわからなくなることもあるので、吹雪になっても滑る場合は、慣れないコースには行かない方がいいですね。できればスキー場の下部や、すぐに避難できるレストランの近くなどで滑ることをおすすめします。吹雪の中滑走する場合にはネックウォーマーが役に立ちます。視界もとても大事なので、曇りにくく、視界の広いゴーグルも大事です。
他に悪天候で怖いのは、強風、雷、そしてホワイトアウト※です。強い時には30m以上の風が吹く時もあります。ボードなどを持っていると飛ばされる危険があるので注意しましょう。強風の時は風であおられるので、ジャンプなども避けた方がいいです。雷もとても危険です。雷が鳴り出したら、ためらわずに小屋に避難しましょう。
そして自身の経験上一番恐怖だったのが、ホワイトアウトです。1m先どころか、自分の足元さえ見えない状態を経験したことがあります。運よくスキー場のインフォメーションが流れるスピーカーから遠くない場所にいたので、音を頼りにゆっくりと下山できましたが、音がない場所で、1m先も見えない状態になると、ゲレンデ内であってもすごい恐怖を感じます。霧が発生しだしたら、建物などを確認し、できるだけ早く避難、スキー場下部に近いところであれば下山した方がよいでしょう。もしも滑走中に完全にホワイトアウトしてしまったら、慌てて動かないことです。冷静になり、霧が晴れるのを待ちましょう。
吹雪、突風、ホワイトアウト、雷・・想像すると恐怖を感じますが、このように身を持って、自然を体験できることも、スキーやスノーボードの大きな魅力の一つだと思います。
※ホワイトアウトとは雪や雲などによって視界全体が真っ白になり、方向・高度・地形の起伏などの見分けがつかなくなる現象です。
JSBAプロスノーボーダー 橋本通代
スキー場での安全で楽しい過ごし方をご紹介します。
自身のソルトレイクオリンピックでの経験を活かし、 子どもスノーボード教室"KIRARA KAMP"を全国で開催しています。 ケガなく安全で楽しいウィンタースポーツを楽しんでいただけるための アドバイスを分かりやすくご紹介していければと考えています。
【URL】 | KIRARA KAMP http://sbn.japaho.com/sbn/kirara/ |
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【実績】 | ソルトレイク五輪ハーフパイプ代表 JSBA公認プロ |
【メディア】 | NHK「夢の五輪へ」、BS日テレ「スーパースポーツマガジン」など多数。 |
【著書】 | 「はじめよう!スノーボード―よくわかる初中級レッスン」(スキージャーナル) 「スノーボード完全ステップアップ―フリーライディングでうまくなる 」(実業之日本社) |
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