エレベーターに閉じ込められた時の対処方法とは?
先日、友人がエレベーターに閉じ込められてしまい、1時間以上出られなくなり、やっと呼び出しボタンで人を呼び助けてもらえたそうです。エレベーターに長時間閉じ込められてしまった時の対処方法を教えてください。
慌てず・騒がず・冷静に、外側から救助されるのを待ち続けます。
エレベーターに閉じ込められた際の行動は「慌てず焦らず冷静に」が鉄則となります。緊急停止したエレベーターの内部から自力で脱出することは基本的にできないため、外側から救助されるまで待ち続けることが基本的な対処法となるためです。
■エレベーターが非常停止した際の対応手順
1)まず地震の揺れなど危険がなくなるまでじっと待つ。
2)扉の開閉ボタンを押してドアが開くかどうかをためす。
3)全ての行き先階ボタンを押してエレベーターが動かないかどうか試す。
4)逆にドアがずれて少しだけ開いた状態で停止している場合、こじ開けるのではなく一度手で閉じてみる(緊急停止が解除されて最寄り階まで動く場合があります)。
5)非常ボタン・インターフォンを押して外部と連絡を取る。
6)救助されるまで待つ。
■エレベーターが非常停止した際にやってはいけないこと
・無理矢理ドアを開けようとする
・天井の点検口から脱出しようとする
エレベーターが非常停止したら、まずは安全を確認してください。といっても内部からできる確認はほとんどありませんから、地震の揺れがなくなるまで待つ程度のことです。安全が確認できたら、扉の開閉ボタンや行き先階ボタンを押して、エレベーターが動かないか試してみましょう。
何をしてもエレベーターが動かなければ、非常ボタンかインターフォンを押して外部と連絡を取ります。いきなり携帯電話で警察や消防に連絡をしても、結局エレベーターの管理会社を待つことになりますので、まずは備え付けの設備で連絡を取るようにしましょう。
その後はひたすら救助されるのを待つことになります。エレベーターに閉じ込められた場合、内部から自力で脱出することは基本的にできません。扉を無理に開ければ再稼働ができなくなる恐れがあり、また天井に点検口があってもカギがかかっているため内側からは開きません。体力の消耗を避け、慌てず騒がずじっと待ち続けることになります。
この際、エレベーター内に非常用の防災グッズなどが設置してあれば遠慮せずに利用しましょう。救助まで長期戦になる場合もありますので、スペースがあれば座り込む、熱ければ上着を脱ぐなど、できるだけ体力を消耗しないようにします。
停電時は非常灯が点灯しますが永遠には続かないため、照明を確保するため携帯電話やスマートフォンなどは使いすぎず温存するようにしましょう。またエレベーターには換気口がついているため窒息することはありません。複数の人がいれば声を掛けながら、落ち着いて救助を待ってください。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
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【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
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