竜巻が発生した時の対処方法とは?
先日、テレビで竜巻の映像を見ました。私はこれまで竜巻を見たことがないのですが、竜巻が発生した時にはどのように対処すればいいのでしょうか?家庭でできることと、外出先での竜巻の対処方法を教えてください。
竜巻の進路から逃げること、無理ならば頑丈な建物へ避難しましょう
竜巻は、発達した積乱雲(入道雲)に伴って発生します。竜巻が生じやすい季節は7月~10月の台風シーズンで、時間帯は地上が暖まる14時~17時です。冬場や夜間の竜巻も観測されていますが、特に夏の午後には注意が必要です。
■竜巻の兆候と事前察知のポイント
竜巻の原因となる発達した積乱雲(入道雲)は、下記の様な兆候を持って接近してきます。なお積乱雲は「ゲリラ豪雨」「落雷」「雹(ひょう)」の原因でもありますので、例え竜巻が発生しなかったとしても注意が必要です。
・突然空が暗くなる。
・雷の音が聞こえたり、光が見えたりする。
・ヒヤッとする冷たい風が吹き出してくる。
・大粒の雨や雹(ひょう)が降り出してくる。
さらに下記の前兆を察した場合には、竜巻が発生する可能性が高くなっているか、すでに近づいてきていますので、避難を始めてください。
・ゴーッ!という音や、キーン!という音がする。
・黒い雲の底が漏斗(ろうと)状に垂れ下がっている。
・ゴミや建材が空中に巻き上がっている様子が見える。
■竜巻に見舞われた際の対処方法
竜巻は進路上の物を破壊しながら進みますが、進路外に対する影響は小さいため、まずは逃げることを考えてください。竜巻は直線的に移動することが多いので、進路に対して「直角」方向に逃げます。竜巻を背にして逃げるのではなく、視界の横に入るように逃げるとよいでしょう。
●屋内にいた場合
間に合うならば、雨戸、シャッター、カーテンなどを閉めます。避難する部屋は、窓のない頑丈な部屋、地下室があればベストですがほとんどの住宅に地下室はありません。マンションやアパートの場合は、窓のないトイレ、風呂場などがあれば、そこに逃げ込んでください。
戸建て住宅の場合は、押し入れ、クローゼット、階段下収納などが比較的安全です。全ての部屋に窓があるという場合には、トイレ、納戸、テーブルの下など、窓が少しでも小さく、狭くて頑丈な場所を選びましょう。いずれの場合も、頭から布団をかぶるなどして身を潜めてください。
●屋外にいた場合
できるだけ建物の中に逃げ込んでください。最善は地下鉄、地下街、地下駐車場ですが、それらがなければ鉄筋コンクリート製のビル、マンション、商業施設に逃げ込みます。トイレや倉庫などできるだけ窓が少ない場所を探すか、建物の奥の方へ避難してください。
またどうしても建物がなければ、頭を低く下げ、地面にひざまづく姿勢でやり過ごします。この際に、溝、水路、窪地など、地面より低い場所があればそこに入り込みましょう。なお、自動車や物置、プレハブ小屋などは吹き飛ばされる可能性があるため、避難場所としては適しません。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
---|---|
【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
※上記に関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。