ゲリラ豪雨に見舞われた時の対処方法とは?
先日、外出中に突然、バケツをひっくり返したような大雨が降ってきました。いわゆるゲリラ豪雨というものだと思いますが、もし外出先でゲリラ豪雨に見舞われた時はどのように対処すればいいのでしょうか?
ゲリラ豪雨は短時間で通り過ぎます、雨がやむまで建物内でやり過ごしましょう
最近よく耳にする「ゲリラ豪雨」ですが、ゲリラ豪雨という気象用語は存在せず、これはマスコミなどが用いる俗語です。気象用語としては「局地的大雨」という言葉が用いられますが、どちらも「短時間で、局地的に、大雨を」もたらす現象を指しています。
■ゲリラ豪雨の前兆
ゲリラ豪雨が最も発生しやすいのは夏の午後です。外出先で次のような兆候を感じたら、まもなく大雨に襲われる可能性がありますので、注意が必要です。
・巨大な積乱雲(入道雲)の発生が見える。
・突然空が暗くなる。
・雷の音が聞こえたり、光が見えたりする。
・ヒヤッとする冷たい風が吹き出してくる。
・大粒の雨や雹(ひょう)が降り出してくる。
後半の兆候ほどゲリラ豪雨発生までの時間が迫っており、冷たい風が吹き出したらまもなく大雨に襲われます。
ところでこの兆候、実は「夕立」の直前と同じ現象です。ゲリラ豪雨という言葉が使われる前、この大雨はよく夕立と呼ばれていました。ところが最近、この雨がより激しくなる傾向にあり、夕立と表現できる規模を超えることが増加したため、ゲリラ豪雨という言葉が頻繁に使われるようになっています。
■ゲリラ豪雨に見舞われた際の対処方法
ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲(入道雲)は、大雨以外にも落雷、雹(ひょう)、竜巻を併発させることがあります。ゲリラ豪雨の兆候を感じたら、即座に危険回避の行動に移ることが重要です。
●河原や渓流にいる場合
ゲリラ豪雨によって、川の水位は短時間で急激な上昇を見せます。自分がいる場所が晴れていても、川の上流でゲリラ豪雨が発生した場合は急激に水位が上昇しますので、増水の警報が発令された場合は速やかに避難行動を取ってください。
直前まで穏やかであった川が、わずか10分間で濁流に変わることもありますので、警報が無くとも前述の兆候を感じたらすぐに川から離れてください。特に河川の中州などにいた場合、その場に取り残される恐れがありますので、迅速な行動が必要です。
●街の中にいる場合
短時間に猛烈な雨が降ると、都市の排水機能が追いつかずに局地的な浸水を生じさせることがあります。地下街や地下鉄の駅、また地下駐車場などにいた場合は、すぐに地上へ上がりましょう。
また大雨で道路のマンホールや側溝のふたが外れることがありますので、足下が浸水して見えない状態になっていたら、水が引くまで道路上を歩くことは避けてください。また車の運転も控えるようにしましょう。
●公園などひらけた場所にいる場合
ゲリラ豪雨は多くの場合雷を伴い、時には雹(ひょう)を降らせることもあります。雷から身を守るには避雷針のある建物に避難することが有効ですが、建物がない場合は周囲よりも身を低くすることが重要です。
また自動車は、雷の直撃を受けてもボディーを電流が流れるため中は安全という特徴がありますし、雹(ひょう)から身を守ることもできます。周囲に避雷針のある建物がない場合は、ゲリラ豪雨が通り過ぎるまで車の中でやり過ごしましょう。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
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【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
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