家庭ゴミから個人情報漏えいの危険性と対応策とは?
最近、私宛てに身に覚えのないDM(ダイレクトメール)が大量に届いており、不審に思っていたところ、母から「家庭のゴミから個人情報を盗まれているのでは?」と指摘がありました。個人情報に関しては、会社や外出先では気にしていましたが、自分の家ではほとんど気にとめておりませんでした。家庭ゴミから個人情報を守るにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか?また、今回のケースのようにDM(ダイレクトメール)が大量に送られてきてしまった場合は、どのように解除すればいいのでしょうか?
住所氏名以外にライフスタイルも流失の恐れあり。個人情報は裁断処理をしましょう
■個人情報が漏れた際に想定される被害
●迷惑電話、ストーカー被害、ダイレクトメール送付
郵便物の宛名からは氏名と住所が、宅配便の送り状からは電話番号が流出し、迷惑電話やストーカー被害を招いたり、望まないダイレクトメールの送付につながる恐れがあります。
●クレジットカードの不正利用
カードの利用明細やカード払いをしたレシートには、カード番号や名義が記載されていることがあり、不正利用を招く恐れがあります。
●振込詐欺の被害
店舗のレシートを見れば商品の購入履歴が、施設や観光地のパンフレットからは出かけた場所が、ダイレクトメールからは家族の年齢や趣味・趣向が流出する可能性があります。
これらライフスタイル情報が漏れると、「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」などの振込詐欺に利用される恐れがあります。住所や電話番号といった、いわゆる個人情報に対しては漏らさないようにという意識が働きますが、ゴミから判明するライフスタイルも個人情報であることを意識して、管理するようにしましょう。
■家庭ゴミからの個人情報の守り方
●個人情報を含むゴミは細かく裁断して捨てる
住所氏名、電話番号、カード番号などが記載されているゴミを捨てる際には、シュレッダーにかけたり、油性ペンで表裏を塗りつぶすなどをしてから廃棄しましょう。
●紙ゴミは、個人情報と別にして捨てる
個人情報が記載されていなくても、レシートやカタログ、パンフレットなどの、家族のライフスタイルが分かるような紙ゴミを捨てる際には、住所氏名が記載されているゴミと別々に出すようにしましょう。特に廃品回収などで紙ゴミを出す場合は、宛名の書いてある紙などを一緒に入れることがないように注意が必要です。
●ゴミ以外にも注意を払う
個人情報は家庭ゴミ以外の手段を通じても漏れ出すため、注意が必要です。
・ポストには鍵をかけるようにする
・表札に家族全員の名前を書かないようにする
・電話に出る際、こちらの名前を名乗らないようにする
■迷惑なダイレクトメールへの対処法
●郵便物の場合
「受取拒絶」という文字と「押印または署名」を記載したメモや付せんをダイレクトメールに貼り付けて、郵便ポストに投函するか配達の担当者に渡すと、差出人に返還されます。
※開封すると返還できませんのでご注意ください。
●宅配便のメール便などの場合
郵便以外の宅配業者の場合は、メール便に記載されている配達業者に連絡して不要なダイレクトメールを取りに来てもらうか、営業所に持ち込むことで受け取りを拒否できます。
ただし、上記ではダイレクトメールを差出人に返還するだけで、配信停止の意思表示にはならず、再度ダイレクトメールが送付される可能性があります。その場合、送られてこなくなるまで受取拒絶の対応を繰り返すか、差出元に直接連絡をして、ダイレクトメールが不要である意思を伝える必要があります。
備え・防災アドバイザー 高荷智也
身近な危機に対応できる、暮らしの備え・防災をお伝えします。
「備え・防災は日本のライフスタイル。」世界有数の災害大国日本において、私たちの身近に潜むリスクに対処するためには、生活の中に備え・防災を取り込む必要があります。個人と家庭の視点で、暮らしの備えをご案内します。
【URL】 | http://sonaeru.jp/ |
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【経歴】 | 2007年に本業のかたわらで始めた防災ブログが反響を呼び、2011年より防災をテーマとしたセミナー・執筆・メディア出演を開始。2015年に、屋号をソナエルワークスと定め、以来インターネットメディアや講演会などを中心に活躍中。1982年、静岡県生まれ。 |
【メディア】 | テレビ、新聞、雑誌など出演多数、生活者視点の分かりやすい防災アドバイスに定評がある。著書に「中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド(2015年)」、他。 |
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