脱水症状とは?脱水症状の応急処置とは?
炎天下で作業をしていた母が脱水症状を起こしたそうです。脱水症状とはどのような症状なのでしょうか?また身近な人が脱水症状を起こした場合はどのような対処をすればいいのでしょうか?
水分補給をしっかりして、予防をしましょう。但し、スポーツドリンクの過剰摂取には注意です。
脱水症状は大量の汗をかいたとき、発熱、下痢、嘔吐などで体内の水分が失われたときに水分(電解質)補給が少ない場合に起こります。脱水症になると体が水分を補給できない場合が多く、点滴などの処置が必要になります。次の症状がみられたり、意識障害など危険な状態の場合はすみやかに医師の診断による適切な治療を受けて下さい。
■脱水症状
1. 多くは嘔吐、下痢、発熱、熱中症、火傷によって起こる。
2. 目の周囲がくぼむ。(乳児は頭頂部の大泉門※のくぼみがみられる)
3. 唇喉の渇き。
4. おしっこの量が少なく、色が濃くなる。
5. 便秘になる。
6. 手足が冷たく皮膚が乾燥している。
7. 頭痛、めまい、たちくらみがする。
8. ぐったりして意識がもうろうとする。
9. 乳幼児の場合は、泣いても涙が出ない、ヨダレが極端に少なくなる。
※大泉門 : 前頭骨と左右の頭頂骨との間にある菱(ひし)形の、頭蓋骨が閉じていない部分。2歳くらいまでには閉じます。
■乳幼児の応急手当
1. 乳児の場合は、軽症のときは医師に相談の上、市販の経口補助液※を与える。
2. 嘔吐のあと15分くらい待ってから、スプーンなどで経口補助液を少量ずつ飲ませる。
3. ただし3ヶ月未満の乳児の場合や、また嘔吐が続いたり意識障害がある場合は、経口補助液を飲ませないで医療機関を受診する。
※ 旅行など外出先で急に具合が悪くなり、経口補助液が手元にない場合は以下の方法をとってください。
・乳児の場合、母乳やミルクが飲める状態であれば少しずつ飲ませます。
・スポーツドリンクでも代用できますが、電解質が少なく糖分が多いので脱水症に対する効果は少なくなります。
・沸騰させ少し冷ました水1リットルに対して、塩小さじ1/2(約3g)と砂糖(ブドウ糖)大さじ4と1/2(約40g)を混ぜます。レモンやオレンジの果汁を加えると飲みやすくなります。
注意:ティースプーンなどで少量ずつ時間をかけて飲ませます。
■子どもの脱水症状予防
子どもはじっとしていても大量の汗をかきます。子どもの体中の水分含有量は、新生児では体重の80%、乳児は70%で、体重1kgあたりの必要な水分量は成人(60%)より多く必要とします。しかも体重が少ない分、少しの量の発汗でもすぐに脱水症状を引き起こしてしまいます。1日に何度かに分け、こまめに水分を補給してあげましょう。一般的なスポーツドリンクは、子どもにはナトリウムと糖分濃度が濃いため飲料水代わりに飲ませるのは避けましょう。
■高齢者の脱水症予防
基礎代謝量の減少により体内で生成される水分が減少します。特に筋肉・皮下組織などにおける備蓄水分量が減少します。また、のどの渇きが感じにくくなったり、失禁や夜間頻尿などを気にして水分を取らず我慢している方もいて、軽度の脱水では自覚症状がないケースもみられます。とくに介護を必要とされる方は、周囲の気づきが早期治療のポイントになります。脱水症により血液が濃縮され血栓ができやすく脳梗塞や心筋梗塞を併発する場合もあります。基本的に医師の診断による適切な治療を受けるようにしましょう。
■脱水症予防のポイント
1.水分を少量にわけて定期的に補給しましょう(1日2リットル以上を目標)
心臓や腎臓の悪い方はかかりつけ医師の指導をうけましょう。
2.就寝前、起床時、入浴の前後、外出中、運動の前後・運動中には水分補給をしましょう。
3.高齢者の場合、飲料だけで補うのは難しく、水分量の多い食事も心がけましょう。
4.水だけでなく電解質を含んだスポーツドリンク(ただし糖分が多いので糖尿病の方には注意が必要)や野菜ジュースなどでこまめに栄養と水分補給しましょう。
■応急手当の目的
今回は、誰でも簡単に身につけられる応急手当をご紹介いたしました。応急手当(ファーストエイド)とは、怪我や急病のときそれ以上「悪化させない」ように「苦痛を軽減」して、なるべく早く医師の手当てを受けさせることを目的としています。
ファーストエイド・インストラクター 鹿口恵子
突然のケガなどに、誰でもできる応急処置をご案内します。
突然のケガや急病の時に、「それ以上悪化させない」、また「苦痛を軽減」するために応急処置をご紹介していきます。日ごろから応急処置の方法を知っておくことで、突然の事故でも正しい対応が可能になります。
【資格】 | 財団法人日本交通安全普及協会チャイルドシート認定指導員。 東京都消防庁認定 応急手当普及員。 モータースポーツ・ライフセービング機構「ドライバー&子供の応急手当」インストラクター。 NPOキッズデザイン協議会会員。日本交通医学工学研究会会員。 |
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