トラブル解決術

  • ジャパンダのデータ研究所

自転車は車道・歩道、どこを走ればいいのでしょうか?

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引っ越しを機に、自転車で通勤しようと考えていますが、会社までの間には車道や歩道など様々な道があります。基本的に自転車はどこを走行するのが正しいのでしょうか?

自転車は原則として車道の左側端を走行します。

自転車は道路交通法で軽車両とされ、原則として車道の左側端を走行することが決められています。車道の右側を走ることを逆走と呼びます。前から来るクルマが見えるので安心だという理由で逆走する人も多いのですが、極めて危険なのでやめましょう。会社までの道のりは、すべて車道の左側端を走って行くことが望ましいのですが、途中に「自転車の車道通行禁止」の橋があるケースも考えられますので、状況に応じて運転してください。


「自転車通行可」の標識がある歩道ならば徐行して通ることもできますが、車道が危険と判断した場合などに限り認められ、あくまでも歩道は歩行者優先で自転車が通るのは例外だと覚えておきましょう。ベルを鳴らすのも違反です。自転車は通らせてもらっているのだ、と心得ましょう。まぎらわしいのが、歩道上に色分けされた自転車通行帯です。ここはあくまで歩道上なので徐行して通る必要がありますが、夜間など歩行者が一切見当たらない状況に限って適宜スピードを出して良いという例外があります。徐行の定義はすぐに停まれる速度、目安として4~5km/hで大人の歩く速さと変わりません。快適に走れる速度ではないと覚えてください。


あとは「自転車道」の標識がある所では自転車道以外走ってはいけないことになっているほか、一方通行規制のある道路でも「自転車は除く」と補助標識に書いてあれば逆走することができます。但し、この場合でも車道の左側端を走るのは相互通行の道路と変わりません。また車道の第一走行帯(複数車線ある場合の一番建物側)がクルマの左折専用車線(左折レーン)であっても、自転車が直進したい場合は左折レーンから直進して構いません。


「車道は怖い」という先入観がありますが、実際に事故が起きているのは交差点です。歩道を通って来た自転車が横断歩道や自転車横断帯上で左折するクルマに巻き込まれるケースが自転車事故全体の約7割も占めています。これはガードレールがあるおかげでドライバーに心理的な壁ができ、歩道にいる歩行者や自転車が見えなくなっていることに起因します。


一方、交差点以外の車道(単路と言います)では、それほど事故は起きていません。路上駐車の車両がある場合でも後方確認をして、ドライバーとコミュニケーションを取りながら走れば思ったほど怖くないばかりか歩道のように段差が無い分、実は安全・快適なのです。ドライバーにもわざと事故を起こす人はいませんから「安心は歩道、安全は車道」と覚えてください。


自転車ツーキニスト 内海潤

筆者の写真

交通ルールをしっかり守って、安全で楽しい自転車ライフを。

自転車はエコで健康的な乗り物です。手軽な反面、そのルールがあまり知られていないという事実もあります。正しい交通ルールを知って、安全な健康的な自転車ライフを送りましょう。

【URL】 TOKYOツーキニスト http://tokyo-tookinist.com/
【経歴】 NPO法人 自転車活用推進研究会 理事、 練馬区自転車駐車対策協議会 委員
【メディア】 TBS「はなまるマーケット」、フジテレビ「スーパーニュース」、 テレビ朝日「ワイド!スクランブル」などテレビ出演多数。

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