最近エコドライブを気にする人多くなりました。走行する自動車の燃費性能は環境問題だけではなく経済性にも影響するからです。しかし、一般的に知らされているエコドライブ術には大きな落とし穴があるので、自分がどのようにクルマを使っているのか、またはどのようなタイプのクルマなのかをしっかりと理解してから実施するべきです。
「ふんわりアクセル」について
誤解しやすい項目をここでは取りあげてみましょう。まず、公的機関としては省エネセンターが中心となって奨めているエコドライブ術が広まっています。その内容は基本的には間違ってはいないのですが、誤解されやすいものもあります。もっとも気になるのが「ふんわりアクセル」という項目です。
必要以上の急発進は燃費が悪くなるばかりか、交差点で急発進するのは危険です。そこで「ふんわりとアクセルを踏んでください」というのが狙いなのですが、みんな交差点でゆっくりと発進すると一回の青信号でわたれる台数が少なくなり、これでは交差点渋滞が発生の原因になります。しかもクルマのメーターにはエコドライブの目安として点灯する緑色のランプが目につきますが、あまり意識しすぎるとアクセルを踏むことに罪悪感を覚えてしまう人も少なくありません。
しかし、私からのお願いは、交差点では燃費を気にするよりも安全運転を最優先してもらいたいという点です。交通事故の50%以上が交差点で起きているし、最近は左折するクルマの内側を巻き込むようにオートバイや自転車と接触するケースが目立つからです。右折でも対向車に気を取られて横断歩道を渡る歩行者が犠牲になるケースも多発しています。運転手だけではなく歩行者も交差点を渡る時はクルマのドライバーとアイコンタクトするつもりで注意しながら渡ってください。こうした安全への配慮があって初めて環境問題を意識していると言えます。「ふんわりアクセル」の意味は安全運転を宣言した人達が行うべきものです。
エコドライブ実践編
ここでは簡単にあなたにもできる実践的なエコドライブを伝授しましょう。
[ 1 ] エコドライブの前に、ライフスタイルから意識改革をすることが重要です。歩ける距離はクルマを使わずに徒歩や自転車での移動を心がけましょう。
[ 2 ] なるべく軽く! 不要な荷物は積まないようにしましょう。ガソリンタンクはいつも満タンである必要はないでしょう。スキーキャリアなど空気抵抗になるものは外すこと。
[ 3 ] タイヤの空気圧が低いと転がり抵抗が増し燃費が悪くなるだけでなく、タイヤの偏摩耗を引き起こしやすくなります。そこでタイヤ空気圧は指定空気圧よりも10%くらい高めておくことをお勧めします。空気は1ヶ月に2~3%くらい抜けてしまうので月1回は空気圧を点検してください。転がり抵抗10%減らすと燃費は約1.5%向上します。
[ 4 ] ドライブのルートは事前確認しておきましょう。事前に渋滞を予測し、カーナビの交通情報を利用する。しかし無理に空いているルートを選ぶべきではありません。ETC利用は、高速道路のスムーズな流れに貢献します。時間にゆとりをもって出発し出先では渋滞原因となる路上の違法駐車をしないようにしましょう。
[ 5 ] 最近のエンジンは暖機は不要です。エンジンをかけたらすぐにスタート。しかもできるだけエンジンの回転数を下げて走るのがコツです。加速中はアクセルの踏み方に気をくばり早めにシフトアップします。
[ 6 ] 交通の流れを読むことは、安全と燃費に効果的です。前方赤信号や下り坂では早めにアクセルを戻し燃料カットオフを利用します。さらに一定のスピードは燃費に貢献できます。
[ 7 ] もし装備されているなら、高速道路ではクルーズコントロールを積極的に使いましょう。
[ 8 ] 踏切や1分以上停止しそうな場合はアイドリングストップが効果的ですが、夏場(エアコンの使用)や冬場はバッテリーが酷使されているので状況を見て判断します。これはベテラン以外はやらないほうがいいでしょう。さらに停車中はオートマチック車のギアを「N」ポジションに入れるだけでも燃費が節約できます。再スタート時にはギアの位置を確認し、ブレーキとアクセルを踏み間違えないように、集中して発進してください。
[ 9 ] 必要なとき以外はエアコンを切りましょう。温度設定を控えるだけではクルマのエアコンでは効果がありません。カーナビやオーディオなどの快適装備も電力を消費するのでこまめにオフ。5インチのカーナビのモニターを消すだけで1%の燃費が稼げます。ただし、安全のためヘッドライトは早めに点灯します。
[ 10 ] オイルやタイヤを交換するときはエコを意識しましょう。低粘度のエンジンオイルで最大5%の燃費改善、エコタイヤを選択しても5%は燃費が改善できます。