最近の自動車は故障しらずになりました。街中でタイヤがパンクして立ち往生なんてシーンはほとんど見られなくなりました。ガソリンだけ入れておけばどこにでも行ける便利な自動車ですが、最近はハイブリッド車や電気自動車などが人気となり、新しい価値を提供してくれるようになりました。
最新のエコカー達は交差点でエンジンが止まり、またカーナビは行き先をコンピューターが案内してくれます。しかし、今も昔も変わらない重要なことは自動車の安全を支えているのは「黒くて丸いゴム」のタイヤなのです。
カーショップに行くとおびただしい種類のタイヤが店先に並んでいます。自分のクルマに適したタイヤを選ぶことはとても難しいと思います。ある程度の専門知識、それも自動車とタイヤの双方の知識がないと正しい判断はできないでしょう。そこで今回からタイヤの重要性や役割、あるいは普段のチェック方法やパンクの対処法などに関する基礎知識について三回連載でレポートしたいと思います。
タイヤの基本的な役割
黒くて丸いゴムのタイヤは乗用車では前後左右に四本ついています。まずはその基本的な機能から説明しましょう。その前に様々な役割を担うタイヤですが、実は最先端のナノテクノロジーの集大成なのです。この黒いハイテクの結晶は時速400キロで走るレーシングカーから軽自動車まで。あるいは500馬力を超える高性能スポーツカーのタイヤから、雪国の生必需品のスタッドレスタイヤまで、ある共通した基本機能を持っているのです。また近年話題となっている転がり抵抗が少なく燃費がよくなる「エコタイヤ」などは新しいタイヤのニーズなのです。それでは、タイヤにはどんな機能があるのでしょうか?下記にまとめたいと思います。
[ 1 ] 車の重量を支える 2トン近い重さクルマをたった4本のタイヤで支えている
[ 2 ] 衝撃を吸収する 凸凹道や砂利道など路面からの衝撃をタイヤの空気が柔らかく受け止める
[ 3 ] 走る・止まる・曲がる タイヤと路面の間で生じる摩擦力で「走る・止まる・曲がる」という基本的な運動を支えている
このように重いクルマを支え、加速させたり、減速させたり、スムーズにコーナーを駆け抜け、どんな状況でも安全に、しかも音や振動を吸収しながら快適にドライブできるのはタイヤのおかげなのです。しかし路面とタイヤが接地している部分は大きめのハガキ一枚の面積なのです。タイヤの仕事はいかに重要で過酷なのか理解できますよね。
タイヤの種類とサイズ
一方で、自分のクルマの性能に見合ったタイヤを正しく選ぶことはとても重要ですが、種類やサイズが多いので、実際は難しいと思います。そこでアドバイスですが、皆さんがどんなクルマの使い方をするのかについても充分に考えておきましょう。
まず知っておくべき基本的な知識として、新車の場合はそのクルマにもっとも適したタイヤを自動車メーカーとタイヤメーカーが共同で開発します。新車から2~3万キロでタイヤが減ったとき、新車と同じタイヤはカーディーラーで純正部品として購入することになります。この種のタイヤをOEMタイヤと専門家は呼んでいます。
しかしOEMタイヤは数年もすると同じモノが購入することが難しくなったり、価格的にも割高となります。そこで「同等の性能」を有するタイヤがタイヤショップなどで市販さているので、こちらを購入するのが一般的です。このタイヤをリプレイスタイヤと呼んでいます。
タイヤは仮に同じメーカー・同じ銘柄であっても、新車の時に装着していたタイヤとは中身が異なること珍しくありませんが、クルマによってはOEMタイヤを推奨するクルマもあります。しかし、普通はリプレイスタイヤで問題ないので、知識が豊富なプロショップで選んでもらえればいいでしょう。
さて、タイヤの機能をフルに発揮するためにはドライバー自身が定期的な空気圧などの点検をキチンと行わなくてはならないのですが、実施しているオーナードライバーは少ないと思います。空気は必ず減りますから、タイヤ回りの点検を怠らないようにしましょう。次回はその点検方法などを紹介して行きたいと思います。