1.路側帯とは?道路交通法上の定義や役割について

路側帯は、道路交通法に以下のように定義されています。

「歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。」(道路交通法第2条第1項第3号の4)

簡単に言えば、「歩道がない(側の)道路で、歩行者が安全に歩けるよう白線などで区切られたスペース」のことです。

主な目的は、歩行者が道路を安全に通行できるようにすることであり、自動車などは、緊急時や横断・駐停車時を除き、路側帯を通行することが禁止されています(道路交通法第17条第1項)。

2.路側帯の3つの種類と見分け方

路側帯には、「路側帯(一般路側帯)」、「駐停車禁止路側帯」、「歩行者用路側帯」の3つの種類があります。それぞれの特徴と通行のルールを整理しておきましょう。

2.1.路側帯(一般路側帯):実線1本

路側帯(一般路側帯):実線1本

白い実線が1本だけ引かれているのが、もっとも一般的なタイプの路側帯です。

この路側帯内を通行できるのは、原則として歩行者と自転車などの軽車両、そして「特例特定小型原動機付自転車(一定の基準を満たす電動キックボードなど)」のみと定められています(道路交通法第17条の3第1項)。

なお、軽車両と特例特定小型原動機付自転車が通行できるのは、道路の左側に設けられた路側帯のみであり、右側に設けられた路側帯を通行した場合は、道路交通法違反(第17条第1項・通行区分違反)となります。

また、自動車や二輪車(バイク)、原動機付自転車(以下、原付)などは、駐車場といった道路外の施設に入るための横断や、ルールに沿った駐停車をする場合を除き、路側帯の中に入ることはできません。白線の上も路側帯に含まれるため、走行中に白線を踏んでしまうことも違反になります。

2.2.駐停車禁止路側帯:実線と破線

駐停車禁止路側帯:実線と破線

実線と破線の2本で区画された路側帯を「駐停車禁止路側帯」といいます。ここを通行できるのは、一般の路側帯と同じく、歩行者と自転車などの軽車両、そして特例特定小型原動機付自転車のみです。なお、これらのうち歩行者以外は、道路の左側に設けられた路側帯のみ通行が認められています。

自動車や二輪車、原付などは、道路外の施設などに入るための横断を除く通行が禁止され、路側帯内に駐停車することもできません。白線の上も路側帯の一部なので、白線を踏んで駐停車すると違反になります。

駐停車禁止路側帯は、道幅の狭い道路や歩行者の通行が多い道路に設置されていることが多く、駐停車すると通行の妨げになるだけでなく、思わぬ事故を招くリスクが高い場所でもあります。一般の路側帯とは駐停車のルールが異なることをよく理解しておきましょう。

2.3.歩行者用路側帯:実線2本

歩行者用路側帯:実線2本

実線2本で区画された路側帯を「歩行者用路側帯」といいます。歩行者用路側帯は歩行者専用の路側帯であり、通行できるのは歩行者のみです。

自動車や二輪車、原付のほか、自転車などの軽車両や特例特定小型原動機付自転車も原則通行や駐停車が禁止されています。

歩行者用路側帯は、通学路や事故の多い道路など歩行者の安全確保が特に重視される道路に設置されることが多く、自動車だけでなく自転車に乗るときにも注意が必要です。

通行・駐停車の可否
種類
(形態)
自動車や二輪車
の駐停車
自転車など
軽車両の通行(※1)
歩行者
の通行
路側帯
(実線1本)

(※2)
道路左側の
路側帯のみ可(※3)
駐停車禁止路側帯
(実線+破線)
不可 道路左側の
路側帯のみ可(※3)
歩行者用路側帯
(実線2本)
不可 不可(※4)

※1:特例特定小型原動機付自転車を含む
※2:幅75cm以下の路側帯は不可
※3:歩行者の通行を著しく妨げることとなる場合を除く
※4:緊急時や道路外の施設などに入るための横断は可

3.「路肩」や「車道外側線」との違い

路側帯と混同されやすいものに、「路肩」と「車道外側線」があります。これらは役割や通行のルールなどが路側帯とは異なるため、その違いを明確にしておきましょう。

3.1.路側帯と路肩の違い

路側帯と路肩では、根拠となる法律や役割などに違いがあります。

3.1.1.根拠となる法律の違い

路側帯は、交通ルールなどを定めた「道路交通法」では、以下のように定められています。
「歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう。」(道路交通法第2条第1項第3号の4)
つまり、「歩道がない道路で、歩行者が安全に歩けるように白線で区切られた場所」のことで、主に「人」の安全を守るための定義といえます。

それに対し路肩は、安全な通行のために必要な道路の構造などの基準について定めた「道路構造令」で、以下のように定められています。
「道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう。」(道路構造令第2条第1項第12号)

こちらは、「道路を保護したり、非常時の避難場所として確保したりしている空間」を指します。主に道路の造りに関する定義です。

3.1.2.役割の違い

路側帯は、「歩道がない(側の)道路で、歩行者の安全を確保するために設けているスペース」です。

一方、路肩は「道路を保護し、非常時の退避場所や余白部分として、道路を安全・快適に通行できるように設けられているスペース」です。

3.1.3.路側帯と路肩の見分け方

道路の左端寄りのスペースが路側帯なのか路肩なのかは、歩道および白線の有無で見分けられます。

  • 歩道がない+ 白線がある:路側帯(かつ路肩)
    歩道がない道路の左端に白線が設けられている場合、その白線で区画された外側、道路の左端寄りのスペースは歩行者が通行するための「路側帯」です。なお、この部分は構造上、路肩にも該当します。
  • 歩道がない+ 白線がない:路肩
    歩道も白線もない場合、道路の左端から一定幅のスペースは「路肩」です。路側帯は存在しませんが、歩行者も通行するスペースであるため、車で通行する際は注意が必要です。
  • 歩道がある:路肩
    歩道が設けられている道路では、歩行者は歩道を通行します。そのため、路側帯を設ける必要はなく、道路の左端寄り、歩道の右端から一定幅のスペースは「路肩」となります。

なお、道路の左端寄りに設けられた白線(区画線)は「車道外側線(しゃどうがいそくせん)」と呼ばれ、車が安全に走行できる範囲(左端)の目安となる線です。歩道がない道路に実線の車道外側線が設けられている場合、その車道外側線は路側帯を示す道路標示(区画線)となります。

4.路側帯の駐停車ルール

路側帯付近における駐停車のルールについても正しく理解しておきましょう。

4.1.駐停車できる路側帯・できない路側帯

路側帯内に自動車などを駐停車できるのは、実線が1本のみが引かれた路側帯(一般路側帯)のうち、幅が0.75mを超えるものだけです。幅が0.75m以下の一般路側帯と駐停車禁止路側帯、歩行者用路側帯の中に駐停車することはできません。

4.2.正しい駐停車方法

路側帯や歩道の有無によって、正しい駐停車方法は異なります。ルールを守らずに停めると、歩行者やほかの車の通行を妨げてしまう恐れがあるため、道路の状況に応じた停め方を知っておくことが大切です。

4.2.1.幅が広い路側帯の場合

幅が0.75mを超える路側帯(一般路側帯)では、歩行者の通行スペースとして、車両の左側に0.75mのスペースをあければ、路側帯の中に自動車などを駐停車することが可能です。

路側帯の中に車両がすべて入っても、まだその左側に0.75mを超えるスペースがある場合には、車両の右側を白線に沿って駐停車します。

4.2.2.幅が狭い路側帯の場合

幅が0.75m以下の路側帯(一般路側帯)では、路側帯を示す白線の内側には入らず、白線の車道側に沿って停めるのがルールです。歩行者の通行スペースをふさがないよう、停める位置には注意が必要です。

4.2.3.歩道がある場合

歩道がある道路では、歩行者は歩道を通行するため、車両の左側に歩行スペースとして0.75mあける必要はありません。車両が歩道に入らないように車道の左端に沿って駐停車します。

いずれの場合も、そもそも道路交通法で駐停車または駐車が禁止されている場所に駐停車をしてはいけません。また、道路標識などによって駐停車の方法が指定されているときは、その方法にしたがう必要があります。

4.3.ルール違反をした場合の罰則

駐停車・駐車のルールに違反して取り締まられると、違反点数が付き、反則金が科されます。

【駐停車禁止違反となる例】

  • 幅が0.75m以下の路側帯の中での駐停車
  • 駐停車禁止路側帯または歩行者用路側帯の中での駐停車
  • 駐停車禁止の標識や標示がある場所での駐停車
  • トンネル内での駐停車
  • 交差点とその側端から5m以内の場所での駐停車

【駐車禁止違反となる例】

  • 車両の右側車道上に3.5m以上のスペースを確保できない場所での駐車
  • 駐車禁止の標識や標示がある場所での駐車
  • 駐車場や車庫などの自動車専用の出入口から3m以内の場所での駐車

駐停車違反および駐車違反に対する違反点数と反則金額は下表のとおりです。

駐停車違反・駐車違反の違反点数と反則金額
違反行為の種別 違反
点数
反則金額(車両種類別)
大型車 普通車 二輪車
原付
放置 駐停車
禁止
3点 25,000円 18,000円 10,000円
駐車
禁止
2点 21,000円 15,000円 9,000円
非放置 駐停車
禁止
2点 15,000円 12,000円 7,000円
駐車
禁止
1点 12,000円 10,000円 6,000円

※放置:運転者が車から離れている状態での違反、非放置:運転者が車内にいる状態での違反
※違反点数は酒気帯びに該当しない場合の点数
※反則金額は時間制限駐車区間(パーキング・メーターなどが設置され、一定時間有料で駐車できる場所)および、高齢運転者等専用駐車区間等(高齢者や障害者などで駐車禁止等除外標章の交付を受けている方のみが駐車できる場所)以外の場所における金額

また、自動車や二輪車・原付で路側帯を通行した場合などは、通行区分違反となって違反点数が2点付き、車両の種類に応じて反則金が科されます。

【通行区分違反となる例】

  • 自動車や二輪車・原付で歩道や路側帯を通行したとき
  • 自動車や二輪車・原付で道路右側の車道を通行したとき(逆走)
  • 自転車で歩行者用路側帯を通行したとき
  • 自転車で道路右側の車道や路側帯を通行したとき(逆走)
通行区分違反の違反点数と反則金額
違反行為の種別 違反点数 反則金額(車両種類別)
大型車 普通車 二輪車 小型特殊車
原付
軽車両
通行区分 2点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円

※違反点数は酒気帯びに該当しない場合の点数

ルールに違反すると、事故の危険性が高まるだけではなく、違反点数が付き、罰則として反則金が科されます。ゴールド免許保有者(優良運転者)の場合は、1回でも違反をすると次回の免許更新でブルー免許となり、任意保険のゴールド免許割引が適用されなくなるなどの不利益が生じます。そうならないように、ルールを正しく理解し、違反しないように十分気をつけましょう。

5.路側帯での事故・トラブルに備える自動車保険

路側帯には、歩行者や自転車との接触、縁石やガードレールへの衝突、側溝への脱輪(落輪)など、さまざまな事故やトラブルのリスクが潜んでいます。このようなリスクを回避・軽減するためには、交通ルールを守り、安全運転を心がけることが大切です。それでもなお防ぎきれない事故やトラブルには、自動車保険に加入して備えましょう。

5.1.歩行者や自転車との接触事故

路側帯は、歩行者や自転車などが車のすぐ近くを通行し、またバイクや原付の違法な通行なども見られるため、人との接触事故(人身事故)が起こりやすい場所です。このような事故の備えとなるのが、自賠責保険や任意保険の対人賠償責任保険です。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車事故の被害者に対する最低限の補償を確保するため、すべての自動車に加入が義務付けられている保険です。自動車事故で他人を死傷させ損害賠償責任を負った場合、自賠責保険から一定の限度額の範囲内※でその損害が補償されます。
※被害者1名につき、死亡:最高3,000万円、後遺障害:最高4,000万円、傷害:最高120万円

任意保険の対人賠償責任保険は、自賠責保険を補完する役割を持つ保険であり、人身事故において自賠責保険で支払われる限度額を超える損害賠償額に対して保険金が支払われます。

人身事故は損害賠償額が高額となるケースも多く、数億円に上ることもあります。万一の事故に備えて自賠責保険と任意保険の両方に加入し、対人・対物賠償の補償金額を無制限にするなど十分な補償を確保しておくことが大切です。

5.2.自車の損害に備える

路側帯では、縁石やガードレールへの衝突、側溝への脱輪(落輪)などの事故やトラブルが発生し、自身の車が損害を被るリスクがあります。

このような自車の損害やトラブルに備えるには、任意保険の車両保険やロードサービス(ロードアシスタンス)が有効です。補償される範囲や内容は、加入する商品や契約条件によって異なるため、よく確認しておきましょう。

6.まとめ

路側帯は歩行者が安全に道路を通行できるようにするために設けられたスペースであり、ドライバーは通行や駐停車に関するルールを正しく理解しておかなければなりません。安全運転を心がけることはもちろん、万一の事故やトラブルに備え、自身の自動車保険の補償内容も今一度確認しておきましょう。

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