卒業検定とは何?
車の卒業検定は、自動車教習所を卒業するために必要な最終試験です。検定では、運転技術や交通ルールを守る能力がチェックされます。実際に車を運転して、指定されたコースを走行し、急ブレーキや車庫入れなどの技術を披露します。
合格すれば、運転免許試験を受ける資格が得られます。緊張せずに、普段通りの運転を心がけ、ルールを守ることが大切です。
入所から卒業検定までの流れ
自動車教習所に入所してから卒業検定を受けるまでの一般的な流れは以下の通りです。
《 流れ 》
1. 入所・受講開始
2. 第一段階
3. 修了検定(運転試験)・仮免学科試験
4. 第二段階
5. 卒業検定(技能試験)
入所から卒業検定までの流れは、まず自動車教習所に入所し、運転に必要な基礎知識や技術を学ぶことから始まります。最初は座学で交通ルールや道路標識について学び、その後実際の車を使って運転技術を身につけていきます。実技の授業では、指導員の指示に従いながら、安全に運転するための基本的なスキルを習得します。
ある程度運転に慣れてきたら、技能教習が終了し、仮免許の試験を受けることになります。仮免許試験に合格すれば、実際の道路で運転することが許可され、さらに練習を重ねます。この時点で、卒業検定を受ける準備が整ったことになります。
卒業検定前には、試験のコースを走るなどして、最終的な練習が行われます。卒業検定では、運転技術や交通ルールをきちんと守ることが求められます。
卒業検定の内容
卒業検定には、押さえておくべきいくつかのポイントがあります。事前に内容を把握することで、合格率が上がりやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
所要時間・コース
卒業検定は、路上と場内の2つのコースで行われます。路上は実際の道路を走行し、場内は自動車教習所敷地内にある専用の練習コースを使用します。コースは自動車教習所によって異なるため、試験前に自分が走行するコースの特徴を確認しておくことが大切です。
所要時間は、路上走行が約20分から25分、場内走行が5分程度です。卒業検定では、路上と場内両方を走行する必要がありますが、どちらか一方だけではなく、両方の走行をしっかりとこなさなければなりません。
合格基準・合格率
卒業検定は、100点満点から減点方式で採点されます。具体的には、試験終了時に70点以上残っていれば合格となります。
警視庁が行った調査(※)によれば、令和5年度の卒業検定の合格率は76.8%でした。
(※)警視庁「運転免許統計 令和5年版」
減点基準
減点される基準は明確に定められており、具体的には以下のような行為が減点の対象となります。
減点数 | 減点項目 |
---|---|
5点 | 発進合図(しない・続・もどし)、切り返し、踏切内変速 |
10点 | 不確認、急ハンドル、ふらつき小、警音器、急ブレーキ |
20点 | 逆行中(逆走)、ふらつき大、合図車妨害、速度超過 |
試験中止 | 追越し、割込み、安全義務、減点超過、試験官補助(ブレーキ・ハンドル・指示・装置)、指示違反 |
表引用:警視庁「運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(通達)」
注意点
卒業検定に合格したからといって、すぐに運転免許が発行されるわけではありません。
卒業検定に合格すると、運転免許試験を受ける資格が得られますが、実際の免許を取得するためには、運転免許試験に合格し、その後、所定の手続きを経て免許が発行されます。卒業検定は、あくまで免許試験を受けるための前提条件として位置づけられています。
卒業検定(技能試験)に合格するために気をつけること
卒業検定に合格するためには、特別な技術や方法を使う必要はなく、基本的なルールを守ることが大切です。以下で2つのポイントについて解説します。
交通ルールを守ること
卒業検定では、運転技術だけでなく、交通ルールの遵守も厳しくチェックされます。信号や標識を守ることはもちろん、車間距離を適切に保ち、右左折時にはウィンカーを忘れずに出すなど、基本的な交通ルールをしっかり守ることが求められます。
たとえ運転技術が優れていても、交通ルールを守らないと減点対象となり、合格が難しくなるため、ルールを意識して運転することが非常に重要です。
焦らず冷静に運転すること
卒業検定では緊張して焦る場面もありますが、焦って運転ミスをすると減点の原因になります。検定中は冷静さを保ち、試験官の指示に従いながら運転することが大切です。
特に、急ブレーキや不安定な運転は減点対象となるため、落ち着いて操作することを心がけましょう。焦らず、普段通りの運転をすることで、ミスを防ぎ、合格の確率が高まります。
卒業検定に落ちたらどうなる?
卒業検定に落ちても、焦らずにしっかりと復習を行い、再挑戦することが大切です。以下で2つのポイントについて解説します。
補習教習を受けて再受験できる
卒業検定に不合格になった場合、補習教習を受けることができます。補習は、自分が不足している運転技術や知識を再確認し、再受験に備えるための学びの場です。
補習教習では、指導員からのアドバイスを受けて、改善すべきポイントに重点を置いた練習を行います。
教習費用が追加される場合がある
卒業検定に落ちた際の補習教習は、追加費用がかかる場合があります。多くの自動車教習所では、補習の費用が別途発生するので、再受験に向けた費用の確認をしておくことが重要です。
また、再受験の回数に制限がある場合もあるため、早めに準備を整えることをおすすめします。
まとめ
卒業検定は、運転免許を取得するための重要なステップであり、安全運転技術や交通ルールの遵守が求められます。合格するためには、特別なことをする必要はなく、基本的な運転技術やルールをしっかり守ることが大切です。
万が一、卒業検定に落ちてしまった場合でも、補習教習を受けて再受験が可能です。ただし、再受験には追加の費用がかかることがあるので、予算の確認が必要です。冷静に運転し、しっかり準備をして卒業検定に臨むことで、無事に免許取得を目指しましょう。
※この記事は2025年2月時点の情報です。
執筆者プロフィール
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