車のナンバープレートの役割

ナンバープレートは、車両ごとに割り当てられた識別番号で、登録情報と紐づいているため、所有者や使用地を特定する役割があります。
また、「地名」や「分類番号」などの情報から、どこで登録されたどんな種類の車なのかが分かる仕組みになっています。さらに、交通違反の取り締まりや盗難車の追跡にも活用され、防犯対策としても重要な役割を果たしています。
なお、自動車のナンバープレートは、道路運送車両法第19条により、見やすく表示しなければ運行できません。また、道路運送車両法施行規則第8条の2では、走行中に番号が判読できるよう、自動車の前面および後面の見やすい位置に確実に取り付けることが定められています。
車のナンバープレートの見方
車のナンバープレートには、車両の情報が詰まっています。以下では、ナンバープレートの「地名」「分類番号」「ひらがな」「一連指定番号」について詳しく解説します。
地名
ナンバープレート上部に表示される地名は、車両の「使用の本拠の位置」を管轄している運輸支局、または自動車検査登録事務所の所在地を示しています。「使用の本拠の位置」とは、実際に車を使用する場所、通常は車の使用者の現住所を指します。
例えば、京都府全域は一つの運輸支局が管轄しており、現住所が京都市でも舞鶴市でも、ナンバープレートには「京都」と表示されます。一方、神奈川県は「横浜」「川崎」「相模」「湘南」に分かれており、現住所が横浜市なら「横浜」ナンバー、小田原市なら「湘南」ナンバーとなります。このように、地名表示は地域の運輸支局や自動車検査登録事務所の管轄区域によって決まります。
参考:国土交通省「都道府県 ナンバープレート表示」
分類番号
地名の右隣にある3桁の数字は「分類番号」と呼ばれ、車の用途や種別を表しています。特に1桁目の数字が重要で、以下のように分類されます。
普通 | 貨物自動車 | 1,10~19,100~199 |
---|---|---|
乗合自動車 | 2,20~29,200~299 | |
乗用自動車 | 3,30~39,300~399 | |
小型 | 貨物自動車 | 4,40~49,400~499 |
6,60~69 | ||
乗用自動車 | 5,50~59,500~599 | |
7,70~79 | ||
特種用途自動車 | 8,80~89,800~899 | |
大型特殊自動車 | 9,90~99,900~999 | |
大型特殊自動車のうち建設機械 | 0,00~09,000~099 |
例えば、「3ナンバー」は1桁目が「3」の普通乗用車、「5ナンバー」は1桁目が「5」の小型乗用車を指します。また、分類番号の下2桁は、一連指定番号が希望番号かどうかを示しています。
さらに、1999年に希望番号制度が開始された結果、人気ナンバーでは分類番号が尽き、現在はAやBなどのアルファベットが使用されています。
ひらがな
ナンバープレートの左下に表示されるひらがな1文字は、車の用途を示しています。主な用途と使用されるひらがなは以下の通りです。
事業用 | あいうえかきくけこを |
---|---|
自家用 | さすせそたちつてとなにぬねの |
はひふほまみむめもやゆらりるろ | |
貸渡(レンタカー)用 | れわ |
駐留軍人・軍属私用等 | EHKMTYよ |
使用されない文字 | おしへゐゑん |
なお、「お」「し」「へ」「ん」の4文字は使用されていません。その理由は、「お」は「あ」「す」「む」と間違いやすく、「を」とも発音が似ているため、「し」は「死」を連想させるため、「へ」は「屁」を連想させるため、「ん」は発音が難しいためとされています。
一連指定番号
ナンバープレートの中央に大きく表示された4桁の数字は「一連指定番号」と呼ばれ、「・・・1」から「9999」までの番号が割り当てられています。基本的には申請順に番号が指定されますが、希望する番号を申請することも可能です。
なかでも、縁起の良い「7777」や記念日を組み合わせた番号などは人気です。ただし、人気の高い番号は抽選対象となる場合があります。
車のナンバープレートの種類
車のナンバープレートには、車両の用途や所有形態に応じてさまざまな種類があります。以下では、「一般ナンバー」「希望ナンバー」「図柄ナンバー」の3種類について解説します。
一般ナンバー

一般ナンバーは、標準的なナンバープレートで、車両の登録時に自動的に割り当てられる番号で、車両の種別や用途によってプレートの色や文字の色が異なります。
例えば、自家用の普通乗用車は白地に緑文字、事業用の普通乗用車は緑地に白文字が使用されます。また、軽自動車の場合、自家用は黄色地に黒文字、事業用は黒地に黄色文字となります。これらの色分けにより、車両の用途や所有形態が一目で判別できるようになっています。
希望ナンバー
希望ナンバー制度は、1999年5月から導入された制度で、車両所有者が希望する番号を指定できるものです。これにより、誕生日や記念日、縁起の良い数字など、自分にとって特別な番号を選ぶことが可能になりました。
ただし、人気の高い番号については抽選となる場合があります。希望ナンバーを取得するためには、所定の手続きと手数料が必要です。詳しい手続き方法や費用については、各都道府県の運輸支局や、自動車検査登録事務所の公式サイトで確認できます。
参考:国土交通省「希望ナンバー制について」
図柄ナンバー

図柄ナンバーは、地域の特色や観光資源をPRするために、ナンバープレートの背景に特別なデザインが施されたものです。
例えば、熊本県では「くまモン」、愛媛県では「みきゃん」などのキャラクターが描かれています。図柄ナンバーは、地域振興や観光促進の一環として導入されており、希望者は追加の交付手数料を支払うことで取得が可能です。
また、寄付金を併せて支払うことで、フルカラーのデザインを選択できる場合もあります。詳しい情報や申し込み方法については、国土交通省の公式サイトや各地域の運輸支局の案内をご確認ください。
参考:国土交通省「図柄入りナンバープレート」
車のナンバープレートの決め方
車のナンバープレートは、希望ナンバー制度を利用することで、自分の好きな数字を選ぶことができます。
選び方としては、縁起の良い数字や語呂合わせ、ぞろ目、記念日、風水的に良い数字など、さまざまな方法があります。以下にそれぞれの特徴を解説します。
縁起の良い数字
日本では、古くから数字に特別な意味を持たせる文化があります。特に「8」は末広がりを意味し、繁栄や発展を象徴する縁起の良い数字とされています。
また、「1」「3」「5」などの奇数も、割り切れないことから縁起が良いとされています。こうした数字を組み合わせて「358」や「8008」などのナンバーを選ぶ人も多く、特に「358」は旧約聖書や風水などで神聖な数字とされ、人気があるそうです。
特に、風水では、特定の数字の組み合わせが運気を高めるとされています。特に「168」は「一路発財」を意味し、成功や繁栄を象徴する数字として人気です。中国では、「16888」のナンバープレートは、「一路発財:ずっと儲かる」という縁起の良さから人気が高く、過去には競売で27万元(約410万円)という高額で落札されたという話もあるほどです。
また、「15」「24」「31」「32」「52」などの2桁の数字も、それぞれ仕事運や金運、人気運などを高めるとされています。
語呂合わせの数字
数字の音を使って言葉に置き換える語呂合わせも、ナンバー選びの一つの方法です。
例えば、「1122」は「いい夫婦」、「2525」は「ニコニコ」、「2951」は「福来い」など、覚えやすく親しみやすいナンバーとして人気です。また、自分の名前や愛車の車名を語呂合わせにすることで、オリジナリティを出すこともできます。
ぞろ目の数字
同じ数字が連続する「ぞろ目」のナンバーは、見た目のインパクトが強く、覚えやすいことから人気があります。特に「1111」「7777」「8888」などは希望者が多く、抽選対象となる場合もあります。
《 全ての地域における抽選となるナンバー(13通り) 》
1,7,8,88,333,555,777,888,1111,3333,5555,7777,8888
地域名表示 | 抽選対象になっている番号 |
---|---|
千葉 | 1122 |
横浜 | 3,5,9,10,11,18,33,55,77,111,1000,1001,1010,1122,1188,2525,7000,8000,8008 |
京都 | 3,5,11,33,55,77,111,1001,1122,1188,8008 |
記念日の数字
自分や家族の誕生日、結婚記念日など、特別な日付をナンバーにすることで、愛着が湧くとともに、忘れにくくなります。例えば、「0707」は7月7日、「1122」は11月22日など、日付をそのまま数字に置き換えて選ぶことができます。
車のナンバーの取得方法
車のナンバープレートは、標準的な「一般ナンバー」のほか、自分の希望する番号を選択できる「希望ナンバー」制度があります。以下では、希望ナンバーの申込み条件、取得にかかる料金と期間、そして取得の流れについて詳しく解説します。
希望ナンバーの申込み条件
希望ナンバー制度は、以下の場合に利用できます。
1. 新車や中古車でナンバープレートが未取得の場合
2. 管轄変更を伴う名義変更または住所変更、引越しなどで管轄地域が変わる場合
3. 現在のナンバープレートが破損、汚損、紛失、盗難に遭った場合
4. 地域振興などで新たに導入されたご当地ナンバーに変更する場合
ただし、二輪自動車(バイク)は希望ナンバー制度の対象外となっています。
(※)参照:一般社団法人自動車検査登録情報協会「希望ナンバー制度」
希望ナンバーの取得にかかる料金と期間
希望ナンバーの取得にかかる費用は、地域やナンバープレートの種類によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
● ペイント式ナンバープレート:4,000円~4,500円程度
● 字光式ナンバープレート:5,000円~7,000円程度
手続きに要する期間は、申込みから交付可能日まで、入金確認後4日から1週間程度です。ただし、抽選対象希望番号の場合は、抽選結果により期間が延びることがあります。
希望ナンバーの取得の流れ
希望ナンバーを取得するための一般的な手順は以下の通りです。
1. 申し込む
インターネット上の「希望番号申込サービス」から申請します。
2. 手数料を支払う
申込み完了後、指定された方法で交付手数料を支払います。
3. 交付可能日を確認する
入金確認後、交付可能日が通知されます。
4. ナンバープレートを受け取る
交付可能日以降に、管轄の運輸支局や自動車検査登録事務所でナンバープレートを受け取ります。
5. 取り付けと登録を行う
新しいナンバープレートを車両に取り付け、必要な登録手続きを完了させます。
なお、登録自動車の場合、後部のナンバープレートには封印が必要となるため、車両を運輸支局に持ち込む必要があります。軽自動車の場合は封印がないため、ナンバープレートと必要書類のみで手続きが可能です。
車のナンバーの再発行・変更が必要なタイミングとは
車のナンバープレートの再発行や変更が必要になるタイミングはいくつかあります。まず、ナンバープレートが汚れたり、傷ついたりして判読できなくなった場合や、事故などで破損してしまった場合は、再発行の手続きを行う必要があります。また、盗難や紛失に遭った際も、新しいナンバーを取得する必要があります。
さらに、引っ越しなどで車の使用本拠地が変わり、管轄する運輸支局や自動車検査登録事務所が変更になる場合は、新しい地域のナンバープレートへと変更しなければなりません。加えて、希望ナンバーを取得したい場合や、図柄ナンバーなどデザイン入りのナンバープレートへ変更したい場合も、新たに申請を行い取得することが可能です。
車のナンバープレートの再発行の流れ
車のナンバープレートが折れ曲がったり、汚れたりして再発行する際の手続きは、一般的に以下の流れで進めます。ナンバーを変更する場合や、申請用紙・手数料は地域によって異なるため、管轄の運輸支局の公式サイトをご確認ください。
参考:国土交通省「同一番号再交付(ナンバープレート再交付)」
①必要書類を窓口に提出する
まず、運輸支局や検査登録事務所の窓口に以下の書類を提出します。
● 自動車検査証(車検証)の写し
● 自動車登録番号標再交付申込書
申込書には、再交付を希望する理由や車両情報を正確に記入してください。
②交付手数料を支払う
次に、標板交付代行者の窓口で交付手数料を支払います。手数料の金額は地域やナンバープレートの種類によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
③自動車登録番号標再交付引換証を受け取る
手続き完了後、標板交付代行者から「自動車登録番号標再交付引換証」が発行されます。引換証には、交付可能日や交付期限が記載されているので、大切に保管してください。
④新しいナンバープレートを受け取る
交付可能日以降に、引換証と交換するナンバープレートを持参し、標板交付代行者の窓口で新しいナンバープレートを受け取ります。後部のナンバープレートを再交付する場合は、封印が必要となるため、車両を運輸支局に持ち込んで封印を受ける必要があります。
車のナンバープレートにおける注意点
車のナンバープレートは、道路運送車両法に基づき適切に表示する義務があります。適切に取り付けられていないと、罰則の対象になることもあるため、正しい設置方法や禁止行為を把握しておきましょう。
設置角度を守る
ナンバープレートは、走行中に判読しやすい角度で設置する必要があります。道路運送車両法施行規則第8条の2では、前後のナンバープレートを「見やすい位置」に確実に取り付けることが義務付けられており、違反すると50万円以下の罰金が科される可能性があるため、注意が必要です。
特に、前面のナンバープレートを大きく傾けたり、意図的に見えづらくしたりするような取り付けをした場合、整備不良と判断されることがあります。スポーツカーなどで角度を調整することが多いですが、極端な変更は避けるようにしましょう。
ナンバープレートの封印を勝手に取り外さない
普通自動車の後部ナンバープレートには、「封印」と呼ばれる金属のキャップが取り付けられています。封印は、正規の登録車両であることを証明するものであり、本人や第三者が勝手に取り外すことは禁止されています。
無断で封印を外した場合は、不正改造と見なされ、罰則が科されることもあるため十分注意しましょう。
見えにくくするような行為を行わない
ナンバープレートを意図的に見えにくくする行為は違法とされています。例えば、以下のような行為が禁止されています。
● ナンバープレートを汚れた状態のままにする
● 文字や数字が判読しにくくなるカバーを取り付ける
● ステッカーや装飾で一部を隠す
● 物理的にプレートを折り曲げたり、角度を変えたりして見づらくする
こうした行為は、道路運送車両法第19条に違反する可能性があり、罰則(50万円以下の罰金など)が科されることがあります。また、警察による取り締まりの対象となり、違反点数が加算されるケースもあるため注意が必要です。
まとめ
車のナンバープレートには、地域を示す「地名」、車両の種別を表す「分類番号」、用途を示す「ひらがな」、個別の識別番号である「一連指定番号」などが含まれています。希望ナンバー制度を利用すれば、自分の好きな数字や風水で良い4桁を選ぶことも可能です。
この記事を参考に、自分にぴったりのナンバーを見つけて、楽しいドライブを楽しみましょう!
※この記事は2024年12月時点の情報です。
執筆者プロフィール
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