1.自賠責保険証明書とは

自賠責保険証明書(正式名称:自動車損害賠償責任保険証明書)とは、すべての自動車やバイク(原動機付自転車を含む)に加入が義務付けられている「自賠責保険(強制保険)」への加入を証明する公的な書類です。

車やバイクを購入した際や車検の際に、販売店や整備工場を通じて自賠責保険に加入し、証明書が交付されるのが一般的です。

重要な書類であるため、「なくさないように家に置いておこう」と考える方もいるかもしれません。しかし、自賠責保険証明書は、車やバイクに備え付けて運転することが法律によって義務付けられています。

万が一の際にすぐ提示できるよう、自動車検査証(車検証)と一緒に「車検証入れ」にまとめ、助手席前のダッシュボード(グローブボックス)や、バイクであればシート下の収納スペースに入れて保管するのが一般的です。

2.携帯が義務付けられている理由や罰則について

では、なぜ自賠責保険証明書の携帯が義務付けられているのでしょうか。理由は、その車が「公道を走る資格」を持っていることをいつでも証明できるようにするためです。

車の運転には常に事故のリスクが伴います。そのため、万が一の際に被害者を救済する備えがない状態で運転することは認められていません。

もし、このルールを破った場合は厳しい罰則があります。

  • 不携帯(証明書を持たずに運転):30万円以下の罰金が科せられます。
  • 無保険(保険に未加入・保険の期限切れで運転):1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に加え、違反点数6点(即座に免許停止処分)となります。

このように、「うっかり忘れた」では済まされない重いペナルティがあることを認識し、必ず携帯するようにしましょう。

3.自賠責保険証明書に記載されている内容

自賠責保険証明書には、契約に関する重要な情報が記載されています。万が一の事故の際には、記載されている内容から警察や被害者が「この車の自賠責保険がいつまで有効で、どの保険会社の自賠責保険に入っているか」などをすぐに確認できるようになっています。

主な記載項目は以下のとおりです。

  • 証明書番号: 保険契約ごとに割り振られた固有の番号
  • 自動車登録番号・車台番号: 保険の対象車を特定するナンバープレートや車体刻印
  • 契約者の氏名・住所: 車の所有者(使用者)の氏名と住所
  • 自動車の種別: 「自家用乗用車」や「小型二輪自動車」などの車両区分
  • 保険期間: 補償の開始日と終了日
  • 保険会社名・収納済印: 引受保険会社名と、保険料領収を示す印

これらの項目に間違いがあると、補償がスムーズに受けられない可能性があります。自賠責保険証明書を受け取ったら、記載内容に誤りがないかしっかり確認しましょう。

4.自賠責保険証明書の提示を求められる場面

自賠責保険証明書の運転中の携帯は法律上の義務ですが、手続きやトラブル対応など主に以下の3つの場面で提示が求められるケースがあります。

4.1.車検を受けるとき

車検(継続検査)を受ける際には、自賠責保険証明書の提示が必須です。車検を通すためには、車検証の有効期間をすべてカバーする自賠責保険に加入していることが、法律上の必須条件だからです。

一般的には、車検と同時に自賠責保険の更新手続きを車検業者が行います。その際、業者は自賠責保険証明書で「保険期間」を確認し、保険期間が途切れないように更新手続きを進めます。

4.2.交通事故を起こしたとき

万が一、交通事故の当事者になってしまった場合にも、警察への届け出などで自賠責保険証明書が必要です。

  • 加害者になった場合
    被害者や警察に対して加入している自賠責保険の「保険会社名」や「証明書番号」を正しく伝える義務があります。
  • 被害者になった場合
    相手の自賠責保険証明書を見せてもらい、情報をメモしておきましょう。自賠責保険には、交通事故でケガをされた方が、治療費などを相手の保険会社に直接請求できる「被害者請求」という仕組みがあります。もし事故相手との話し合いがうまくいかなかった場合でも、相手の自賠責情報が分かっていれば、自分で請求手続きを進められるため安心です。

4.3.名義変更や廃車の手続きをするとき

車の名義変更や廃車手続きをする際にも、自賠責保険証明書が必要になります。

  • 車の売却・譲渡をする場合
    車を売却したり、家族や知人に譲ったりして名義変更をする際は、自賠責保険の権利も新しい所有者に移す必要があります。自賠責保険証明書は、車と一緒に、次の所有者へ渡します。
  • 廃車の場合
    車を廃車(抹消登録)した後、自賠責保険を解約する際に証明書が必要です。保険期間が一定以上残っていれば、解約返還保険料が戻ってくる場合があるため、忘れずに手続きしましょう。

自動車保険(任意保険)の名義変更については、以下の記事で詳しく解説しています。

5.自賠責保険証明書を紛失したら再発行はできる?

もし自賠責保険証明書を紛失した場合は、速やかに再発行の手続きを行ってください。原則として再発行の費用はかからず、加入している保険会社の窓口であればその場で再発行が可能です。

また、Web申請を利用する場合、受け取り方法によって再発行にかかる期間が異なります。郵送で受け取る場合は約1~2週間かかりますが、PDFデータのダウンロードであれば、申請受付完了のメールが届き次第(通常、申請日の翌営業日から数日後)取得可能です。

もし、どの保険会社に加入しているかわからない場合は車検を受けたお店へ問い合わせるか、車検に関する過去の書類を確認してみてください。

再発行に必要な書類は以下のとおりです。(窓口手続きの場合)

  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 車両情報が確認できるもの(車検証など)

まとめ

自賠責保険証明書は、万が一の事故に備えて被害者を救済する自賠責保険への加入を証明する重要な書類です。法律により、車やバイクを運転する際は常に携帯することが義務付けられています。最近では保険会社から正式に発行された自賠責保険証明書(電子)をスマートフォンに保存して携帯することも認められるようになりました。

もし紛失してしまった場合は、すぐに加入している保険会社へ連絡し、再発行の手続きをしましょう。窓口であれば即日発行も可能です。紙の自賠責保険証明書をスマートフォンで撮影した画像を提示したり、電池切れなどで自賠責保険証明書(電子)が提示できない場合は不携帯となるので注意が必要です。
いざというときに困らないよう、紙でもデータでもいつでも提示できる状態にしておき、期限切れで罰則を受けないように、定期的に有効期間を確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2026年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。

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