1.ハイブリッド車(HEV)とは?仕組みや種類について
ハイブリッド車(HEV)はどのような車なのか、まずはその仕組みと種類、そしてよく似ているプラグインハイブリッド車(PHEV)との違いについて解説します。
1.1.ハイブリッド車の仕組み
ハイブリッド車(HEV)とは、複数の動力源を組み合わせて走る車のことをいいます。現在、市販されているハイブリッド車の多くは、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたものです。
ハイブリッド車の最大の特徴は、2つの動力を走行状況に応じて効率良く使い分けることです。一般的なハイブリッド車では、発進や低速走行時にはモーターが、加速や高速走行時にはエンジンがメインで動くよう、状況に応じて賢く切り替わります。特に、エンジンが苦手とする発進や低速走行では、回転数が低く効率が悪いため、モーターがその役割を担うのです。
さらに、ハイブリッド車はブレーキをかけたときに発生するエネルギーも無駄にしません。減速時のエネルギーは回生エネルギーとして電気に変換され、バッテリーに蓄えられます。蓄えられた電気は再びモーターを動かす際に使われるため、ガソリンの消費を抑え、排出ガスも削減できるのです。一般的なハイブリッド車では、この回生エネルギーとエンジンで発電した電気が充電源となります。
1.2.プラグインハイブリッド車(PHEV)との違いは?
プラグインハイブリッド車(PHEV)は、ハイブリッド車と電気自動車(EV)の長所を併せ持った車で、外部の電源から車両側のバッテリーに充電できる点が大きな特徴です。
プラグインハイブリッド車は一般的なハイブリッド車よりも大容量のバッテリーを搭載しており、充電した電気を使って電気自動車としての走行割合を増加させることで、ガソリンの消費をさらに抑えられます。また、バッテリーの電気を使い切ってもハイブリッド車としてそのまま走行できるため、ロングドライブも安心です。
2.ガソリン車や電気自動車(EV)との違い
ハイブリッド車とよく比較される、ガソリン車や電気自動車(EV)との違いも確認しておきましょう。
2.1.ガソリン車との違い
ガソリン車がエンジンのみで走る車であるのに対し、ハイブリッド車はエンジンとモーターなど複数の動力源を組み合わせて走る車です。
ガソリン車はハイブリッド車と比べて車両価格を抑えやすい点がメリットです。一方で、ガソリン車は走行時には基本的にエンジンを使い続けるため、ハイブリッド車よりも燃費は悪くなる傾向があります。
ハイブリッド車は、エンジンとモーターという2つの動力源を効率良く組み合わせ、走行状況に応じてそれらを最適に使い分けることで、ガソリン車よりも燃費が良くなり、ガソリン代を抑えやすい点がメリットです。燃料消費量を抑えられるため環境にも優しく、自動車重量税や自動車税・軽自動車税(環境性能割)の減免を受けられるケースもあります。
| 項目 | ガソリン車 | ハイブリッド車 |
|---|---|---|
| 燃費 | 普通~やや劣る | 非常に良い |
| 車両本体価格 | 比較的低い | 比較的高い |
| 静粛性 | 低い | 高い |
| 航続性能 | 高い | 非常に高い |
| 整備性 | 高い | やや低い |
| 給油 | 必要 | 必要 |
| 充電 | 不要 | 不要 (PHEVは必要 ※1) |
※1:電欠(走行用バッテリーの電力不足)時もエンジンで走行可能
2.2.電気自動車(EV)との違い
電気自動車(EV)は、バッテリー(蓄電池)に蓄えた電気でモーターを回転させて走る車です。ハイブリッド車との大きな違いは、エンジンが搭載されておらず、モーター(電気)だけで走る点です。
エンジンのない電気自動車は構造がシンプルで、騒音や振動が少なく、走行中の排気ガスも一切ありません。ガソリンを必要としないため、ハイブリッド車よりも走行にかかるコスト(ランニングコスト)を抑えやすい傾向にあります。また、電気自動車購入時には国や自治体から補助金が支給され、減税制度においてもハイブリッド車より優遇されています。
一方で、電気自動車は充電が必要であり、充電に時間がかかる、充電設備の数が少ないといったデメリットがあります。電気自動車は一般的にハイブリッド車よりも航続距離が短いため、長距離走行時にはバッテリー切れに注意が必要です。ハイブリッド車はエンジンで発電するため基本的に充電は不要で、外部の電源からも充電可能なプラグインハイブリッド車もあります。
電気自動車の車両価格は同クラスのハイブリッド車に比べて高めで、手厚い補助金があっても購入時の負担は大きくなりがちです。
| 項目 | 電気自動車 | ハイブリッド車 |
|---|---|---|
| 燃費 | 非常に良い | 非常に良い |
| 車両本体価格 | 高い | 比較的高い |
| 静粛性 | 非常に高い | 高い |
| 航続性能 | やや劣る | 非常に高い |
| 整備性 | 高い | やや低い |
| 給油 | 不要 | 必要 |
| 充電 | 必要 | 不要 (PHEVは必要 ※1) |
※1:電欠(走行用バッテリーの電力不足)時もエンジンで走行可能
3.ハイブリッド車のメリット
ハイブリッド車には、次のようなメリットがあります。
- 燃費性能が優れている
- 走行時の音が比較的静か
- 地球環境に優しい
- 自動車保険のエコカー割引がある
- 税制優遇や補助金制度の対象になる場合がある
- エンジンへの負担が少なく長持ちしやすい
それぞれのメリットについて、詳しくみていきましょう。
3.1. 燃費性能が優れている
ハイブリッド車は、状態に応じてエンジンとモーターを効率良く組み合わせて走るため、同クラスのガソリン車よりも燃費性能が優れており、ガソリン代の節約につながります。
3.2.走行時の音が比較的静か
ハイブリッド車は、エンジンをモーターがアシストすることでエンジンの負荷が抑えられ、エンジン車に比べて走行時の音が静かです。また、モーターは回転数が低くても大きなトルク(回転力)を出せるため、スムーズな発進・加速ができるのも特長です。
3.3.地球環境に優しい
ハイブリッド車は、ガソリンと電気モーターの最適な組み合わせにより、ガソリン車よりも少ない燃料(ガソリン)で長い距離を走行できます。つまり同じ距離を走るのに使うガソリンの量が少なくなるため、ガソリンを燃やす際に発生する二酸化炭素(CO2)の排出量も少なくなり、地球温暖化の抑制に貢献できます。また、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)やHC(炭化水素)などの有害物質も低減されるため、大気汚染問題の改善にもつながります。こうした点から、ハイブリッド車は地球環境の保全に貢献できる車といえるでしょう。
3.4.自動車保険のエコカー割引がある
ハイブリッド車は環境に配慮した車として、自動車保険(任意保険)の「エコカー割引」の対象になり、保険料が割り引かれることがあります。
割引の有無や割引率は保険会社によって異なるため、加入前に確認するようにしましょう。損保ジャパンの個人用自動車保険『THE クルマの保険』の場合、ご契約の自動車が対象要件を満たす自家用乗用車の電気自動車、ハイブリッド車、または圧縮天然ガス自動車(CNG車)で、ご契約期間の初日の属する月が自動車検査証などに記載の初度登録年月(または初度検査年月)の翌月から起算して13か月以内の場合、保険料が1.5%割り引かれます。
3.5.税制優遇や補助金制度の対象になる場合がある
ハイブリッド車は、減税制度や補助金制度の対象となり、購入時や車検時の費用負担が軽減される場合があります。
-
エコカー減税
エコカー減税制度は、排出ガス性能および燃費性能に優れた車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税(車検時に自動車の重量などに応じて課税される国税)を免税・軽減する制度です。
現行の適用期間は2026(令和8)年4月30日までとなっており、減税対象車両について、適用期間中に新車新規登録などを行った場合にかぎり、自動車重量税が免税または軽減されます。 -
グリーン化特例
グリーン化特例は、排出ガス性能および燃費性能に優れた車に対して、それらの性能に応じて、自動車税・軽自動車税を軽減する制度です。
対象は電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車およびプラグインハイブリッド自動車であり、ハイブリッド車の中ではプラグインハイブリッド車のみが該当します。 現行の適用期間は2026(令和8)年3月31日までとなっており、適用期間中に新車新規登録を行った場合にかぎり、翌年度分の自動車税・軽自動車税がおおむね75%軽減されます。
なお、ガソリン車やディーゼル車などは、新車新規登録から一定期間(ガソリン車・LPG車:13年超、ディーゼル車:11年超)を経過すると、自動車税・軽自動車税がおおむね15%重課されます。ただし、ハイブリッド車や電気自動車などは適用外であり、車齢による重課はありません。 -
環境性能割
環境性能割は、車両を取得した場合に、車両の取得価額に対して環境性能に応じた税率(0~3%)を課税するものです。プラグインハイブリッド車は免税(税率0%)、ハイブリッド車は排出ガス性能と燃費性能に応じて税率が決まります。なお、環境性能割は2026(令和8)年3月末で廃止される見通しです。
3.6.エンジンへの負担が少なく長持ちしやすい
ハイブリッド車は、モーターのアシストによってエンジンへの負荷が軽減されるため、エンジンが長持ちしやすい点もメリットといえます。
発進時や加速時には、モーターが大きなトルクを担うため、エンジンにかかる負担が軽減されます。また、停車時にはアイドリングストップ機能が作動してエンジンが自動停止するため、稼働時間自体が短くなり、部品にかかる負担や熱負荷が軽減されます。これによって、長期的に見てエンジン本体の摩耗や故障などのリスクを抑えることができ、適切なメンテナンスを行えば、車を長く乗り続けられる可能性はさらに高くなります。
4.ハイブリッド車のデメリット
ハイブリッド車には、次のようなデメリットもあります。
- 車両価格が高い傾向がある
- バッテリーの交換コストや維持費がかさむ可能性がある
- 低速走行時の静粛性の高さにより歩行者への配慮が必要になる
- 車内空間や荷室が狭くなる場合がある
デメリットについてもよく理解しておきましょう。
4.1.車両価格が高い傾向がある
ハイブリッド車は、同クラスのガソリン車よりも車両価格が高い傾向があります。
これは、ガソリンエンジンに加えて、高電圧バッテリーやモーター、制御システムなど、複雑で高価な部品を搭載しているためです。一般的に、同じ車種でもハイブリッドモデルはガソリン車モデルと比べて数十万円程度の価格差が生じることが多くあります。
ハイブリッド車は、燃費の良さでガソリン代や税負担を抑えられる一方で、初期コストが大きくなりやすい点に注意しましょう。
4.2.バッテリーの交換コストや維持費がかさむ可能性がある
ハイブリッド車には、一般的に「駆動用バッテリー(モーター走行用の電力源)」と「補機バッテリー(ライトなど電装品への電力供給用)」の2つのバッテリーが搭載されています。いずれも消耗部品であり、寿命を迎えれば交換しなければなりません。
バッテリーの寿命は種類や車種、走行状況などによって異なるため一概にはいえませんが、駆動用バッテリーが約5~8年(走行距離で約10万キロメートル)、補機バッテリーが約3~5年といわれています。特に駆動用バッテリーの交換には数十万円程度、補機バッテリーの交換には数万円程度かかるため、交換時の費用は大きな負担となります。
また、ハイブリッド車はガソリン車に比べて構造が複雑なため、故障時の修理やメンテナンス費用がガソリン車よりも高くなることもあります。
4.3.低速走行時の静粛性が高いため歩行者への注意がより必要になる
走行音の静かさはメリットである反面、静かすぎて歩行者が車の接近に気付けない可能性が高くなります。そのため、運転者は歩行者が車の存在に気付いているか、目線や反応などに特に注意しなければなりません。横を通過する際は、車に気付いていないことを想定して1.5m以上の間隔を空け、安全な間隔が確保できない場合は、すぐに停止できる速度で徐行するようにしましょう。
最近のハイブリッド車には「車両接近通報装置」の設置が義務付けられており、低速走行時には音を発して、歩行者に車の接近を知らせる仕組みになっています。
4.4.車内空間や荷室が狭くなる場合がある
ハイブリッド車には、通常のガソリン車の装備に加えて、モーターやバッテリーなどの装備も搭載されています。これらの装備のスペースを確保するために、車内空間や荷室(トランク)が狭くなっているケースもあるため注意が必要です。
車内空間や荷室の広さは、乗り心地や使い勝手に直結します。数値や写真だけではわからない部分もあるため、実車を確認したり試乗したりして、実際に広さを体感したうえで検討するのが良いでしょう。
5.ハイブリッド車がおすすめの人
ハイブリッド車が自分に合っているのか迷う方も多いのではないでしょうか。ハイブリッド車が向いているのは、例えば次のような人です。
- 走行距離が長い人
燃費性能の高さが発揮され、ガソリン代を抑えられるため - 市街地での走行が多い人
エンジンが苦手とする頻繁な発進・停車を繰り返す運転や低速走行をモーターでカバーし、燃費が向上するため - 燃費や環境性能を重視する人
ガソリン消費やCO2・大気汚染物質の排出を抑えられるため - 音や振動が少ない走行を求める人
モーターアシストによる走行で走行音や振動が抑えられるため
これらはあくまで目安であり、ご自身の利用目的や走行距離、考え方、予算などを踏まえて検討することが大切です。
6.ハイブリッド車を選ぶ時のポイント
ハイブリッド車を選ぶ際は、まず「燃費性能と車両価格のコストパフォーマンス」を比較して希望の車種を絞り込みましょう。そのうえで、「保証内容とメンテナンス体制」が充実し、末永く安心して付き合える、信頼できるディーラーかどうかを見極めることが重要です。
6.1.燃費性能と車両価格のコストパフォーマンスを比較する
ハイブリッド車を選ぶ際は、燃費の良さだけで判断するのではなく、「車両価格と予想されるメンテナンス費用」と「節約できる燃料費」を総合的に比較することが重要です。同クラスのガソリン車と比べて車両価格が高めでも、年間走行距離が長ければ燃料費の節約で価格差を回収できる可能性があります。
一方、走行距離が少ない場合は初期費用の差を取り戻すのに時間がかかることもあります。将来のメンテナンス費用や適用される減税制度なども考慮し、トータルコストで購入車種を絞り込みましょう。
6.2.保証内容とメンテナンス体制を確認する
購入車種を絞り込んだら、その車種を取り扱うディーラーの保証内容とメンテナンス体制を確認しましょう。ハイブリッド車の駆動用バッテリーには、通常、新車登録から一定期間のメーカー保証が付帯しています。保証期間や走行距離の上限などの詳細をディーラーに確認し、将来的な交換費用の負担がどの程度軽減されるかを把握しておくことが重要です。
また、ハイブリッド車特有の特殊な整備が必要になった際に、適切に対応できる技術力や設備を持ったディーラーかどうかも事前に確認しておきましょう。定期点検の費用やアフターサービスの充実度なども含めて、末永く安心して付き合える信頼できるディーラーから購入することをおすすめします。
7.まとめ
ハイブリッド車は、エンジンとモーターを効率良く使い分けることで、優れた燃費性能と静かで力強い走り、環境負荷の低減を実現した車です。ガソリン車よりもガソリン代を抑えやすく、電気自動車のように充電設備や航続距離を過度に心配しなくてよい点は大きな魅力といえるでしょう。
一方で、車両価格が高めであることや、バッテリー交換などで維持費がかさむ可能性がある点には注意が必要です。
ハイブリッド車を選ぶ際は、燃費の良さだけでなく、車両価格やメンテナンス費用、保証内容まで含めたトータルコストで比較することが大切です。ご自身の利用目的や走行距離、予算に合った車を選び、充実したカーライフを実現しましょう。
※本コラムの記載内容は、特段の記載がない限り、損保ジャパンの保険商品ではなく、一般的な保険商品の説明としています。
※損保ジャパンの保険商品に関する内容は、2026年1月1日以降始期契約における補償内容等の概要をご説明したものです。詳しい内容については取扱代理店または損保ジャパンまでお問い合わせください。
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